2011年5月〜6月その2 三重県
安濃川
前回は、なんかおっさんとの喧嘩の話で終わったので、ここからは釣りの話。
先に断わっておくと、こんな釣行記は本来書かない方が良い。
場が荒れるとか、心無い釣り人が大切な大切な渓魚を持ち帰るとか「我が心の川が・・・・っ!」とか、高尚なC&R信望者に説教垂れられるまでもない。
結局のところ、それらの理屈は単純に「他の奴らに釣られたくねぇ」ってだけで、魚じゃなくて人間中心の都合。山菜取りする人がタラの木の密集地帯を人に言わないのと大差ない。
ところが、人が来ないから逆に魚が減る、ゴミが増える(※空き缶とか弁当ガラではなく、車とかバイクとかテレビとかマットレスなど、釣り人が捨てるゴミとは次元が違うゴミ)という摩訶不思議な川が存在する。その理由はボチボチ後述するとして、ここ数年の諸々の事情を考慮し、この川の釣行記を復活させることにした。
それでは、県庁から30分・高速ICから15分という好立地(?)に存在する安濃川。3年ぶりの釣行記復活です。
5/4 10:30〜14:00
3月のバトルから2か月。
触らぬ神に祟りなしではないが、安濃川で真面目に釣りをするテンションは完全に消えかけていた。様子見程度で竿を出し、釣ったとしてもトラブルのあった地点には近寄らず、放流はしていない支流に入ってお茶を濁す。
しかし・・・。
本当にこれで良いのか。発眼卵放流を開始して6年。
ようやく、放流した卵から育った稚魚の生存率、その個体数変動の推移が分かりかけてきた。「梅雨明けまでは結構残っているが、秋には消える」その理由は何か。
高水温で死ぬなら、それこそ大安トラウトレイクのように、魚は一気に姿を消すだろう。しかし、夏場に釣りに行けば、綺麗で元気な魚が釣れてくる。
やはり人が原因か・・・。
釣りに行き確かめたいという衝動と、折角ここまで継続して見てきたデータに空白期を作りたくないという思い。
「・・・・釣りに行くか!」
しかし、引っかかるのは例のオジサン。
ま、形式的には和解してるので、突然背後から鎌で首を刎ねられるという事はないだろう(と信じたい)。まずは放流ポイントよりかなり下流から入渓。脱渓ポイントは、とりあえず例のオジサンの家の前に決めた(←なんでだよ)
デジカメを忘れたが、細かいことは気にしない。
ピチピチピチピチ
細かい(汗)
が、無茶苦茶釣れる(喜)。フライはブラックアントのみ。
渓相・水量は良くてこんな感じ。水深がない事を考慮すると、とてつもない魚影なのかもしれない。
たまーに、こんなサイズも登場する。せいぜい18cm。20匹中1匹ぐらいの確率ではあるが(汗)
あまりにも調子良く釣れるので、オジサンの家を通り越してさらに上流へ進む。また怒鳴られたらどうしようかと、心臓ドキドキ。これはある種PTSDだな。今度遭ったら慰謝料でも請求してみようか(←オイ)
途中、2回踏みかけたシマヘビ。今年は蛇が多い?心臓止まりそうな位ドキッとするから勘弁してほしい。
結局、この日は3時間半で20匹近い釣果。
昨年の冬に放流した魚は、まだ針がかりしないであろうから、1歳魚と思われる。やはり、梅雨前は魚が残っている。
この日を境に、安濃川での2011年釣行を、完全に復活させる事になる。
5/7 14:00〜15:30
大きなトラブルもなかったので、ゴールデンウィーク2回目の安濃川。
この日は少し上流へ入る。
数は少なくなったが、サイズは一回り大きくなったような?
実は、この日の狙いは1匹に絞っていた。
前回の釣りで、落差工の落ち込みに、そこそこ良いサイズが居ることを目視で確認していたのだ(ついでにライズするのも)。
慎重にポイントへ近づき、1投目。
ティペットが水切り音で鳴る程のロケットダッシュ。
ネットに収まったのは20センチに足らないサイズだったが、狙った通りに釣れて良かった。が、前回見た魚はもう少し大きかったような??
とりあえず、釣りには満足してロッドを仕舞う。
今回、一番気になったのはコレ。
仕掛けの種類が違う事と、糸の劣化具合からして、複数の餌釣り師が入っているのは間違いない。
釣具屋さんや、登山者、当サイト閲覧者の方から、「安濃川で魚籠一杯釣った」と自慢された、魚を見せてもらったとの報告は度々寄せられるが、タイミングさえ合えば、それは確かにあり得ると思う。
川が狭く、本格的な釣り師がほとんど来ない(・・と思う。わざわざこの川へ来る意義が乏しい)この川の場合、多少腕が立つ釣り師が真面目に釣れば、かなりの量を釣ることが出来ると思われるからだ。
と言うのも、先行者さえいなければ、この川のアマゴはあまり擦れておらず、比較的釣りやすいのも理由の一つ。
回収したごみから判断する限り、餌師が使っている鉤はフライのフックで言う#12〜14。
この鉤が口に入るサイズまで成長したとき、アマゴは抜かれ始めるのだろうか?
ついでに、刺し網(規模に関わらず県知事の許可がいります)の様子。これは2010年夏に撮影したもので、私が見た限りオイカワが1匹獲れていた。
ハッキリ言って、この規模の川でコレをやられたら、網目より大きな魚は一網打尽だ。おそらく鮎狙いだろうが、規制されているにはそれなりに理由がある。
鮎狙いの人が無茶をして、外道として獲れるアマゴを持ち帰っている可能性もあるが、漁協が無い川なので見回り・注意する人もいない。
人が来ないという事は、魚の聖域になる前に無法地帯になる可能性が高い。街からアクセスが良い安濃川の場合尚更だ。ちなみに、この日は川にシングルベッド用のマットレスが捨てられていた。
ちょっと車を走らせれば、ゴミの集積場があるのになぜ・・・・?。
車やバイク、テレビが投棄されるのは、悪事ではあるが理由がなんとなく類推できる。しかし、なんでマットレスをわざわざ川へ投げ込む必要があるのか??流れていくから良いと思ったのだろうか。
まさか、キャンプ客の忘れ物・・・・ではないよね?
とりあえずこの日は、目的の魚が狙い通り釣れたこともあり、短時間で終了。
5/21 10:30〜12:00
この日は釣りに来たと言うより、山菜の確保が目的。
実は、自宅の前にある原っぱの脇に、山椒の木が植えてあったのだが、何者かに引っこ抜かれ、持ち去られたのだ。
山椒の葉なんて、煮魚の飾りその他でごく少量を使う程度。比較的多く使う竹の子の木の芽和えでさえ、それ程の量は必要としない。しかし、買うとなると不必要に量が多く、地味に高い。
植えてあった山椒の木は、近所のオバチャン達から密かに好評を得ていたのだが、私が煮魚用に葉を3枚収穫した翌日、オカンが木の芽和え用に獲りに行ったら、根こそぎ無くなっていたらしい。
代わりに、そこには枯れかけの花が埋まっていたそうな(怪しまれないよう、花植えるふりして抜いたんでしょね)。
独占欲、無料というのは恐ろしい。ある種、上記アマゴの大量お持ち帰りに通じるところがある。
国道23号線中勢バイパスの道路沿いに、以前は赤白黄色、紫のポピーが沢山植えられ自然繁殖していたが、ある年から業者っぽい人間が多数押しかけ、根こそぎ持ってかれた事件を思い出した。
人間の卑しさ・・・逞しさと言うべきか、コレを止める術はおそらくないだろう。
「山椒のような棘のある木は、魔除けになる一方、風水的に幸運も寄ってこなくなるので、家の敷地には植えない方が良いですよ。持って帰った人は、戻すことをお勧めします」とか立て看板立ててやろうかと思ったが、戻ってくるとは思えないのでやめた。
こんな事をしなくても、川に行けば山椒なんて腐るほど生えている。
ウェーダーに穴が開くので、入渓地点の邪魔になる山椒は、イバラも含め踏み潰すか抜くか切るかしていたが、まさかこのために川へ来る羽目になるとは・・・。
とか言いながら、実は早く川へ行きたかった理由が別にある。
サイトマスターの新レンズカラー「ライトローズ」
●コントラストが出るのに暗く感じない!!究極のサイトフィッシングレンズの誕生。
●グレー系レンズのような自然に近い視野を確保
●くもりでも暗く感じず、水中のコントラストが出る
との事だが、今使ってるイーズグリーンは明るいが偏光度90%のため、見辛いときが確かにあった。
赤系のカラーは、コントラストが出て見やすい(陰影がハッキリ出る)と言う話はご存知かと思うが、正直、ブラウン系には違和感を感じたので手を出さなかった。
では、このカラーが自然に近い色味を持っているかというと・・・そんな事は全然ない。正直、イーズグリーンの方が遥かに自然な色合いだ。
だって、空を見上げると、雲がピンク色なんだもん(汗)
2匹釣った時点で、指サイズの山椒の群落を発見したためこの日の釣りは終了。
上流に大きな山椒の木があり、その実が流れてくるので至る所に指サイズの小さな山椒が生えている。5本ほど収穫し、例の枯れかけの花を取り囲むよう、嫌味ったらしく植えておいた。
次無くなってたら、落とし穴でも掘っといてやろうかしら。
6/5 10:00〜13:30
梅雨入りしてしまい、雨がダラダラ降っている。
オジサンに絡まれることもないので、調子に乗って来てしまう。
1ヵ月前に比べ、明らかに釣れるサイズが一回り大きくなっている。一方で、心なしか釣った距離の割には数が出なくなってきた感じがする。
そして、釣れる魚も色白の綺麗な魚体に成長。
よく、片道●00km車を走らせ、1匹だったとかボウズ食らったという日記を見るが、余程都会の真ん中に住んでいない限り、山に行けば渓魚が住む渓流なんていくらでもあると思う。
遠征する楽しさは否定しないが、それだけの行動力があるなら、地元の川の探求も是非やってもらいたいところ。
ところで、安濃川のような小さな川の場合、先行者の存在は致命的。
せいぜい川幅3〜4m、水深も深くて50cm程度なので、一人でも川に入っていると、まず釣れない。
そこで、こんなのはどうだろう。
Fly High Fisher的マーキング
釣り上がる際、誰もが足を置くであろう砂地には、足跡(ウェーディングシューズ跡)を目立つように付け、かつ、日時を書いて後から来る釣り人をさっくり諦めさせよう運動!!
実は、何年か前から(主に安濃川では)密かに実践済み。誰も真似してくれていないので、管理人はチョット半泣きだ。
みんなで広げよう「この先釣るだけ無駄」の死の宣告運動!(←オイ)
しかし・・・真面目に釣れば釣る程、本当に釣れる川だ。
これだけアマゴがいて、なぜ秋には皆姿を消してしまうのか。
前述のとおり、この川ではウェーダーを穿いて普通に釣れば、後行の釣り人には非常に厳しい状況となる。
ならば、どうせ抜かれてしまうぐらいなら、是非とも沢山の釣り師に、出来ればC&Rに努めてくれる方に沢山釣って頂き、持ち帰りを阻止して頂きたい。
勘違いしないで欲しいのは、私個人、多くのC&Rの考え方には大いに疑問を感じる部分がある。また、安濃川で発眼卵放流はしているが、釣って持って帰って食う人を、憎んでいるわけでもない。
畑仕事を終えた爺さんが、近所の川で夕方ちょっと竿を出し、2〜3匹釣り上げたアマゴを塩焼きにして、日本酒をチビチビやるとか、キャンプに来たお父さんが、子供たちの目の前で見事アマゴを釣り上げ、焚火でこんがり焼いたアマゴに子供達ががっつき、「パパ、これ美味しい!」と喜ばれるのを、父親はビール飲んで笑って眺めてるなんてのは、ある意味、人生の最大目標だ。
爺さんになるにはまだ先が長いので、管理人の当面の目標は後者だが、少なくとも、目指す川(理想)の姿は「釣り人皆が釣れた魚に感謝し、『ありがとう・・・。また逢おう・・・。』と優しく声をかけて魚をリリースするのが当然の川」
ではなくて、「釣り人皆が少しぐらい食っても、魚が残れる川」である。
その目的達成のための方法として、最善の方法がC&Rというやり方であって、C&Rを”理念”としてしまうと、傍から見ていておかしな状況に陥る。
フライフィッシングに限らず、ちょっと変な方向に考え方がシフトしている釣り師に言いたい。あんまり色々書くと、「あのブログ(サイト)の事でしょ?」とか言われかねないので、大まかに言いたい。
そんなに魚が大切なら、
バーブレスフックじゃなく、
鉤先全部折っとけやーー!やーーやーー
バレた切れたと騒ぐ必要がなくなり、フライに出たら1匹でOK。もうこれでどう?(←何が)
話が大いに脱線。
C&Rが、旧来の釣り師や漁協関係者に理解してもらえないのは、その辺があると思う。
「食い物」と考える人間と、「仲間(もしくはペットとか友達とか家族。ちょっと変な言い方になると宝物とか呼ばれる)」と考える人間が、相容れるわけがない。「もっと増えたらいいよね」の意味が、完全に異なるからである。
そして、ようやく釣れてくれました指サイズ=0歳魚。私は右上のチビの姿を確認したいから、安濃川に来ている。
リリースする時思う言葉は、「ありがとう」ではなく「頑張れ」。もしくは「もう、人には釣られるなよ」である。
6/19 9:30〜11:00
微妙な天気。
いつもより少し早く来てみたが、小雨が降ったり止んだりで、車の中で何度か待機を強いられる。
私は、雨に濡れる事自体は別に良いのだが、釣っている最中に偏光グラスに水滴が付くのが、どうにも耐えられないという変な特性がある。
雨が止んだのを見計らい、いつもより下流から入渓。
ここ数日の強い雨で、フラットな砂地が出現していた。
しばらく釣り上がり、指サイズを数匹と上の1匹が釣れた時点で、霧雨のような小雨のような、微妙な雨が降ってきた。
釣りが出来そうな、釣ってる最中に本降りになりそうな、物凄く微妙な天候。キレの悪いジジイの小便みたいな天気。
昼寝して待とうかと思ったけど、天気が悪化すると救いようがないので、おとなしく撤収することにした。
掛け比べたイーズグリーンとライトローズ。
明るさでは断然イーズグリーンだが、魚影の見やすさではライトローズが優れている。木の陰など暗い場所でも、陰影がハッキリするので、暗くても魚を見つけるにはライトローズが勝っている印象。
ただし、イーズグリーンはレンズが明るい事、渓流で緑系のカラーは違和感がないこと等から、車の運転やハイキングでも使えそうな感じ。
釣りに特化するならライトローズ、汎用性があるのはイーズグリーンではないかと思う。
もうちょっと使って詳細はレビューしたい。今のところ、イーズグリーンの方が鉄板な感じ。