Foundation stone 礎石 .

    (14)順逆の理


 一言で云えば、捨て牌と待ち牌の関係の話。
 手牌に2235とあるとき、特別の理由のない限り一般的には5が捨てられる。ここで2を引かない限り、次に捨てられる可能性が高いのは2。すると捨て牌は52となり、残った手牌は23となる。手牌が2335の場合は、捨て牌が53で、残った手牌は同じく23となる。いずれも待ちは14である。これがまぁノーマルな捨て方。そこでこのパターンは順切りとも呼ばれている。この順切りパターンで行けば、全般的には次のようになる。

** 元型 捨牌 残牌 待牌 ** 元型 捨牌 残牌 待牌
A1 2235 23 14 B1 2335 23 14
A2 3346 34 25 B2 3446 34 25
A3 4457 45 36 B3 4557 45 36
A4 5568 56 47 B4 5668 56 47
A5 6679 67 58 B5 6779 67 58
a6 5788 78 69 b6 5778 78 69
a7 4677 67 58 b7 4667 67 58
a8 3566 56 47 b8 3556 35 47
a9 2455 45 36 b9 2445 45 36
a10 1344 34 25 b10 1334 34 25
※赤字の牌が最初の捨て牌。

 表の通り、捨て牌は52(A1),63(A2)のように筋で捨てられる形(A群)と、53(B1),64(B2)のように嵌張を嫌ったような形(B群)になる場合がある。A群は、捨て牌同士が2数字離れ、B群は1数字離れている。そこでA群の捨て方は間二軒(あいだにけん)、B群の捨て方は間一軒(あいだいっけん)とも呼ばれる。

 間1軒にせよ2軒にせよ、必ずしも連続して捨てられるとは限らない。しかし最初の牌と次の牌の間に他の牌が挟まれるとしても、一般的にはせいぜい3,4枚以内である(5枚も6枚も離れて間一軒、間二軒の状態になっているものは、後引きの結果に寄る可能性が高い)。しかし連続であろうと3,4枚の挟みであろうと、待ち牌は最初に捨てられた牌の裏筋となる。

 No.8裏筋の項で述べたように、手牌に235とあれば特別の理由がない限り5が捨てられて、待ちは14となる。これが裏筋のメカニズム。間一軒であろうと二軒であろうと、この理屈は同じ事。そこで仮に相手の捨て牌が52であって自分が4か3を捨てたいというときは、3を捨てた方が多少は安全度が高いといえる。また53と捨ててあるからと云って、単純に「カンチャンを嫌ったのだろう」と4を切り出して行くのは、かなり危険と考えられる。

 さて間一軒であろうと二軒であろうと、一般的には順切りが選択されるので、最初に捨てられた牌の裏筋が危険という話になる。ならこれを逆に切ったらどうなるか。

 すなわち2235とあるときには25と切る。2335とあるときは35と切る。つまり刻子の可能性を見切ってしまう。すると実際の待ちは両者とも14であるが、最初に捨てられた牌の裏筋は、前者は36,後者は47となる。いずれにしても1は比較的切り出されやすくなる。

 このように刻子の可能性を捨てて相手の読み筋を外す切り出しを逆切りと呼ぶ。この逆切り、どれだけ有効かどうか分からないけど、覚えておいて損はせんかも。(-_-)

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