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(24)ところ変われば

親指と人差し指で○をつくれば、日本ではだいたいお金の意味、うん、まぁ、最近はOKの意味もあるようだ。こういうフィンガーアクションみたいなものはどこの国にもある。しかし同じ動作でも国によって意味するところは大きく異なる。σ(-_-)が最近驚いたのは、鼻の前でげんこつを作る仕草。

 鼻高々というところから、日本では「あいつは天狗になっている」というような意味を表す。しかしフランスでは酔っぱらいの意味になるそうだ。どうしてこれが酔っぱらいを意味するのかさっぱり分からなかったが、最近は「酒をビンごと飲んでいる仕草を表しているんだろう」と一人納得している。

 日本で親指だけ上に立てると、「親父、大将、男」などを意味する。しかしどうもアメリカなんかではOKの意味を表すみたいだ。そういえば昔見たカークダグラス主演の「スパルタカス」という映画では、この動作が「生かしておけ」、逆に親指を下に向けると「殺せ」という意味で使われていた。ひょっとしたら西洋文明では、親指を立てる=「OK」or「セーフ」、という感じなのかいな。

 中国で親指は「大人(たいじん=立派な人)、親分」をあらわす。少し日本の「親父、大将」と似ている。う〜ん、これは偶然の一致か、あるいは中国伝来の文化なのか。いずれにしてもここまではいいが、小指の意味が全然違う。

 ご存知の通り、日本では小指を立てると、親指(親父、男)の反対で「彼女、愛人」などの意味を表す。しかし中国では「大人(たいじん=立派な人)、親分」の反対で「小者(こもの)、チンピラ、悪い人間」を意味する。

 そんな事をしらない今から25年ほど前の話。中国人ビジネスマンを交えたあるパーティに出席した。みると綺麗な中国美人がいる。話をすると笑顔も素敵。思わず隣の中国人に「うん、この姑娘は素敵だね。私のコレにしたいくらいだ」と顔の前で小指を立てながら冗談をいったら、その中国人が真っ青になった。。。。もちろんその姑娘は、それからσ(-_-)の側にまったく近寄って来なかった・・・・(~0~;
#そのとき初めて中国での意味を教えて貰った。

 ついでに思い出した。
 昔、日本の或る家庭を中国人の学生(男性=私の知人)が訪問した。学生であっても大事なお客さんなので、その家では座敷に通し、床の間が背中になる位置に座らせた。ご主人と奥さんがその前に座った。そこまではよかったが、その座敷机をはさんだ位置で「ようこそいらっしゃいました」と奥さんが頭を下げて挨拶した。するとその学生がビックリして座布団から転げ落ちた(笑)ホント ノ ハナシ

※床の間が背中になる位置に座った者に座して拝礼するのは、中国では皇帝に対する臣下の礼。

 うん、もう一つ、今度は逆の話。
 初めて台湾に行ったとき、同行の日本人(私とほぼ同年)を交えて、ある家庭で麻雀をした(その家の奥さん、及び近所の有閑夫人)。夜になってその家のご主人が帰宅した(政府にも顔のきく偉い人)。

 同行の日本人と自分は麻雀の手を休め、椅子を立って挨拶したが、その家の奥さんと近所の有閑夫人は口で「お帰りなさい」といっただけで席を立つ気配はない。(旦那さんが帰ってきたのに、いいのかな)と思ったが、奥さんが知らん顔してるので、こちらもそのままゲームを続けた。

 ご主人はそのままどこかの部屋へ消えた。幾ばくかの時間が経過したあと、ご主人が台所から出てきた。なにげなく見ると、湯飲み茶碗を載せたお盆を両手で持ってる。「ン?」と思ったら、そのまま麻雀卓に近づいてきて、「どうぞお飲みください」といいながら私たちにお茶を配り始めた。

 ビックリした私と知人は思わずバッと立ち上がった(^^; そのご主人はもちろん、周りにいた奥さんたちは「どうしたの?」という顔でキョトン....ま、それでも座り直してお茶をいただき、楽しく麻雀は終了した(それからしばらく、そこの家のご主人は養子かと思っていた・・・(_ _; )。昔のことは知らないが、どうやら現在の台湾では、ある面では日本より男女平等的考えが浸透しているみたいだ。

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