10年ほど前からピッキングという名の窃盗が話題となっている。これは住宅のドアをこじ開けて侵入したり、車のドアをこじ開けて車上狙いをする窃盗のこと。この手口そのものは昔からあったが、ピッキングと呼ばれるようになったのがおおよそ10年くらい前。
まぁ名称なんぞはどうでもいいが、実はσ(-_-)、むかし地域の警察協力組織みたいなもんに関係していた。そんな関係で、住宅や自動車のピッキング現場検証によく立ち会った。その経験から、みんなが被害者にならないように、一言、大きなお世話を述べておきたい。
よく自動車でカギの閉じ込みなんかした場合、薄手のフックをウインドとドアの間から差し込んで、ロックを解除することがある。じっさいσ(-_-)もやってもらったことがある。この方式の場合、フックがうまく掛かるのに結構時間がかかることがある。しかしカギを破損させないようにしようと思ったら、この方法しかない。
最近の車はよく出来ていて、特に高級車となると、この方法もなかなか難しくなっている。しかしそういう方法でドアを開けることが可能と言うことはよく知られている。そこで車上狙いを警戒して、車の中に大事なモノは置いていないようだ。それは大いに結構なこと。
しかし車のトランクとなると、どうも違うようだ。フックなどを差し込む隙間など無い。ウインドウも無いので、中が見えない。そこでなんとなく安心するのか、結構大事なモノが放り込んである。
しかしカギの破損のことを気にしなければ、σ(-_-)のような素人でも、車のドアやトランクなど、まず5秒くらいで開けることができる。もちろん或る道具はいる。しかし特別なモノではない。一般の家庭なら、絶対にある簡単な道具(もちろん我が家にもある)。
じゃあ、それは何で、どうやって使うのかというと、それは言えない....なにせあまりに簡単なことなので、聞けば誰でもすぐ実行できる。そこで“悪用されるおそれ、無きにしも非ず”だからだ。
とにかくここで云いたいことは、車の中、トランクなどに大事なモノを絶対に入れておかないの一言である。
次に住宅のドア。
一般にカギの掛かっているドアから侵入する場合、なんらかの手段でそのカギを無効にしなければならない。このカギを無効にさせるのに、音のしないようにしたい場合と、音がしても構わない場合の2方法がある。
回りに住宅があるので(人目があるので)、できるだけ音がしないようにしたい場合、カギ穴から専用の細い鉄などを差込み、ロックを解除する。しかしこれはちと時間がかかる。そこでカギを二重に取り付けたりしたりすれば、時間が掛かるのをイヤがって被害が防げる。
しかし人目を気にしなくていい場合、ハンディドリルなどを用いる。ドアノブの横あたりにビイーンとドリルで穴を開ける。その穴から専用の細い鉄などを差込み、ロックを解除する。これもカギが二つついていれば多少は被害が防げる。しかし、そもそも人目を気にしなくてもいい場所で行うわけだから、それほど効果はない。
面白いことに、ドアノブの近辺に穴を開ける場合でも、窃盗犯によって開ける位置が違う。穴を開けたあと、用具を差し込んでロックを解除しなければならない。それが窃盗犯によって、やりやすい位置、やりにくい位置があるせいらしい。
そこで窃盗犯にはニックネームがついていて、専従の警察官などは一目で、「これはドリルXの仕業だな」とか、「これはドリルBの仕業だ」などと、見分けていた。(笑)
※ドリルXが捕まってしばらく経って、また似たような位置開けの被害が出た。σ(-_-)も事情を聞いていたので、(捕まった筈なのに変だな。もう出所したのかしらん)と思った。そしたら、「あれはドリルXの弟子の仕業だ」って。(おひ、そんなものに弟子があるのかよ)、と思った。(笑)
で、肝心な話はこれから。
ドリルを使用する手口は楽でもあるので、現在でも行われている。しかし購入するにも金がかかる。またハンディドリルといったっては重いので持ち運ぶのが結構大変。そこでどうするか。
ホントのプロは、ドリルなんか使わない。プライヤーと小さな金槌とドライバーがあれば簡単にドアを開ける。ドリルを使うときのような音もしない。おまけにドリルの穴から専用の道具を差し込んで、ロックを解除するというようなテクニックも必要ない。
σ(-_-)だってその気になれば、たぶん10分もあればどんなドアを開けることができる。ではどうするのかと言えば、これもweb上で話すのは憚られる....言えることは、カギが二つついていようが3つついていよう、見た目ガッチリした重々しいドアでも、ちと時間が余分に掛かると云うだけで、開けられるということだけ。
ましてや住宅のドアなど、お茶の子さいさい。そこで自分の家はカギがしっかりしているから安心と思ったら大間違い。これがピッキングの現実である。そいじゃあ防犯対策はいったいどうしたらいいのかと言うことになる。
一つの方法としては、ドアが開けられたらベルが鳴るなどのセキュリティ対策。現在、いろんなメーカーが関連のハイテク機器を売り出している。これは費用がかかるが、たしかに効果がある。
もう一つはドアを二重にすること。外側には上部に30センチ四方の強化ガラス製の窓がついたドアをつける。内側は普通のドアでいい。実はこれがもっとも良い。こうすると、さっき話したプライヤーと小さな金槌などを使う手口もかなり困難になる。
それでもこじ開けが困難になるだけで不可能ではない。そこで相手がプロフェッショナルなら対応される可能性はある。しかしσ(-_-)のような駆け出しなら、まず手が出ない、って、おひ。(-_-;
また誰か訪問者が来たとき、現在は小さな覗き穴から確認するようになっている。これ覗き穴から見るのに腰をかがめなければならないし、第一、見えにくい。ヘタすると、互いの目と目がドッキングする。(笑)
もちろん相手の声も聞こえにくい。
仕方ないのでドアを開けると、まともに相手と向かい合う。それが押し売りセールスだったりすると、断ってドアを締めようとしても足をドアに挟んで閉めさせないこともあるという。場合によっては強引にアガリ込んでくるとも云う。
それが二重ドアなら内側のドアをさっさと開けることができる。ガラス窓があるので、相手は丸見え。それが押し売りまがいなら断ってさっさと内側のドアを閉めてしまえばいい。もしこっちの顔をみられたくないということならば、窓をマジックガラスにしておけばいい。
ホント、どうして日本の住宅メーカーなどが、そのようにな工事をしないのか不思議でならない。
※実は香港、台湾など、あちこちからの移住者が多いところでは、マンションなどはすべてこのような二重ドアになっている。ただし外側は「上部にガラス窓」なんてしゃれたものではない。まるで牢屋の鉄格子のようなドア。「上部に窓ガラス」というドアよりはるかに安上がりであるが、見栄えは美しくとは言えない....
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