メールサーバーの仕組みについて

 qmail でメールサーバーを立てるまで、私はPOP3は外部からのメールを受け取るものと勘違いしていました。(元プログラマが本気で・・・)
 意外と分かっていないと、先入観があって詰まるのではないかと思い、”メールサーバーの仕組みについて”のページを作成してみました。

≪ 項目 ≫
1.SMTPとPOP3とは
2.設定する上での注意点

 1.SMTPとPOP3とは

 Outlook等のメーラーの設定は、普通は受信用サーバー(POP3)と送信用サーバー(SMTP)と設定する箇所があります。 一体、この2つのサーバーがどのような働きをしているのか下に簡単な図を書いてみました。

メールサーバーについて01

 今回は”qmail”を使用する事を前提しますが、上の図では、SMTPとPOP3の機能が1つのホストにあります。
 それぞれの機能を簡単に分けるのであれば、SMTP は外部向け、PO3(またはIMAPなど) はクライアント向けだと思ってください。

 とりあえず、各機能について1つずつ説明して行こうと思います。

 ◆ SMTPサーバー

 外部から来るメール(つまり他のメールサーバーから来るメール)を受け取ったり、また外部にメールを送信する(他のメールサーバーにメールを送ること)機能を持っています。
 メールを送ると言う事は、他のメールサーバーへメールを渡すと言う事になります。クライアントはメール本文を作成してもメールは送信できません。 メールサーバーにメール送信依頼をしないといけません。 このメール送信機能のことを MTA(Mail Transfer Agent) と呼びます。
 また逆にメールサーバーが、他のメールサーバーからメールを受け取った場合、自分の担当しているクライアント宛であれば、そのメールを該当するクライアントのメールボックス(メールスプール)に配送してあげます。 この機能のことを MDA(Mail Delivery Agent) と呼びます。
 メール配送するさいに使用されるのが SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)プロトコル です。 だから SMTPサーバー と呼ぶのではなく、MTA と MDA が2つ揃って初めて SMTPサーバー と言えると思います。

 ちなみにこのサイトでは、SMTPサーバー として”qmail”本体がその機能を行います。

 ◆ POP3サーバー

 SMTP がメールを受け取って、各ユーザーにメールを仕分けた所からメールをダウンロードしてくる機能のことです。(ダウンロードした後はサーバーからメールデータは削除されます。) ダウンロードするさい、そのユーザーが正しいか確認する為の認証機能があります。 この時に使用するプロトコルをPOP3(Post Office Protocol 3)と言い、そのプロトコルを使用してクライアントにサービスを提供しているサーバーを POP3サーバー と呼びます。
 POP3 以外にも IMAP(メールをダウンロードしても削除されない)や APOP(ユーザー、パスワードを暗号化する)などと似たような機能があります。

 ちなみにこのサイトでは、POPサーバー として”checkpassword”と”courier-imap”がその機能を行います。


 2.設定する上での注意点

 メールサーバーを設定する上での注意点ですが、まず SMTP は認証機能を持ってないということです。 つまりきちんとセキュリティを設定しないと、どのホストからでもメール送信依頼を受けると送信してしまう事になります。 メールサーバーが踏み台にされるとはこの事を言います。
 これを避けるにはセキュリティを設定が必要です。 セキュリティの例として、IPアドレスによる制限をかける、または”SMTP before POP3”と言ってPOP3認証が完了していなければメール送信できないようにという方法があります。

 前者は簡単です。自ネットワークのIPアドレスは分かっているはずなので制限はかけれます。

メールサーバーについて02

 xinetdなどのプログラムでアクセス制限をしてあげればよいでしょう。 (このサイトでは”tcpserver”というプログラムを使用してます。)

 後者の方はちょっと設定はややこしいですが、どこからでもメールが送信できるという利点があります。

メールサーバーについて03

 その他にもありますが、このサイトでは上の2つを説明しています。


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