或る1種の碑について考へて見るに同種稗は何れせよ四枚しかないのであるから、四枚の内から二枚取る組合せは
4C3=4×3×2/3×2×1=4
すなわちその組み合わせは4通りあるわけである。
※C はコンビネーションの意味である。
次に四枚の内から四枚取る組合せは明らかに一通りである筈だ。とすれば、四通りの組み合わせのある刻子へX點與へるとするなれば、一通りしか組み合せのない槓子へは、其四倍の4を與へて然るべきであらう。
即ち 刻子=x 槓子=4x となる
同じく貴誌十月号の沼埼雀歩氏の論を適用するに、ポン率は摸率の約二倍の可能性があるそうだから、いま明刻にy點を與ヘるとするなれば、明刻には2y點を與へて然るべきである。
槓子に於ても同様の事が言ひ得られるであらう。但し明刻より明槓子になる可能性と、暗刻より明槓子になる可能性とが如何なる割合のものかは判からない。
兎も角以上の如くに考へて来ると、例へば中張牌に於て明刻子に2點を與へるとするなれば
明刻子=y=2 ∴暗刻子=2y=4
又槓子に於ては
明槓子=4y=8 ∴暗槓子=4(2y)=16
となって、現行ルールの計算法が此部分に関する限りは頗る合理的であることを知る。
之を以て見ても、槓子に開槓の特種 否 嶺上開花の一翻が付随せねばいけない程のものでない事は想像し得られる。
之で例題は中張牌であるが、刻子と槓子とに何故二鮎から三十二鮎までの得點(小副)があるかの理論的根拠はハッキリ吟味された筈である。
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