(73)コリジョンコース
三重県上空でヘリコプターとセスナ機が衝突し、乗員全員が残念な結果となった。人的な2次災害が起きなかったのが、不幸中の幸いというしかない。空中衝突の原因ははっきりしていないが、両機がコリジョンコースに入ったのではないかと云われている。
はじめて聞いた言葉であったが、衝突コースという意味だそうだ。衝突コースに入ったから衝突したに決まっている。そこで最初は変な表現だなと思った。解説によれば、コリジョンコースとは、互いに同一点(衝突点)を目指すコースのことをいい、このコースに入ると互いに相手機が静止しているような錯覚に陥るそうだ。
しかし飛行機が空中で静止というのも極端だ。ひょっとすると相手が自分よりゆっくり飛行しているように感じがするらしい。いずれにしても自分は、このままの飛行経路で、相手の前をすり抜けられるような感じがするるのかも知れない。
それで思いついたことが一つある。
よく仕事で岐阜県の中○川市というところにゆく。その途中に「魔の交差点」というところがある。出会い頭の自動車事故がよく起きるので、そう呼ばれているし、実際、「魔の交差点」という看板も立てられている。
取引先に行くたびにそこを通るのだが、見通しはそんなに悪くない。もちろん見通しを妨げる障害物が無いわけではない。しかし障害物と言っても、片方の道沿いに植えられた並木くらいなものだ。それもびっしり植えられているわけではない。樹間を通して互いを確認することは難しくない。なのにどうして魔の交差点なのか、ずっと疑問だった。
しかしこれをコリジョンコースと考えれば、納得できる。交差点だから、互いに同一点を目指しているに決まっている。そこへ衝突のタイミングで、且つ同じくらいのスピードで車が進行してくると、地上におけるコリジョンコースに入ってしまうのだろう。そこでこのまま進行していっても相手より先に交差点を通過できるような錯覚を起こし、結果的に事故となる。。。。
いままでは、「なにが魔の交差点だ。こんなところで事故起こす奴はどうかしてる」と思っていた。しかしこれからは、充分以上に気をつけることにした。(キッパリ)
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