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       (295)おめでた婚


 ちと旧聞だけど、先般 タレントの見栄晴さんが結婚の記者会見をしていた。いわゆる“出来ちゃった婚”ということで、記者の質問もそこに集中。そしたら見栄晴さんが照れながら「“出来ちゃった婚ではなく、“おめでた婚と云ってください」とコメントしていた。なーるほど、というので大いに感心した。

 云うまでもなく“出来ちゃった婚”という表現には、多分にからかいのニュアンスがある。いや、じっさい芸能記者はからかいのタネにしているんだろうけどさ。σ(-_-)もこれまで何気なく使っていたけど、考えてみるとけっこう失礼な表現。一歩 間違えば、“からかい”を通りこして、小バカにしていることになりかねない。そこで自省の念もこめて、これからは すべからく“おめでた婚”と表現することにした。

 そいで実はこの記者会見を見ていてフと疑問に思ったことがある。それは、“おめでた婚”の“”。“”の字は偏に“(こん)”と書く。“”は(太陽)が低く(氏=低の略字)なった状態なので、読んで字のごとく“(くら)”という意味になる。そこで夕方、陽(ひ)が落ちて薄暗くなった時間帯を黄昏(たそがれ)という(“たそがれ”は“誰そ彼”の意)。それはいいけど、その“”に偏がつくと、どうしてめでたい婚礼の意味になるんだ? そう思ったら気になってしかたがない。そいで急いで漢和辞典(角川・大字源)を引っ張りだしてきた。

 すると驚いた。
 (コン)は「コン」という音だけを借りてきたもので、原意は(コン)とか(モン)。つまりは“女の根”とか“女の門”という意味で、女性そのものを表すとあった。なんとまぁ、そのものズバリじゃん(^-^;

 こうなるとさらに気になるのが、婚姻の“”の方。そいで、ついでにそっちも辞書を引いてみた。そしたら“”は原因で、元々とか“頼りにするところ”の意。そこへ偏がつくと、女が嫁入りして頼りにする嫁ぎ先(婿の家)の意味となる。転じてお婿さんを表すとあった。
 なーるほろ、婚姻とは そういう意味だったのか。おめでた婚のインタビューのお陰で、一つ勉強になった。(^-^)V

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