前項「点数計算その1」で述べたように、現代麻雀の得点は連底(レンテー)を役の翻数分だけ累乗(倍々計算)して算出する。そこで役が2つ(二翻)あれば、計算は次のようになる。
30符X2(役)X2(役)=得点
しかしこれだと120点にしかならない。なんだか変だと思われるのも無理はない。実は、連底の話のときに出てきた門前加符のように、アガリ役には「場ゾロ」という二翻がプラスされるのだ。ただしこの「場ゾロ」、門前だとか副露とかに関係なく、アガればぜったいにプラスされる両翻である。いうならウインドウズを買うと必ずついてくるワードとエクセルみたいなもの。
どうしてこんなものがついているかという事については、マイクロソフトにはマイクロソフトの、麻雀には麻雀の事情があるという程度にしておきたい。
そこでたとえば西家が、連底が30符で役が2つ(二翻)の手をツモアガったとすれば、役の二翻に場ゾロの二翻が加算されるから、倍々計算は30符に対して4回行うことになる。
(A) 30符X2(役)X2(役)X2(場ゾロ)X2(場ゾロ)=480点
現在の計算法は端数切り上げ式であるから、480点は500点となる。しかしこれは子供1人が支払う点数であり、親はこの倍を払う。この場合、500点を2倍するのではなくて、元の480点を2倍する。
(B) 480X2=960 → 端数を切り上げて1000点
そこで西家の得点は
(C) 500(南家から)+500(北家から)+1000(東家から)で計2000点となる。
もし西家が同じ手を南家からロンアガリした場合(別に北家でも東家でもいいけれど)、この2000点は放銃した南家が1人で払う。
(D) 480点X4=1920 → 2000点
さて子供1人の支払い点は480点(500点)だから、南家が払う2000点は、子供4人分に相当する点数である。そこでロンアガリした場合は、いちいち(A)(B)(C)と順番に計算をして2000点を算出するのではなく、(A)の式にいきなり子供4人分である4を乗じてしまう。
(a) 30符X2(役)X2(役)X2(場ゾロ)X2(場ゾロ)X4=1920点 → 2000点
では同じ手(連底が30符で、役が2つの手)を東家(親)がツモアガリした場合はどうなるか。子供がアガったとき、親は子供の倍額を支払うのは前述した通り。そこで親は自分がアガったときも、子供の倍額を貰うことが出来る。そこで(A)の式はこうなる。
(A+) 30符X2(役)X2(役)X2(場ゾロ)X2(場ゾロ)X2(親)=960点 → 1000点
※倍額というのは点数を2倍にすることだから、これを「親の一翻」と呼ぶ。
親であるから、この1000点を子供3人から貰う。すると合計点は3000点となる。
(C+)1000 X 3=3000点
(A)の式での述べた通り、30符二翻という手をツモアガリした場合、子供3人の支払い点は本来は500点である。それが3000点になるということは、これは結果的に子供6人分の支払い点に相当する。そこで親がこの手をロンアガリした場合は、いちいち(A+)(C+)の計算をしないで、いきなり(A)の式に子供6人分である6を乗じてしまう。
(a+) 30符X2(役)X2(役)X2(場ゾロ)X2(場ゾロ)X6=2880点 → 2900点
見た通り、ツモアガリの場合は3000点の得点となるのに、ロンアガリの場合は2900点で100点の差が出る。これは一言で云うと端数切り上げという計算法から生じる誤差である。
さて30符を4回、倍々計算すると(A)の式の通り480点(500点)となる。しかしこれをいちいち電卓などで計算するわけには行かない。そこで登場するのが語呂による倍々点の丸暗記である。この語呂を点数表とともに示したのが下図の表。
※翻数は場ゾロ含み。したがって一翻二翻の部分はツモアガリに対する支払い点として発生することはあっても、アガリ合計点として発生することはない。
下記の表には60符と80符の系列を示していない。60符は30符系列で、80符は40符系列で代用できるからである。また90符以上の系列も示していない。これは90符以上の連底が発生する可能性は、σ(-_-)が3億円の宝クジに当たる確率と同じくらい低いから(笑)。
点数と語呂の部分をまとめて表にしたので、見た目煩雑となってしまった(_
_; しかしぜひ語呂の部分は暗記してほしい。この部分をニイヨン・ヨンパァ・クンロク・インクーニーとか、お経のようにぶつぶつと唱えてひたすら丸暗記する。
丸暗記してしまうと、目的の点数が出てくるのが格段に早くなる。そうこうしているうちに、目的の点数が出てくるのが早くなるどころか、計算しなくても目的の点数が瞬時に頭に浮かぶようになる。
|