Book review 

    (24)麻雀古書 その3


 このカテゴリーのNo.11/No.12でも述べた通り、近年の麻雀古書の価格高騰はおそろしい限り。囲碁将棋の本なら昔から高額なモノもあったが、麻雀なんて完全にそえもの。昭和50年前後なら、戦前書でも千円、2千円で手に入った。それがいまや平均価格は完全に5000円だ。高いモノになると、10,000円近くする。

 麻雀に限らず、古書にはいろいろ稀少書があり、百万、2百万という値段で取り引きされる。駆け出しの古本屋かなんかで、稀少書を見分ける知識がないと、思わぬところで損するわけだ。

 麻雀にもいろいろ貴重書がある。しかしさすがの古書店も、麻雀書となると、なにが貴重書で、なにが一般レベルか分かりにくいようだ。そこで値段付けは非常に大ざっぱ。とにかくに戦前書なら高く付ける傾向がある。

 そこで、「おひ、こんな本が5千円かよ」なんてことがよくある。その反面、「あの本が5千円なら、こっちは8千円だろう。なんで同じ5千円なんだ」なんてこともある。高額なのは困るにしても、正当な評価がなされないのもいかがなものか(by ムネオッチ....)。

 で、戦前書についてはこんな感じだが、戦後書についてはどうか。実は、これも戦前書とおんなじ状態。戦後の麻雀書だって、超貴重書から一般書までいろいろある。しかし戦後というだけで超貴重書から一般書まで、みんな横並びに値段が安い。まことに喜ばしい状況。

 それでも昭和20年代の本となると、終戦直後の特殊な時代ということもあって、内容に関係なく少しは良い値段がついている。しかし昭和30年代から50年にかけての本は、まるで一山いくら状態だ。

 安いという理由には、需要が少ないということもあるかも知れない。たしかに昔の戦術書なんて古くさいと思われがち。また麻雀学どうのこうのと云うと、どうしても戦前の本ばかりに目が行きがち。ところが実は、この時代にはとんでもない貴重書が何冊も出版されている。

 そんな昭和40年代の中の或る1冊。σ(-_-)も1冊しか持っていないし、それも或る人の相当な好意で入手できたという超貴重書。それが某古書店のカタログを見ていたら2千円で売りに出されていた。見たとき、思わず目を疑った。(@_@)

 なにはともあれ、モノも云わずに注文した。そして数日後、無事入手。しかしその本をこうして手にとっていても、まだ信じられない思いだ。この貴重書、値段のつけようもないが、敢えて値段をつけるとすれば最低、満州からスタートというところか。

 と、ここまで云うと、「じゃあ、お前がそんなに云うその貴重書というのはなんという本だ」と云う事になると思うが、古本屋さんが、このコラムを見るのが恐ろしくてとても言えない。ああ、困った。。。。(^-^;

 いずれにしても、麻雀のうんちくに興味がある人は、戦前の本だけでなく、この時代の本も視野に入れておいた方がいいと思う次第。

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