2001年度
3次試験受験記

2001年10月28日 上智大学 9号館

2次試験と同じ11頃新宿に到着しましたが,前回の反省(会場についたのが1時ちょうど)をもとに,直接
会場の四谷に向かうことにしました.20年ぶりぐらいの四谷でしたが,なんだかきれいな感じ.学生街だから
食堂ぐらいあるかと思っていましたが,その気配なし.近くのバイキング(税込み950円)をみつけてなんとか食事を
しました.

上智の印象は暗くて狭いですが,その印象は変わらず.建物に入ると昔のままでした.
12時20分入室開始,ということですぐに入って,勉強を始めました.1次2次とは違い今回はぎりぎりまで学習する価値あり.
とりあえず,新詳日本史図説(浜島書店)の鎌倉時代を見ていました.
隣りの方は面接の時に隣りに座っていた人.2次の時は,なにかしら緊張しているようで,話しかけても迷惑そうな顔を
していましたが,今回はうってかわってにこやか.全く緊張していないよう.ちなみに私に前に面接をした人も見えて,2次で
話をした人は合格したみたいでした.どうも1次(愛知)→2次(東京)で合格した人はこの3人のようで,私の後ろの人が
英語3次の最終の人で,広島会場,私の前に座っていた人は仙台会場のようでした.
やはり,東京会場の合格者が圧倒的に多いようです.

12時50分から説明開始.試験開始後30分で退出してよいが,終了10分前からはダメ.4枚とも受験番号,氏名を記入
すること.3枚目は裏がないが,他は裏面の印刷もあるので注意すること.時計がないので,試験官の時計で開始すること.
などです.

1時試験開始.
4枚の試験がセットで配布されていましたので,それを開くと,最初は一般常識の2
昨年度と同じ記号式でラッキー! 今年は童謡などから,おとぎ話や歌の主人公を選ぶもの.
「つのだせやり出せ」→「カタツムリ」,「まさかりかついだ」→「金太郎」など,日本で生まれ,生活した人なら楽勝の問題.
2問めは,動物,植物の種類を選ぶもの. 牛→ホルスタイン,ぼどう→デラウェアなど,これも楽勝.
3問めは,女性の説明を下から選ぶもの.津田梅子,小泉せつ,唐人お吉など,これも楽勝.
ふと下をみると配点があり,1問2点で50点のよう.

4枚目の問題に勢いをつけて,いよいよ日本地理.なにやら,数値の表に,日本地図.
配点をみてびっくり1問5点の20題.配点が大きすぎる!

第1問は1年の温度と降水量を月別にした表を見て,地図の中から適当な都市を探し,その記号と都市名を記入する問題.
1つは明らかに那覇市(心配していたように「覇」が書けない!),冬の降水量が圧倒的に多いのは金沢のよう.
冬が氷点下になるのは,札幌か仙台か? 残りのひとつは東京か大阪か?あるいは仙台なのか....わからない…
これで5 x 8 =40点!
第2問は同じ地図の他の記号の都市をあてるもの.
「姫路」は頻出! 「長崎」も頻出! それから別府?,横浜(新橋との間に最初の鉄道),世界遺産,ブナの林...
屋久島か?でもスギだしな.シラカミ山地ってあったけ?それはどこだ? なんと白上山地と書いてしまいました.

第3問は国立公園の問題.最初に国立公園に指定された地区の空所補充,中部山岳と阿蘇の地理的に真中に来る
国立公園.大山かと思うと,それは下に記述があり.あてずっぽで,「瀬戸内海」
第4問は「小京都と呼ばれている都市は?」選択肢は6都市,あきらかに金沢か仙台だと思うのですが,どっちなのか?

考えてもしかたがないので,2枚目の日本史へ突入.
第1問 説明文を読んで,その県名と関係のある事柄を選択する問題.1番は,「白鷺城」とあるように,「姫路城」と兵庫県.
あとは記憶にないのですが…韮山−「反射炉」→静岡県というのもあったような?
第2問 5つの事項の中に違う性質のある事項があるので,それを指摘し,かつ,それにかわる事項を下欄から選ぶ問題.
全部がお医者さんに本居宣長が入っているので,それを指摘し,高野長英を選ぶとか,明治期に来日した外国人教師に
ザビエルが入っているので,クラークを選ぶとか.
1番は 源氏物語,徒然草,更級日記,土佐日記,雑誌「青踏」 選択肢はよく知らないような,「〜集」と「たけくらべ」
最初はわからないままに雑誌「青踏」(これもよく知らない!)を選んで,「〜集」を選んだのですが,「たけくらべ」が
選択肢にあるのはおかしいと思い考え直しました.もしかして,これは女性作家ではないかと思い,「土佐日記」を選び,「たけくらべ」に変更.
3番か4番の問題は「近江,摂津,大和,山城,和泉」選択肢は若狭か河内・・・完全なクイズ.これもわからないままに
水辺にないのは大和!などと大和を選び,若狭と交換しましたが,釈然とせず.最後の見直しで,畿内であることを
思いついて,近江と河内を交換しました.あぶない!
第3問 歴史上の事件の名前と空所補充,西南の役,壬申の乱,承久の乱,島原の乱,応仁の乱,それぞれに空所が2つ
づつ,山名宗全と細川勝元はどちらが西軍で,どちらが東軍かあやふやだったり,島原の乱鎮定のために派遣された老中の
名前がわからなかったりしましたが,これは感.
第4問 事項の説明を読んで,事項を選び,その振り仮名をふる問題.これはお手上げ.選択肢の事項がほとんどわかりませんでした.かろうじてわかった公奴婢も(クドヒ)→クヌヒと書いたり,垣内(カキウチ→カイト)などさんざん,ほとんどできませんでした.

さらにどうしようもない一般常識の1
受験前からこの問題はあきらめることにしていました.今年も昨年と同じ主に数字を選ぶ3択.
過去問をやった感じでは,勘を頼りに50%前後の成就率.今回もなんの根拠もないですが,12,3問は正解していれば
いいな!と.いずれにしても考えても仕方がないので,とりあえず選びました.

過去問を解いた時も40分ぐらいで終了していましたので,本番でも中座するつもりでいました.なんといっても,考えても
どうにもならない問題ばかりですから(^_^;;)
私よりも早くに4、5名の方が退席.ひどい雨の中を会場をあとにしました.

校門でなにやら,「ガイド試験の方へ」みたいな人がいましたのでチラシをもらいました.
通訳ガイドの講習会のお知らせ.4日間で東京は38,000円,大阪は45,000円だそうです.

3次試験を終えて
 3次試験に備えて2ヶ月ほど勉強してきました.バイブルはハロー通訳アカデミー「第三次試験問題集
この問題を解きながら受験勉強の方向性を修正していきました.1972年から28年分収録されていますが、
気がついた点は

*数年おきに傾向が変わっていること.
*設問事項が続くことがある.受験生を意識して、過去問から出題しているような感じがある.
*3分野すべてが難しいことはなく,日本地理が難しければ,日本史がやさしい,といった配慮がある.
*一般常識はこの5,6年は恐ろしくやさしいが、それ以前は結構書かせる問題で,時間がかかりそう.
*ここ数年の形式ならば、7割前後の正解率がのぞめるので、もしかしたら,合格ラインは少し高いのではないか.
*20年程前の地理や歴史は書かせる問題が多く大変難しい.こうした形式に回帰する可能性はないのか?

などいろいろ考えていました.結局ここ数年の傾向に変わりなく.自分としては過去問と同じ7割前後の正解率は
あったと思います.

詰め込みの知識はすぐに消えていきます.試験が終わった瞬間に,それまで大切に覚えた事項が頭から抜け落ちていく
感じがあります.愚管抄,磐梯朝日,・・・日本史にしても,地理にしてももっとゆっくり勉強すべきで、実は地図を見るのも
楽しみになりました.まだ,自分が行ったことのない東北地方の地図をじっくりみたり,九州の五木や椎葉を知ったときには
少し感動的でした.天皇が実際に政務を請け負った時代はきわめて短かったこと.新体制になってもいいときは短くすぐに
制度疲労を起こしてしまうこと.高野長英の壮絶な生涯など...不合格も悔しいし、来年,受験料を払ってまた東京へ行くのも
嫌ですが、詰め込みに知識はすぐに役に立たなくなることを考えれば.今度はじっくり受験勉強してもいいかな,と
思っています.ただ,1年勉強しても日本史4番は同じようにできないはずですが.教科書にもない!