Foundation stone 礎石 .

    (19)振りサイ法


 サイコロを振ること、投サイともいう。サイコロは漢字で「(サイ)」、あるいは「骰子(シャイツ)」と表記する。賽は、賽銭とか賽願という熟語もあるように、本来は神様に対する御礼というような意味。そこで意味としては骰子(シャイツ)のほうが適切であるが、振りシャイでは語呂が悪い。(笑) そこでどうしても漢字で書きたいときは振り賽と表記されることが多い(もちろん「賽」にもサイコロの意味がある)。

 現在は自動卓全盛の時代で、現実にサイコロを振る機会は無い(純麻雀では、サイコロを振るという行為自体が存在しない)。そこでサイコロの正しい振り方を知る機会も無くなってしまった。しかしなにかの拍子には、自分の手で振りサイする機会があるかも知れない。そんなときのために、正しいというか恰好いい振りサイ法を知っておくのも悪くはない。

 振りサイで多いのが、(A)卓の中央へポロっと投げ出す方法、(B)山の内側にぶつけるという方法である。山の内側にぶつけると、角張ったサイコロが山にはじき返されてサイコロはよく転がる。そこで(A)より(B)のほうが良いと考える人もいる。

 そこでむかしの人の中には、(B)の方法を行う人が多かった。ただし他人の山にぶつけるのは失礼だというので、自分の山の内側へぶつけるようにと云っていた。しかし山の内側にぶつけるという方法は、それが自分の山であろうと他人の山であろうと、一番よろしくない方法。

 たしかに山にぶつければサイコロはよく転がる。しかし転がりすぎてコロコロどころかクルクルといつまでも回転することがよく起きる。すると全員、止まるまでじっと待たなければならない。それだけでなく、時にはぶつけそこなったサイコロが卓外へ飛び出したりする。そこで山の内側にぶつけるくらいなら、空中からパラリンと振り出す方法の方がまだマシである。

 では、どのような方法がベストかといえば、親指/人差し指/中指でサイコロを軽くつまみ、自分の山の上部に軽く打ちあて卓の真ン中へ振り出す方法がベストである。

 このときのコツがいくつかある。まず第一に振りサイする前に、山の上方で「振る」という構えを取ること(この構えは、山の上面から数センチ上方の位置で取る)。そして手を軽く手前に引き、山の上面をよく見ながら手を上方から落とす感じではなく、水平に動かすような感じで山の上部へ軽く振り出す。するとサイコロは適度な転がりをもって、河の中央へ振り出される。

 小さめのサイコロの場合、人差し指/中指/紅差指でサイコロを軽くつまみ、自分の山の上部に軽く打ちあて卓の真ン中へ振り出す方法もある(大きめのサイコロだと、人差し指/中指/紅差指ではつまみにくい)。これは恰好いい振り方であるが、少し練習が必要。

 この場合、あまり手は動かさず、サイコロをつまんだ人差し指・中指・薬指の3本を、軽く手のひら側に折り曲げる。そして山の斜め上から卓の真ン中へ転がり出るような方向性で指先を前方へ軽く伸ばすだけの感じで、山の上部に軽く打ちあて振り出す。

 う〜ん、実際には一瞬の出来事だけど、言葉で説明すると長くなるな...

以前へ  以降へ  目次へ