NAUGHTY
設計 :カトちゃん
製造 CARDEN AIRCRAFT JP
販売 R/C HOBBY
発売開始 2004年10月19日

●NAUGHTY製作解説 

●NAUGHTYのセッティング 
2004 11 9 new!

●機体の保管について 2004 11 11 new!


この度、CARDEN AIR CRAFT JP製造
R/C HOBBY販売の形で製品化され
一般市販されることになりました。
初号機がTOCフライヤー
Frank Noll氏に絶賛された事がきっかけで
完成直後にいきなり製品化の話が持ち上がり、
公開を差し控えていましたが
発売開始を機に、一気に公開したいと思います。
なお、製品化にあたりCARDEN AIRCRAFT JP 小西氏
R/C HOBBY 小野氏には大変お世話になりました。
しかも、
コストを度外視したかのようにレーザーカットを採用して頂いた上
価格も低く抑えて頂き、正に破格の扱いでの製品化、
現状、これ以上は望み得ない最高のキットにして頂けました。
御両名にはこの場を借りてお礼申し上げます。
m(_ _)m

と、ご挨拶させて頂いた所で
いつものペースで機体の紹介など...
ただ今回、自分が設計した機体という事で
「性能が良い」
というお話しをすると自画自賛になっちゃいますので
割と淡々と、
「こんな機体です」というご紹介に留めたいと思います。
それと、初号機がロールアウトしてから半年、
その間色々と質問頂いたりもしましたので、
その内容ナドも少しご紹介しておきます。

NAUGHTY(ノーティ)って、何て意味?

naughty:やんちゃな、とかイタズラ好き、とか
確かそんな意味です(^^;)
カトちゃんが自作した機体の名前を飛ばしながら考えてた時、
EPP機なにの舵の効きがもの凄く良くて
チャッチャカチャッチャカ良く動く、なんだかと〜っても
ヤンチャな感じがして
「これは、英語だと何て言う感じなのかな...?」と...
それでピン!と閃いたNAUGHTYと言う名前を付けたワケです。
雰囲気、合ってるのかどうか正しい所はわかりませんが、
もうすっかりこの名前で定着しちゃいました!
って事で、この子の名前は「NAUGHTY」、
数あるEPP機の中でも1,2を争うヤンチャ坊主です(^^)

NAUGHTYって、どんな飛行機?

まず、RC飛行機実験工房のsekiaiさんが発明した
「EPPモナカ構造」と呼ばれる構造を採用した
EPPファンフライだと言う事。チョットの墜落ではまず壊れません。
ただ、他のEPP機が完全無風のインドアを目的にして
「高性能化のためにはまず軽量化!」という流れの中にあって
カトちゃんは
「EPP機を外で飛ばすためには先ず強度!」というコンセプトで
スーパーコマクローンV3K以降突っ走って来ました。
そのため、EPPモナカ構造の機体としては
最も重いクラスと言って良い300gオーバー級、
パワーユニットもAXI2212/26をリポ3セルで使用し、
最大静止推力700g弱、パワーウエイトレシオは2に近いという
エンジン機すら寄せ付けない程の瞬発力を発揮する、
初心者の方には扱い切れない超オーバーパワーの飛行機に
なっています。
逆に言うと、小型軽量でも空気抵抗の大きなファンフライを
風の吹くアウトドアでマトモに飛ばすには、それだけの瞬発力と
それをシッカリ受け止めるだけの強度が必要でした!
そのあたりの強度に関するノウハウを、カトちゃんはV3Kをいじり
回して貯め込んでいたワケです。実際、V3Kは思いの外性能良く
出来上がった飛行機で、特にそのコブラの性能はそれまで経験
した事が無い物でした。機首上げの角度が何度でも全くふらつく
事無くスムーズに前進し、ラダーを打つだけで空気の上を滑る様に
滑らかにターンしてしまうのです。

 ここに掲載しているのはカトちゃん所有の2号機、
 何人かの方にカトちゃんお手製のキットをお渡しして
 モニターをお願いしたNAUGHTY2型をベースに
 少々モディファイを加えて完成させた3型と言うべき
 内容のモデルです。初号機より大幅に強度UPしながら
 数グラム軽量化し、特に動翼先端を幅15oに渡って
 テーパーさせた事により、舵のレスポンスが更に改善され
 ています。ただ、この加工は非常に失敗しやすいので
 量産型の取説には紹介していません。
 現在、この動翼先端をテーパーさせたNAUGHTYを持って
 いるのはカトちゃんとよーたんだけ!
 製作記事ページの方では紹介してますので
 自信の有る方は挑戦してみて下さい。


右の文にも書いてますがNAUGHTYは一からCADを使って
キッチリ数字を管理しながら設計した機体です。モニターを
お願いした方の中には側面のデザインを変更された方も
いらっしゃるのですが、バランスが崩れてクセ持ちの機体に
なっちゃったそうで...また、面積バランスだけでなく強度の
バランスも飛ばしこみながら様子を見て改善を加え鍛え上
げています。おかげで完成度は高いんですが...
正直、作るのは大変です(^^;)
キットを購入して下さった皆さん、頑張って下さいねm(_ _)m
イキナリですが、このサイドビューは我ながらカワイイなァ、と
気に入ってるんですが、皆さんはいかがでしょう?

しかし、全体の強度バランスが悪かったため、複合舵を要求される演技
をやると唐突なクセが有り、少しの風で飛ばし易さまで激変してしまいま
す。このあたりを改善するためV3Kをいじり回し、ある程度の答えが出た
所でカトちゃんは新型機の設計に着手しました。
コマクローンは2年近く前に流行した「コマクロ」がベースの機体ですが
コマクロより新しい世代のファンフライのノウハウを知る限り全てブチ込み
ノリノリで楽しみながら設計しちゃったワケです(^^;)
・コブラの性能はV3Kそのままに!
・胴体は素直に飛行機らしく、「カワイイ」デザインで!
・側面積の上下バランスを完全に取ってナイフエッジは完全なクセ無し!
・機体全体の強度UPで舵の効き具合をバルサ製の機体並みに!
・機首、翼端など墜落時にぶつける所は衝撃を吸収しやすい構造に!
ナドナド、その他イッパイ!
もの凄く欲張ったコンセプトで設計したんですが、
カトちゃんの本業の強み!
CADを駆使してキッチリ数字を管理しながら設計したのが幸いした様で
...
マグレ当たりと言っても良いでしょう!
全部狙い通りの機体が出来ちゃったワケです!(^^;)(^^;)(^^;)
それがNAUGHTY初号機でした。
NAUGHTYはどういう風に進化発展したのか?
 さて、そうして出来上がったNAUGHTY初号機ですが、
最初はカトちゃん、性能の程は正直良くわかってなかったんです。
このNAUGHTYの性能の真価、とも言うべき部分を最初に見抜いて
世に出すきっかけを与えてくれたのが、エアキラーカップにゲストとして
招かれていたTOCフライヤー、FRANK NOLL氏でした!
FRANK NOLL氏が飛ばすまで、カトちゃんはNAUGHTYをまともに
上空飛行させた事が無く、ひたすら狭い公園で夜遊びしていただけで
した(^^;) エアキラーカップのスケジュールの合間によーたんの調整に
よって最適な重心位置にセッティングされた初号機はイキナリ、
別物に化けたんです!いくらラダーを深打ちしても全くクセが出ず、
ナイフエッジ中にエレベータと同じ感覚でラダーが打てる機体に変身
してしまったワケです。
 しかし、良い事ばかりではありません...
 いくらでもラダーを強く打てるバランスを手に入れてしまったため、
初号機は胴体の剛性が不足した機体になってしまいました...
つまり、ラダーを深く打っていくとバランスが破綻する機体なら
そんなに強く胴体に荷重はかからない(と言うか、かけられない)ワケ
ですが、「ナイフエッジでヤキトリが可能なのでは?」と思えるほど(!)
強烈に効くラダーを深く打つと、胴体が曲がってラダーの効きが逃げて
しまうようになっちゃったワケです(-_-;)

EPP機は缶スプレーで塗装をする、等の方法で着色する事に
なるんですが、これがナカナカ、メンドクサイのです(-_-;)
ですから真っ白のEPP機が多いのも無理ありません。
しかし、黒のラッカーを使ってキャノピーを描くのと、主翼の裏面に
「海苔」みたいな太いラインを入れるのは筆塗りで簡単に作業
出来ます。機体の裏、オモテがわかりにくいのはそれだけで
飛ばしにくい物です。キャノピーとこんな感じのラインを入れるだけ
でも見やすさが全然違ってきますので、機体が完成したらゼヒ、
黒色ラッカー筆塗り塗装を試みて見て下さい。


これが先端をテーパーに仕上げたラダーとエレベータ、エルロン
も同様に仕上げてあります。
正直、この加工は操舵感が良くなるだけで、絶対性能が向上する
とか、軽量化に貢献するとかいうようなメリットはありません!
そのくせ、加工はメチャメチャ大変です。
1機で5枚の動翼を仕上げる事になるワケですが、カトちゃんも
3枚くらい失敗します(^^;)
何かこの加工を簡単に行う良い方法、
ありませんかねェ...

もし、このテーパー加工に挑戦しようと思った方、
失敗しても良いように
45倍発泡の5oEPPを用意してから行って下さいね!


そんな時にANAのインドアでお会いしたsekiaiさんに
「胴体を水平尾翼の直前まで太くすると良い」
とアドバイスを頂いたりしながら、カトちゃんは胴体剛性の見直し
にかかりました。同時に重心が後ろ重になってしまうのを補正する
ため、胴体側面デザインの変更を行って出来上がったのが2型。
つねたんを始め数名の方に手作りキットをお配りしてモニターして
頂いたのがこの2型です。
この2型でNAUGHTYの空力はほぼ、完成の領域に到達しました。
しかし、カトちゃんにはもう一つ、改善したい気になる点が残って
たんです。これはもう、ヒジョ〜に微妙な事なのですが...
ニュートラル付近で変に舵の入りが鈍くなる事があるんです。
それは特に、ほんの少しの風が吹いている時にホバリングすると
割と良く感じられる現象でした。
この原因を色々考えてみたんですが、どうやらこれは動翼の先端
のブ厚さが原因ではないか?と...
動翼の先端がブ厚いせいで発生する乱流が舵の効きを鈍くする
「天然エクスポネンシャル」
が効いているためではないか?と...
そこでカトちゃんは制作中の自分の2型の動翼の先端を
幅15oに渡ってテーパーに仕上げてみました。
結果、天然エクスポが無くなったためでしょうね、ニュートラル付近
で時々感じられていた舵の入りの不安定さが改善され、操舵感が
素晴らしく良い機体に仕上がってくれました。
これがカトちゃん所有の3型、「MIGHTY」を名乗っているのは
動翼をテーパー仕上げにした事により最高の操舵感を誇っている
故で、一応、ダテではなかったりします(^^;)
オリジナルと量産型(キット)に違いは無いの?
ズバリ、有ります!
どういう違いかと言えば、機体の設計では
・胴体側面の板厚を上げて剛性を更にUP!
・主翼を製作しやすくするためにリブを3oから5oに変更
の2点です。
胴体の板厚を上げたのは高い製作精度、つまり
ねじれていない胴体を作り易い様に配慮したワケですが、
同時に、胴体剛性UPによってパワーをタップリ使った
上空飛行での安定性向上を狙いました。
リブを厚くしたのはスパーとリブの骨組み(?)の強度を
強くしておく事で、一番難しいプランク作業を少しでも簡単にして
EPP機の製作経験のない方にも精度の良い主翼が作れる様に
配慮したためです。
もちろん、少しですが主翼強度もUPしてます。
この変更に伴い、EPP部品の総重量は6、7g増えましたが
精度が出しやすくなり、重量増加を補ってオツリが来る強度UP
が得られる変更になっています。
それと作るのに意外と手間暇かかってしまう
モータマウントとホーンをレーザーカットの2oベニアで用意した
事です。
(特にこのマウントとホーンではかなりワガママをお願いしちゃい
ました!ズバリ、完全にNAUGHTY専用パーツです!)

EPP機のカーボン補強の最近の主流はフィッシュボーンですが、
極薄PPテープを併用する仕様で板物パーツ(動翼と水平安定板)
の強度を確保するNAUGHTYではフィッシュボーンは採用せず、
敢えて裏表両面に貼り付ける仕様としています。ナゼかと言えば、
フィッシュボーンよりも壊れにくいからです。板物はどう頑張って
補強しても飛行中にしなったり、墜落したら瞬間的に曲がって
しまったりするワケですが、板の表面にカーボンシートを貼り付ける
仕様なら、ある程度の曲がりまでは破損せずに変形してくれるので
墜落の衝撃が加わっても破損しにくくなっているワケです。
PPテープを貼らなくても強度が足りる様ならばフィッシュボーンを
採用したんですが...PPテープを貼ると強度は大幅にUPする
かわりに修理性が悪くなります。というワケで壊れ難い構造を採用
しているワケです。
おかげでトイレでバンバンぶつけまくり
ながらホバリングされてもタイルの床にシリモチつかれ
てもゲラゲラ笑っていられるワケです、ハイ(^^;)(^^;)(^^;)
よーたんNAUGHTYはカトちゃんが作ったの?
 これもYESです。
基本的にカトちゃんは人の機体の製作は一切受けませんが、
よーたんのNAUGHTYは
「機体は作ってやるからメカ一式、寄こせ〜!」って話にして
無理矢理メカ一式よーたんに出させて作った4型、
つまり量産型を作るために検討しなければならなかった胴体側面の
板厚UPによる重量増加と強度UPの影響の確認、
その他変更や補正が必要になる所は無いかを確認するために作った
量産型のプロトタイプです。
(つまり、
欲しがっていたのをいい事に、製作費をよーたんに出させて
制作費ゼロで量産用試作型を作っちゃったワケです(^^;) )
で、作ってみた所、
上空飛行性能は3型より良くなって重量増加の悪影響より強度UPの
メリットの方が大きかった事を確認出来たんですがっ!
よーたんのNAUGHTYは重心位置の補正が不充分だったため、
機首にオモリとして10円玉を1枚貼ってあります。

というワケで
よーたんのNAUGHTYは量産型に至るための叩き台の1機、
この世にただ1機のよーたんスペシャル、
(という程の立派な内容では無いんですがっ(^^;) )
通称「よ〜てぃ」と呼んでいます!
(と言ってもちゃんと手抜きナシに作ってますし、動翼のテーパー加工も
行っている操舵感の鋭い「MIGHTY」でもあります。)
量産型は「よ〜てぃ」を叩き台にして重心その他、必要な補正をちゃんと
行っていますので、よーたんのNAUGHTYより更に少し良くなってます。
というワケで、
量産型NAUGHTYは5型です
メチャ、真面目に検討を重ねて発売に至っている最終仕様...
この半年、カトちゃんNAUGHTY以外飛ばしてません。
これはNAUGHTYのヒミツの一つ、ホーン取付部のヒンジライン
を4本のヒンジでガチガチに固め、ホーン自体はカーボン補強と
裏面の補強板、更に糸によるワイヤリングを行っています。
強い風圧が加わっても舵面が変形する事なく大舵角が正確に
切れる工夫です。
  ここまでにも色々ノウハウを紹介しましたが、NAUGHTYには
更に多くのノウハウが詰まっています。主翼の強度を大幅に
UPさせたワイヤリングや破損知らずの外付け式主脚、衝撃
吸収構造のモーターマウント&機首周り、効率の良い設定が
出来た冷却空気取入口&出口、リポの冷却性が高く、しかも
重さの異なるリポを搭載しても飛行性能が損なわれない位置に
設定されたバッテリークレードル。機体の空力的なノウハウを
公開する事は出来ませんが、皆さんがEPP機を自作する時に
役立ちそうなネタがたくさん詰まっています。製作記事の方にも
ノウハウを公開しますので、NAUGHTYを作る、作らないにこだ
わらず、EPP機に興味の有る方はゼヒ御一読下さい。

!!注意!!

ここにUPした写真はカトちゃん所有のオリジナル機です
カーボン補強されたモーターマウント、PP板製のホーンは
キットに含まれるパーツとは異なった物であり
キットには2oベニアのレーザーカットパーツが付属しています。
また、キット標準の主脚は内装式となっており
外付け式主脚の製作には一部、
キットに含まれていない材料が必要となります。

詳しくはR/C HOBBYにて取説がダウンロード出来ますので
そちらをご覧下さい。

R/C HOBBY NAUGHTYのページ