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       (309)銅しようもない


 先般、某製鉄会社(仮にA社と)の人と雑談をする機会があった。今までのσ(-_-)の人生で縁の無い世界の話だったので、非常に興味深かった。 

 A社は、いうなら2次製鉄会社。つまり自動車ボディや工業製品などのスクラップ鉄を溶かし直し、H型鋼や鉄筋などのビル建築用の鉄製品を造る会社。しかし一口にスクラップ鉄といっても、用途に応じてニッケルとかコバルト、あるいは銅などの成分が加えられている。そんな必要があって加えられた各種の成分も、A社にとっては“ 不純物 ”。

 そこで溶かした段階で、様々な方法で不純物を除去する。すると完全ではなくても、ほとんどの不純物は除去できるそうだ。しかし銅(Copper)だけは絶対に除去できないという。

  「へぇ〜、銅して?」と聞いたら銅は鉄とは親和性が高く、いうならDNAのレベルで同化してしまうので 一旦 混じると分離不可能になるという。そいで「“金(gold)と同じ”じゃなくて、“金(かね=iron)と同じ”だから銅というんでは」と冗談を云ったら、「銅だけは銅しようもない」とボヤいていた。(笑)※もちろんσ(-_-)のは完全な冗談。「銅」の「同」は「同彡(赤)」の略で「赤い金属」の意。

 そんな不純物も1%や2%ならA社の製品にも問題は生じない。しかし5%を超えると問題が生じる。そんなときは不純物の入らない純鉄を投入して、不純物度を5%以下に抑えるとか。


 

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