さて、カトちゃんがPetit GeeBeeに積んでる32SX、
実は...
自分でも驚いたぐらいに大バケしちゃってるのです(^^)
どノーマルに比べたら...これは36SX?
そう呼びたくなるくらい、
ギンギンにパワーアップしています!
36−32=4って事で、パワーが割増した感じの4の内、
3まではハットリのパワーアップマフラーによる部分ですが
残り1はキャブレターチューンによるもの、って感じでしょうか。
特にハットリのパワーアップマフラー単品でのチューンに比べてみると
ピークも少し伸びるのですが、
それ以上に中速トルクがタップリ太ってレスポンスが向上する所が
ファンフライにピッタリ!
今回Petit GeeBeeに使ってみたら
実にオイシイエンジンだったのです。
しかし、
「2サイクルは4サイクルに比べてスローの信頼性が今一つ、
低速を多用するファンフライには不向きだ!」
そう考えてらっしゃる方も多いのでは?と思います。
確かに32SXはスローで難しい部分があるのですが、
チョットしたキャブの改造とリンケージのポイントを押さえる事で
スローの信頼性も格段に向上してくれます。
パワーアップマフラーを購入するにはお金がかかるのですが、
カトちゃんがキャブレターに施しているチューンには
お金、かかってません!(^^)v
パワーアップマフラー無しでもスローの信頼性と
中速のレスポンスは確実に向上しますので
Petit GeeBeeに32SXを搭載しようと思われる方には
特にオススメかと思います。
それでは、カトちゃんが32SXのキャブに施している
改造2カ所をご紹介します
その1 キャブレターマニホールド部(?)の 面取り加工 |
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キャブレターのクランクケースに差し込まれる部分、 この部分には小判形に混合気が通る穴が開いているのですが、 クランクケース側を覗いてみると キャブのマニホールド部外径ぐらいの 大きなポートが空いています。 このキャブがクランクケースに差し込まれた時の ポート形状を考えると... 小判型の穴の口の所、 かなり大きな段差になってしまっています。 カトちゃんの32SXキャブチューンその1は この段差を小判穴の面取り加工で無くしてしまう事! 小判穴の円弧部分を面取りするだけでなく、 直線部分(キャブレター取付ネジ穴の下の部分です)も しっかり面取りしてやります。 ただし、ネジ穴の下の部分を面取りするときは ネジ穴を削ってしまわないように注意! カトちゃんここを削りすぎてネジ穴をバカにしてしまって キャブ1個、台無しにしちゃいました。 |
この面取り加工チューンは
ヘリをやっている方の間では
けっこう有名なチューンらしく、
クランクケース内への混合気の充填効率が向上するため
ピークパワーと中速のレスポンスが向上します。
カトちゃんのやってみた結果では
ピークも確かに少し回転が上がるようになるのですが、
それ以上に吹け上がりと中速のレスポンス!
スロットルを開けるとキャブからクランクケースの中に
混合気がドカン!と充填されるようになるようで、
ピックアップがスムーズに、鋭くなってくれます。
加工はリューターがあれば簡単(5分とかかりません!)ですが
時間をかければ棒ヤスリでも可能です。
キャブレター内部のスプレーバーに
削りカスが入ってしまわないよう、
チリ紙を詰めたりしてから作業して下さい。
その2 スプレーバー端面の 穴埋め(ハンダ付け) |
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このスプレーバーの端面、 ノーマルでは穴が開いています。 そしてこのスプレーバーの上に スロットルドラムがかぶさっていますが (正確にはスロー調整ネジの先にパイプ部分があり そこが被さっています) 構造的には空いていなくても良い穴が開いたままになっています。 カトちゃんの32SXキャブチューンのその2は この不要な穴をハンダで埋めてしまう事。 これはRC技術誌 (確か2,3年前の年末年始ごろの号だったと記憶、 古い号は捨てちゃった物で...m(_ _)m お手元に保存されている方はゼヒ1度ご覧下さい!) で紹介されていたチューンなのですが、 やってみたらスローの信頼性が素晴らしく良くなりました!(^^) それだけではなく、アイドリング2000rpmからでも 一気に吹け上がるようになります! |
RC技術誌に紹介された記事のオリジナルでは
スプレーバー端面に木ネジの先を切り取って作ったフタをハンダ付けしていますが
カトちゃんの場合はフタ無し、ハンダ付けのみです。
(ハンダ付けしてからかなり使い込みましたが充分保っています。)
ハンダ付けする時はスプレーバーの中にハンダが流れこんで
スプレーバーの燃料噴出口を塞いでしまわないように注意して下さい。
(スプレーバーを充分脱脂してから端面と内面の口の辺りを軽くペーパーがけして
ハンダごての先に乗せたハンダの上にキャブレターの方を乗せるようにすると
失敗が無くて良いかと思います。)
なお、スプレーバー外側にハンダがはみ出ていると
スロットルドラムが入らなくなります!
はみ出たハンダは丁寧に削り落とし、
滑らかにかん合するように仕上げて下さい。
無理矢理ドラムを押し込んだらキャブがまともに機能しなくなります。
OS 32SXというエンジンは
その高性能故に30クラスヘリコプター用として
圧倒的なシェアを誇っています。
その事実から言って素晴らしい高性能エンジンなのですが
飛行機用としてはだれも
「高性能だ!パワーがある!」
と騒ぐ事の無い、
考えてみたらチョット不思議なエンジンです。
まあ、32なんて小さなエンジンに
こだわる人は少ないためだろうと言ってしまえばそれまでですが
カトちゃんが4台使ってみた経験から言ってしまえば
スローの信頼性が今一つ!なのです。
(このせいで32SXは飛行機としては
せいぜいセカンドプレーン用ぐらいの地位しか得られていないのではないかと...)
更に言ってしまえばスローがらみに関しては
不思議な現象が見られる変なエンジンです。(-_-;)
特にみんなで頭を抱え込んでしまった不思議な現象として
新品を軽く慣らしをして本格的に回して見た時の事。
全開から一気に回転を2000rpmに落としても長時間安定してアイドリングするくらい
全体に好調でスロー調整も出来ているのに
そこから僅かでもスロットルを開けると
「プス!」
って瞬間的に止まってしまう個体があることでした。
これが起こるといくらスローを調整しても全くムダ!
しかし、起きない個体は全く止まらず好調に回るのです...?
これはカトちゃんが購入した4台の中の2台の他に
仲間のエンジンでも起きる物と起きない物があり
起きる個体に当たってしまったら
「ハズレ引いてしもた〜!(T_T)」
って泣いていた物です。
(これに当たると止まらなくなるまで慣らしのつもりで
スローは4000rpm以上、
着陸はエンジンカットでガマンしていたんです(T_T) )
それとスローを調整するネジを回しても
反応が現れるのが今一つ鈍いのも不思議な点。
当時、これはキャブレターの口径が異様に大きい故だろうと思っていたのですが、
真の原因は他に有りました!
RC技術誌にかなり詳細に原因を解説した記事が出ていたのです。
この記事に書いてあった対策をキャブレターに行うと
32SXはスローの信頼性も素晴らしいエンジンに大バケしちゃいました!
謎のエンストを起こさない個体には必要無いチューンとも言えますが
スローが今一つ信頼出来ない、と感じてる方がいらっしゃたら
ゼヒ1度、試して頂きたいチューンです!
バックナンバーを保存していないので
お名前が分からず少々失礼かとも思いますが、
この記事をRC技術誌に投稿された方の素晴らしい観察力、洞察力には
カトちゃん、本当に敬意を表します。
さて、32SXを好調に使うには
もう一つ、凄く大事なポイントがあるのです!
それは、
リンケージ!
32SXのリンケージについて |
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32SXのキャブレター径は7.5o、この口径は 他のFXシリーズ等に比べて異常なほど大きいと言えます! それ故に32SXは強烈なパワーが得られるわけですが、 実車のエンジン等でも大口径キャブに付き物の難点、 スローについてはやはり、少々難しい部分があります。 左の写真、 これが実はRAM12x4を2800rpm程度でアイドリング させているときのスロットルドラムの開き具合です! 口の幅は1oもありません! 従来良く使われてきたAPC10×6などでは アイドリングでの口の開きは 更に細くなります! (と言う事は、更にシビアになっちゃうんです!) |
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こちらはアイドルダウン、2200rpmくらいでの スロットルドラムの開き具合です。 プロポのアイドルダウン値は僅かに3程度! サーボホーンがほんの僅かに動いたかどうか、 ってくらいで確実にアイドルダウン出来るリンケージ、 即ち、全くガタの無いリンケージを行わないと 確実なアイドルダウンは行えません! と言うよりガタのあるようなリンケージでは、 スローが定まらず、 悪くするとスロットルドラムが回りすぎて スローにすると即、エンスト! って事になっちゃいます! |
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普通ならスロットルリンケージは スロットルアームにシリコンチューブを被せ、 Z曲げした1.2〜1.4oのピアノ線を アームの穴に通す程度で充分ですが 32SXではそれでは満点とは言い難いのです。 左の写真の様な部品やヘリのボールリンクを使って リンケージのロッドが全く踊らないよう、 しっかりガタ無しのリンケージをする必要が有ります。 更にはスロットルサーボもガタの無い 動きが正確な物でなくてはなりません。 |
カトちゃんは初心者さんに
「32SXが止まるので見て欲しい」
と言われてチェックした事、たくさんあるのですが
そのうち半分くらいはリンケージに原因がありました。
胴体のある機体ではきれいにガイドパイプを通して
スムーズにロッドが動くようにしなければなりませんが、
これ、意外と難しいのです。(^^;)
特に32SXはチョットでも抵抗があると
スローがなかなか決まりません。
ファンフライでは胴体が板なのでガイドパイプを通す必要はありませんが、
やはり、リンケージにガタがあるとスローが決まらないのは同じだと思います。
キャブ径がデカイ故にハイパワーですが、反面リンケージはシビア、
機体を作る時はこの事を忘れずに!
スローを多用するファンフライに32を使う場合、
スロットルリンケージのガタは即、命取りになりかねませんので...
2003 09 20 new!
関連記事としてPetit Gee BeeのFLIGHT LOGをUPしました。
32SXをファンフライに使用する場合は
ピストンリング入りのピストン&シリンダーをオススメします。
詳細は2003 09 20のFLIGHT LOGをご覧下さい。