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    (177)日本語おまけ


 英語の文字種はアルファベットの26文字。単語の組み合わせは別として、文字種としてはこれだけ覚えればいい。しかし日本語は、漢字をどっさり覚えなければならない。

 そこで難しい漢字とか普段使わない漢字などは、易しい漢字、使い慣れた漢字に置き換えるようになっている。一つ二つ例をあげると、「堤防決潰」を「堤防決壊」、「車が顛覆」を、「車が転覆」と置き換える。それはそれで大いに結構。なにも難しい漢字を使う必要はない。

 とは言うものの、そいじゃあ、は全部は全部に置き換えればいいのかというと、そうはゆかない。

 には、こわれるの他に(めちゃめちゃに)つぶれるという意味がある。そこで体内の組織がれてしまうことを潰瘍(かいよう)、めちゃめちゃに負けて我先に逃げることを潰走という。これが壊瘍・壊走では、どうもピンと来ない。

 には、「あたま」とか「てっぺん」、「いただき」の意味がある。そこで顛覆は「頭が覆(くつがえ)る=ひっくりかえる」、顛倒は「頭が倒れる」れという意味となる。

 これを転覆・転倒と置き換えるのは、いちおう転がって覆る、転がって倒れるということになるので、まぁいい。しかし「事の顛末(最初から最後まで)を「事の転末」と置き換えたんでははワケワカメ。転がった末がどうだと云うんだ。百円玉が落ちていたとでも云うのか。

 麻雀で箱に入れた点棒がすっからかんになることをハコテンという。箱が顛覆の略だから箱顛。こいつを箱転と置き換えられるか。ン?、「箱が転(ころ)がる」でも、似たようなものか。(笑)

 もう一つ漢字で面白いのが、組み合わせが上下すると意味が異なってくるやつ。たとえば階段といえば、英語でStair段階といえばGradeの意味。上下が逆になるだけで、意味が異なってくる。

 動作と言えば身体の動き、作動と言えば機械の動き。それも作動はどちらかいえば機械内部の動き。自動車のキーを回せばエンジンが作動する。しかし自動車が動き出しても「車が作動した」、あるいは「車が動作した」とは絶対云わん....

 よくパソコンのプログラムに、「動作は保証できません」なんて書いてある。そりゃそうだろう。パソコンが作動することはあっても、パソコンが歩き出してたまるかっ!。

 

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