ちと旧聞だけど、先般 タレントの見栄晴さんが結婚の記者会見をしていた。いわゆる“出来ちゃった婚”ということで、記者の質問もそこに集中。そしたら見栄晴さんが照れながら「“出来ちゃった婚”ではなく、“おめでた婚”と云ってください」とコメントしていた。なーるほど、というので大いに感心した。
云うまでもなく“出来ちゃった婚”という表現には、多分にからかいのニュアンスがある。いや、じっさい芸能記者はからかいのタネにしているんだろうけどさ。σ(-_-)もこれまで何気なく使っていたけど、考えてみるとけっこう失礼な表現。一歩
間違えば、“からかい”を通りこして、小バカにしていることになりかねない。そこで自省の念もこめて、これからは すべからく“おめでた婚”と表現することにした。
そいで実はこの記者会見を見ていてフと疑問に思ったことがある。それは、“おめでた婚”の“婚”。“婚”の字は女偏に“昏(こん)”と書く。“昏”は日(太陽)が低く(氏=低の略字)なった状態なので、読んで字のごとく“暗(くら)い”という意味になる。そこで夕方、陽(ひ)が落ちて薄暗くなった時間帯を黄昏(たそがれ)という(“たそがれ”は“誰そ彼”の意)。それはいいけど、その“昏”に女偏がつくと、どうしてめでたい婚礼の意味になるんだ? そう思ったら気になってしかたがない。そいで急いで漢和辞典(角川・大字源)を引っ張りだしてきた。
すると驚いた。
昏(コン)は「コン」という音だけを借りてきたもので、原意は根(コン)とか門(モン)。つまり婚は“女の根”とか“女の門”という意味で、女性そのものを表すとあった。なんとまぁ、そのものズバリじゃん(^-^;
こうなるとさらに気になるのが、婚姻の“姻”の方。そいで、ついでにそっちも辞書を引いてみた。そしたら“因”は原因の因で、元々とか“頼りにするところ”の意。そこへ女偏がつくと、女が嫁入りして頼りにする嫁ぎ先(婿の家)の意味となる。転じてお婿さんを表すとあった。
なーるほろ、婚姻とは そういう意味だったのか。おめでた婚のインタビューのお陰で、一つ勉強になった。(^-^)V
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