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    (209)片親ツバメ


 σ(-_-)の住んでいるところは緑豊かな田園都市。駅員はいなくても私鉄の駅もあるし、路線バスだって1時間に1本は来る。(笑)

 そんな田舎、じゃなかった、田園都市なので、春になると南方からツバメが子育てに来る。我が家の駐車場の天井にも巣があって、毎年かならず戻ってくる。

 いつも感心しているのが、いったいどうやって間違いなく戻って来るのかということ。何千キロの彼方からピンポイントで到着するなんて。どこから飛んでくるのか知らないけれど、ホントに不思議。

 もう一つの不思議は、毎年帰ってくるのが親か子かということ。たぶん親だと思うけど、親にだって寿命がある。親のあとは子がつかうと思うのだけど、代替わりのときを子ツバメはどうやって知るのだろう。

 実は一昨年、残念なことがあった。
 ツバメは同時には来日しない。何千キロの彼方から来るので、到着するのに数日から1週間ほどの差がある。先に到着した方がそのあたりを飛びながら待っている。やがて相棒も到着する。

 2羽がそろっても、すぐには卵を産まない。1週間くらい、2羽でそのあたりを飛び回っている。そのうちに卵を産む。卵はオス・メス交代で暖めるので、昼間は互いに出入りしている。夜はメスが巣の中に入り、オスが巣のふちに止まっている。ところがそのうちに、どちらか1羽の姿が見えなくなった。

 昼間も1羽しか見かけないし、夜も巣のふちにも1羽止まっているだけ。その様子から、どうやらいなくなったのはメスらしい。(どうしたんだろう。事故にでも遭ったか鳶にでもおそわれたか....)と思っているうちに、オスの姿もみなくなった。

(あ〜あ、残念。今年は子育て失敗か)と思いつつ、しばらく経って巣の中をのぞいてみた。すると空豆くらいの卵が5つほどあった。腐るといけないので、処分した。

 翌年(つまり去年ね)、去年、あんなことがあったから、今年は来ないかなと思っていると、1羽きた。(おお、来たか。しかしこのあとどうなるんだろう...)。

 やはり1週間ほど飛び回っていたが、相棒は来ない。というか、来るわけない....(今年はダメか)と思っていると、そこへ新たに2羽がきた。(あらっ?)と思っていると、最初の1羽が追い出しにかかる。

 (そりゃそうだろな)と思っていたが、あとからきた2羽はあきらめない。2,3日3羽でそのあたりを飛び回っていた。しかしやっぱり1羽より2羽のが強い。2羽グループが巣を奪った。やがて卵を産み、2羽交代で暖める。

 時期が来て、卵が孵化した。孵化したと云っても小さいので、外からは見えない。しかし親ツバメの動きで分かる。(おぉ、ぶじ孵ったか)と思いながら、親ツバメがエサを運んでいる様子を見ていた。

 するとなんだか親ツバメがエサを運ぶ回数が多い。(あれぇ?)と思いながらよく見ると、なんと3羽でエサを運んでいる!。たぶん片親ツバメが勝手にやってるんだろうけど、両親ツバメも拒否はしない。仲良く3羽で子育てしてる。

 だいたいツバメは5個の卵を産む。うまくゆけば5羽巣立つ。しかしどうしても1羽くらい、生存競争に負けて、エサをもらいそこなうヒナがいる。そこで5羽育つのは、けっこう大変。しかし去年はすくすく成長。5羽とも無事に巣立った。

            

 今年はどうなるのかと思っていたら、いまのところ去年と同じパターン。
 最初に来た1羽との巣の争奪戦も無事終了。いま卵を暖めているところ。たぶんあと10日ほどで孵化する。きっとその後は、また3羽で子育てするんだろうと思うこのごろ。

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