劉関張(リューカンチャン)は3数字連牌を杠子・刻子・対子とした組み合わせ。云うなら三連刻の兄貴みたいな役。そして前コラムで紹介した覇王鞭(はおうべん)の兄弟役。
劉関張は、三国志で有名な劉玄徳・関雲長・張翼徳を表す。劉玄徳が長男、張翼徳が末子なので、杠子・刻子・対子の順となる。しかし対子・刻子・杠子の順でも可。ただし槓子が真ん中に来たり、対子が真ん中に来たりする形は不可。
単にポンを連発すればいい三連刻と異なり、3種類を順番にそろえなければならない劉関張は、ちと難しい。何といっても杠子がネックになる。
劉玄徳・関雲長・張翼徳の3人が義兄弟の杯を交わしたことを、三結義(サンユイチー)と云う。そこでこの役も三結義という別名がある。
ところで日本でも義兄弟の杯を交わすということはあるが、そういう風習は一般社会では廃れている。しかし中国では、現在でも普通に存在している。そこで気の合う者同士が義兄弟の契りを結んだり、大人が気に入った子供を“義子(ぎし)”にしたりする。
そしていったん“義の契り”を結ぶと、家族同然。よほどのことがない限り、一生 関係が続く。そこでたとえば陳家の若者が劉家の主人と義子の契りを交わすと、陳家の若者は実家が二つできたようなもの。義親の家に自分より若い子供がいれば、自動的に自分の弟妹(ていまい)となる。
むかし台湾の某家を訪問しているとき、後から若い娘が来た。なんか某家の人と思いっきり親し そう、というか まるっきり家族状態。某家の主人を「お父さん」なんて呼んでいる。しかしそんな若い娘がいるとは聞いてなのいなかったので、「アレはダレ?」と聞いたら。「私の義子だ」という返事。(ふ〜ん、なるへそ)と合点がいった。
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