IPアドレスとは

◆イーサーネットとは
 イーサネットとは、よく聞く単語だと思います。 Linuxの覚書でもイーサーネットカードとか使っていましたが、具体的にイーサネットとは何の事だろうか?またNIC(Network Interface Card いわゆるLANケーブルを繋ぐための拡張ボードなどに装着していた機器の事)とは何か違うのか? などなど、ここではイーサネットについての記述をしていこうと思います。
≪ 項目 ≫
1.イーサネットとは
2.イーサネットの種類
3.イーサネットのフレームフォーマット


 1.イーサネットとは

 イーサネットとは、IEEE 802.3 委員会で規格化されたLANの種類で、主に同軸ケーブルツイストペアケーブル(いわゆる家庭やオフィスで使われるLANケーブルの事)、光ファイバケーブルの事を指します。 これらを接続するためのNIC(Network Interface Card いわゆるLANケーブルを繋ぐための拡張ボードなどに装着していた機器の事)が、 他のデータリンクの機器に比べて安価で、デバイスドライバも作りやすいという事もあり、今では家庭、オフィスなどで主流で使用されています。


 2.イーサネットの種類

 よくパソコン専門店や電気店などでLANケーブルを買おうとすると、10BASE-T や 10BASE-F、100BASE-TX など色々と種類があるのは知っていると思います。 これはどう違うとかと言うと、転送速度の違いや媒体の違いを表します。 10BASE-T の”10”の部分は転送速度を、そして後ろの”T”や”F”の部分は媒体の種類を表します。


ケーブル種類 ケーブル最大長 最大ノード数 ケーブルの種類
10BASE2 185m 30 同軸ケーブル
10BASE5 500m 100 同軸ケーブル
10BASE-T 100m - ツイストペアケーブル (UTPカテゴリ3〜5)
10BASE-F 1000m 2 光ファイバーケーブル (MMF)
100BASE-TX 100m - ツイストペアケーブル (UTPカテゴリ5/STP)
100BASE-FX 100m 2 光ファイバーケーブル (MMF)
100BASE-T4 100m - ツイストペアケーブル (UTPカテゴリ3〜5)
1000BASE-C4 25m - シールドされた銅線
1000BASE-SX 220〜550m 2 光ファイバーケーブル (MMF)
1000BASE-LX 550m / 5000m 2 光ファイバーケーブル (MMF/SMF)
1000BASE-T 100m - ツイストペアケーブル
(UTPエンハンスカテゴリ5)

 ※UTP(Unshield Twisted Pair Cable)・・・シールドなしツイストペアケーブル
 ※STP(Shield Twisted Pair Cable)・・・シールドありツイストペアケーブル
 ※MMF(Multi Mode Fiber)・・・マルチモード光ファイバー
 ※SMF(Multi Mode Fiber)・・・シングルモード光ファイバー


 ネットワークを接続する際、以下の点に気をつけなければいけません。

 ・通信速度が同じで通信ケーブルが違う場合
  それぞれの通信媒体を変換できるリピーターかハブなどで接続する事が可能。
 ・通信速度が違う場合
  速度変換機能を持つブリッジ、スイッチングハブ、ルーターで接続する事が可能。


 3.イーサネットのフレームフォーマット

 イーサネットのフレームフォーマットは以下の通りです。

 Ethernet イーサネット
宛先
MACアドレス
6オクテット
送信元
MACアドレス
6オクテット
タイプ
2オクテット
データ部
46〜1500オクテット
FCS
4オクテット


 IEEE802.3 Ethernet イーサネット
宛先
MACアドレス
6オクテット
送信元
MACアドレス
6オクテット
フレーム長
2オクテット
LLC
3オクテット
SNAP
5オクテット
データ部
38〜1492オクテット
FCS
4オクテット

 2つのフレームフォーマットを記述しましたが、TCP/IPが標準で使用しているのは上の「Ethernet イーサネット」の方です。(IEEE802.3じゃない方です。) では、「IEEE802.3 Ethernet イーサネット」の方は何に使われているかというと、NetBIOS や Netware で使用されていたフレームです。 ここでは、上の「Ethernet イーサネット」をメインに記述していきます。

 宛先MACアドレス、送信元MACアドレスはその名前の通り、送りたい相手のMACアドレスと自分のMACアドレスを格納していきます。 タイプは上位プロトコルの情報(番号)が格納されます。 要は、インターネット層のプロトコルは何かという情報です。 正確にはIANAというところに、プロトコルとそれに対応した16進数の番号の対応表があり、その対応表に応じて番号が格納されます。 ちなみに、IPは 0800 ARPは 0806 RARPは 8035 IPv6は 86DD となっています。 FCS(Frame Check Sequence)は、フレームが壊れていないかチェックするためのフィールドです。 ここにはフレーム全体を特定ビット列で割り、その余りを格納しています。

 下は参考まで「IEEE802.3 Ethernet イーサネット」のLLC部とSNAP部の内部です。
 物理層(データリンク層)は、媒体アクセス制御と論理アクセス制御の2つの部に分けられます。 媒体アクセス部とは、イーサネットやFDDIなどの媒体ごとによって決まっているデータ部で、論理アクセス部は媒体に関わらず共通のデータ部の事を言います。
 LLC部とSNAP部は、論理アクセス部のデータ部となります。

LLC部 SNAP部
DSAP
1オクテット
SSAP
1オクテット
CTRL
1オクテット
ベンダ
3オクテット
タイプ
2オクテット

 SNAP部の中に上位プロトコルを指すフィールドがあります。


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