干潟へ出かける

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西表島-干潟の生き物たちPART2(泥地の小動物)

河口から少し川を遡った辺り。干潮時のマングローブの根元に僅かに現われる陸地。こういった場所には河口部よりもいっそう目の細かい砂の粒が堆積し、人間が足を踏み込めば、ズボズボと沈み込んでしまう、そういう泥地になっています。
そこでは、河口部の干潟とは種類の異なる動物達が見受けられます。ここでは、そういった泥地の小動物達を観察しましょう。

泥質の干潟の主も、小さなカニ達。ただし、種類が違う。多く見られるのはシオマネキの仲間だ。

シオマネキの仲間

オキナワハクセンシオマネキ。西表ではもっともポピュラーなシオマネキ。潮の引いた干潟上に現れ、盛んに泥の表面をすくいとって食べる採餌行動、白く大きなハサミを振り上げるウェービングと呼ばれる求婚行動を繰り返す。このウェービングが「早く潮満ちて来い」と潮を呼んでいるように見えるところからシオマネキの名前が来ている。因みにハクセンシオマネキの「ハクセン」は白扇から来ていると思われる。ハサミが大きいのはオスだけで、写真のように左右どちらかが大きくなる。
大きい方のハサミはもっぱら求婚と喧嘩用。喧嘩では相手のオスを腕の力で跳ね飛ばしたり、稀に挟み込んで投げ飛ばしたりする。が、掴む力は強くなく、指を挟まれても痛くない。採餌には残りの小さいハサミを用いている。オスの甲羅には鮮やかなツートンカラーの模様が目立つ。
一方、未成熟のオスやメスは両方のハサミが小さく、メスの甲羅はくすんだ灰白色。。稀に両方ともハサミの小さなオスもいるが、彼などはちゃんと子孫を残せるのだろうか。深い巣穴を持ち、行動はこの巣穴を中心に行われるが、密集して住むのを好む為、オス同士の縄張り争いは絶えないようである。
また数が多い為か、警戒心が薄く、驚いてすに逃げ込んでも3分と待たずに再び姿を見せてくれる。

ヒメシオマネキ。西表ではハクセンシオマネキの次にポピュラー。こちらも集団で住む事を好み、河口付近から海岸近くの泥湿地まで広く生息している。オスのハサミの下半分が柿色をしているのが特徴で、甲羅は白から茶色、水色と変化に富む。
時として、巣穴を遠く離れ集団で引き潮の水際に押し寄せることもあり、そこへ人間が行くと、自分の巣穴に戻ろうと必死になって逃げ大パニック状態を起こす。

ヤエヤマシオマネキ。上2種よりも更に奥まったマングローブの根元に近い高いところに住む。ハサミの下半分が鮮紅。甲羅は上半分がマダラになった濃い黒褐色で、西表のシオマネキ中、最もスリムで強そうなイメージがする。集団を作らずかなり疎らに住み、警戒心も高い。
若いオスやメスは甲羅に鮮やかな水色の模様があり、足も同色で、まるで別のカニのようである。

<下左>
若いオス
<下右>
若いメス

ベニシオマネキ。かなり少なく、非常に臆病なカニ。
左写真のように石が露出しているような泥地に巣穴を作る。大きなハサミ足は全体が綺麗な紅色をしているが、甲羅の色は様々。水色が綺麗なもの。赤が派手なもの。二色が混ざっているもの等。いずれにしても非常に美しいカニである。上写真は若いオス。

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