Book review 

    (59)麻雀博物館会報 第7号('04.7.1)


 千葉県にある麻雀博物館、年に2回、博物館会報を発行している。博物館の会報だけあって、毎号、興味深い記事が載っている。会報という特殊な刊行物なので、一般の目に触れる機会が少ない。これまでも内容の一部を単発的に紹介したことがあったが、このカテゴリーで本格的に紹介することにした。

 7号の1面は、今年10月31日、大阪の中之島公会堂で行われる中国麻将大会のPR記事。
    

 この中国麻将大会は昨年に続いて2回目。ところがこれを「国際公式ルール」と称しているので、昨年の第1回大会では中国麻将をまったく知らない人も、普通の麻雀大会だと思ってエントリーしてきた人がいたという。そんな混乱を避けるため、今年は各地にある中国麻将教室の推薦が必要とか。

2面は、博物館のある千葉県岬町でのふれあい麻雀大会の模様。
      

 3面上段は麻雀博物館顧問の江橋崇先生の麻雀歴史に関する解説。
ココで紹介した、P Art Cuiture magazine に掲載された論考の邦訳。
        

 3面下段は、牌彫刻発祥の地である東京町田牌彫刻師山岸陸太郎氏の紹介記事。
               

 山岸氏手作りの彫刻刀やら、手作り牌ができるまでのパネルが非常に興味深い。
   

 4面は、博物館所蔵のうちでも貴重な牌の紹介。さすがに麻雀博物館、じつに素晴らしい。
紙牌

  

   



    

麻雀のルーツの一つと言われる昇官牌福健牌の特徴である品子(通常の麻雀牌の万子に相当)や、花牌の春夏秋冬を想わせる春宮〜冬宮。そして三元牌のルーツか、白牌の存在が目を惹く。




 5面は各種雀卓。大阪の中麻大会にも出品されるという。もとより見事なモノであるが、雀卓というより多用卓かも....
    

 6面は、日本麻雀連盟の故・川崎備寛名人のメモリアル。
    

 事績の紹介とともに著書一覧が掲載されている。
麻雀通(四六書院 昭5刊 70銭)
麻雀早和り法とガメクリ法(誠文堂十銭文庫昭6刊)
麻雀高等新戦術(誠文堂十銭文庫 昭6刊)
麻雀新戦術(誠文堂文庫 昭7刊 25銭)
麻雀の打ち方(大泉書店 昭24刊 160円)
麻雀千夜一夜(明玄書房 昭28刊 200円)
麻雀入門(川津書店 昭29刊150円)
麻雀の勝ち方(大泉書店 昭31刊 160円)
新麻雀入門(川津書店 昭32刊150円)
麻雀必勝法(虹有社 昭41刊 手塚晴雄共著)
麻雀日本創刊号(麻雀日本杜 昭7刊30銭)

 6面の下段に、川崎名人の雀譜が掲載されている。ある対局で川崎名人が混一色をアガったものであるが、打ち筋は現代麻雀と対比すると面白い。そこで詳細は、他山石で取り上げてみたい。

 7面は、第4回、野口恭一郎賞の麻雀大会の模様。
      

 8面は、麻雀博物館だより。
    

 このページの右上に新規入館品が紹介されているが、いずれも素晴らしいものばかり。書籍では、「麻雀牌譜」、「宣和譜牙牌」が超貴重書籍。
          

昇官図」は、5面に掲載されている昇官牌の絵図版というか、元ゲーム。
また昭和4,5年代の麻雀誌、「麻雀春秋」、「麻雀時代」、「麻雀往来」、「麻雀戯誌」なども数点。これもまた貴重な資料。ココで紹介した「麻雀読本りべらる増刊」も入館したとある。

        

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