2010年8月13日〜14日
長野県 太田切川
実は、この日は最初から期待していなかった。
と言うのも、前日は降ったり止んだりの天候であったが、既に14日は深夜からずっと雨が降り続ける音がしていたためである。
朝4時半にセットした目覚ましで目が覚める。窓の外を見ると、ザーザーと音を立てて雨が降っている。
そのまま二度寝。
朝6時過ぎに嫁さんが起き、聞いてきた。
「あれ?まだ行ってないの?」
「この雨じゃねー・・。行ったとしても、結局入りたい区間には危なくて近寄れなさそうですしねー・・。」
「はぁ・・・・。で、何だかんだ言って、結局いつものように行くわけですな。」
結局、何だかんだ言って出撃です。
C&R区間はやはり増水中。しかし、昨日の朝よりは幾分水が少ない。一晩中雨が降ってたのに水が減ってるって、意味が分からんが。
そのまま上流へ移動開始。
雨はシトシト降り続けているが、釣りが出来ないという程ではない。だが、当初予定していた区間にはやはり行くべきでないだろう。雨が降り続けている状況では、高巻き箇所の突破やその他、リスクが高すぎる。
結局入ったのは前日と同じ場所。核心部の入り口のさらに手前ぐらいの感じ。
奥を眺めると、昨日は進めそうになかった場所が減水しており、今日は渡れそう。渡れそうだが行かない。なんという放置プレイ。
しかし、そんな場所でもチビ岩魚達がポンポン飛び出す。上の3匹を釣るのに、多分20歩も歩いていない。
この時ふと考えた。帰りの歩きも考えると、せいぜい後1時間も釣れない。おまけに、小降りとは言え雨は降り続いており、レンズに水滴が付くので魚の撮影もままならない。
ならば、魚影の濃い、透明度の高い川で是非とも実践したい「ドライフライの水中ヒットシーン」の撮影に全力を注ぐ事とした。
大場所の手前で足首にデジカメを固定し、メモリー限界まで撮影を続ける。
結構難しいかと思っていたが、さすがにこれだけ釣れるとチャンスも巡ってくる。方向、距離的にも映っているであろう状況で、3匹程度をヒットさせる事に成功した。
雨は霧雨に変わり、延々と降り続ける。
リバーパンツ+ゲーター、速乾Tシャツという組み合わせであったため、ベストが濡れ、Tシャツまで水が染み込むと全身ずぶ濡れに近い状態。
体温がかなり低下してきたので、撤収する事にした。
下山中、動画を確認する。
愕然とする。
・・・・なんと、動画を撮影していたはずが、映っていたのは上の2枚のみ。
撮影開始と終了で2回シャッターボタンを押したシーンが、写真として保存されていた。動画モードへの変更を忘れたらしい。その場で崩れ落ちる。
相当へこんだ状況で下山。こんな事なら、もう少し奥を釣るか、C&R区間で遊んでいたらよかった・・・。
釣りが終われば家族サービス。
MAYUは、昨日の夜、雨が降る前にカブトムシ探しに連れ出したため、結構遅くまで熟睡していたようだ(見つからなかった)。
ユースホステルを出ると、まだ木を眺めている。
「そんな簡単に見つかるわけないでしょうが。あと、朝は無理。」
「え〜。見つけたかったのにぃ」
「道の駅で売ってるみたいに、その辺にワラワラいないから価値があるのだよ。」
「あ、おった!」
「!?・・・・・・あれ、コガネムシ。」
駒ヶ根ファームでアイスクリームを食ってから、かんてんパパの工場へ。ここに何があるかと聞かれると返答に困るのだが、とにかく寒天関係の商品が山ほどある。あと、ゼリーとかが試食できる。寒天だけでここまで会社が大きくなる事と、商品の多さは一見の価値があるかもしれないが個人的には・・・。
今回は、メダカの池とかもある事を知った。
水上からの突き刺し攻撃を回避するメダカさん達
あ!前回は2歳だったMAYUさんでしたが、赤ちゃんを連れてくると、30分後にはおむつ交換必須になります。今回は下の子がサッパリしてました。寒天すごい。女子高生とか人妻にもお薦め。
次に向かったのはFishing &
BBQ & FishFarm 黒川水産(名前長いわ)。偶然通りかかっただけだが、MAYUが「私も釣りしたい」を連呼していたため、「しょうがないなー(ニヤニヤ)」と、一番行きたい自分が、さも2番手であるかのように突撃。1年ぐらい前に出来たばかりらしい。
釣り堀+屋根付きバーベキュー広場といった感じで、それ以外(トイレや魚以外の食事)はあまり充実していない。
しかし、放流されているのは岩魚がメインで、簡単に釣れる。
土砂降りの中、傘をさしつつMAYUさん一人で岩魚4匹とニジマス1匹を釣り上げた。その後は、炭火でこんがり焼きあげる。
こんがり おいしそー
よく考えたら、管理人、岩魚を食うのは相当久しぶりだ。
ニジマスは大吉で食べるし、アマゴは2年に1回ぐらいは自分で釣って食う。しかし、岩魚を食べた記憶となると・・・・7〜8年前ぐらい?永源寺グリーンランドで釣った岩魚だったような・・・。
淡泊とか渓流魚では鮎、ヤマメ(アマゴ)には及ばないと言われるが、果たして。
ガブリ
「?!う・・うまい。」
嫁さんも普通においしいとの事。
養殖魚だから脂肪分が多く、それなりに食える味なのは分かるが、想像以上に味が濃い。子供達もガツガツ食い始めた。
「岩魚が美味いのか、水が綺麗だから美味くなるのか・・・」
ならば食べ比べてみるしかない。味が分かっているニジマスも美味ければ、育て方か育つ環境が良いと言うことだ。
まずは主婦を代表して嫁さんから。
パクッ!
「どう?」
「もぐもぐ・・・大味ですな」
「ほう。断言しますか。では、どれどれ」
ガブリ
「・・・・これは!・・・確かにすごい大味・・・(汗)」
子供の正直な舌で確認しましょう。MAYUさん、お願いします。
パク
「こっち(岩魚)がいい。パパ、それ食べといて」
凄い正直だな(汗)
念のため言っておくと、決してまずい訳ではなく、普通に旨い。
しかし、食べ比べてしまうとハッキリ分かる程違いがある。感覚的には、冷凍の鮭を食べた時のような、ボソボソした繊維質の触感がニジマスでは際立ってしまう。身の繊細さが根本的に違うのかも。ニジマスは、唐揚げとかムニエルなど、油を使った料理の方がおいしく食べられそうだ。
その後は、やっぱり地ビールをたらふく飲み、昼過ぎから泥酔状態(汗)。午後4時過ぎに嫁さんは子供たちを昼寝させるためにユースホステルへ一時帰還。
今日は徹底的にイブニングを楽しむことにする。
雨降ってるけどな(泣)
こまくさ橋少し下流
誰でも入る普通の場所から入渓。
こういったメジャー河川の場合、入りにくい場所や川と車道が離れた場所から入るのが釣果に繋がるポイントだが、増水のため、そもそも安全に川へ降り、その後の流程が釣り上がれる流れが続いている区間で決めるしかない。
1日降ったり止んだりの雨は、やはり朝より川の水量を増やしており、注意しながらの釣り上がりとなる。何よりの大誤算は、想像以上に酒が残っていて足元がおぼつかないという事である。残っているというより、飲み過ぎただけのような気もするが。
しかし、体調や川の状態に反し、魚の反応はすこぶる好調。
水の流れの緩やかなポイント(当然、太い流れの奥とか、面倒なポイント)でフライを浮かし続けることが出来れば、水面下から高確率で影が浮上してくる。
しかし、雨と増水とアルコールの影響で釣りの内容自体は大雑把になっている。
特に降ったり止んだりの雨は、心が折れそうになる。
だが、魚は連れ続ける。
これだけ釣れていなかったら、とっくに止めて風呂にでも入りに行っている。
ふと上流を見ると、護岸際子供連れのお父さんが立っていた。
こちらの様子を興味深そうに眺めている。それは別にいいのだが、ここから、ちょっと困った状況になってしまった。
そのお父さん、私と一定の距離を保ちつつ、私が3m前に進むと、お父さんも3mほど上流へ移動する。その内飽きるだろうと思っていたが、20mほど釣り上がってみたものの、常に私の斜め上流12m位の位置に立ったまま、自分と一緒に上流へ上流へ移動するのだ。
「嫌がらせ・・・なわけないよな? 完全に素人っぽいし、気を使って距離を開けて見学してるんだろうけど・・・」
しばらく進むと、深場になったプール上のポイントに差し掛かった。ここからは親水護岸が切れているため、普通に立って見学はできない。
ここでお別れ・・と思った矢先、お父さん、タッタッタと護岸によじ登ってプールの真横へ。さぁ釣ってくださいと言わんばかりのオーラを発していたが、頭にきたという感情を遥か通り越して、私は増水の川を一気に横断して、そのままダッシュで一気に50mほど上流へ走り去った。
本日、一番期待できそうだったポイントはこうして終了。
海釣りの「釣れますか?」ぐらいの感覚だったのかもしれませんが、渓流でこれは勘弁ですわ。
いよいよ薄暗くなってきた頃、ここから炸裂。
流れの緩い、細い流れを流すと、小型がポンポン連れてくる。良さ気なポイントでは、時折グッドサイズが浮上。ランディングネットを差し出すと、ゴミがくっ付いてきた。
遊漁証、雨でちぎれる。
全ての漁協に言いたい。遊漁証は、濡れても破れない紙で作るべきだと思う。
そうこうしている間にも、雨は降り続ける。まだ夏だから耐えられるが、雨の中の釣りは本当に肉体的にも精神的に辛い。
それでも釣れる魚はどんどん大型が混じり始めている。
24cm
この一匹を釣ってから、ふと自分の左目に、川沿いの道路からこちらを見ている人影が見えた。気配が全く感じられなかったが、一体いつから・・・?
この人も、釣り上がる自分の左後を追う感じで、ゆっくりと歩いているようだが、さっきのお父さんと決定的に違うのは、決して自分を追い越さず、自分の視界に入らないぐらいの微妙な距離を保っている事。明らかに、手練れな感がある。
その人が眺めている中で、1匹ヒット。事前に服装を連絡してるでもなく、そもそも川で直接会ってお話ししましょうなんて飯事を期待する間柄でもないが、雰囲気からして間違いない。
彼奴は、あの暗黒サイトの管理人だ。
事後確認でやはり本人さんだったようだが、メールやらで結構やり取りがあるにも関わらず、すれ違ってお終い。昨今のブログ管理人皆様の大交流会とはえらい違いだ。
ヒットシーンを見せつけれただけで十分。肩の具合はどうっすか?ぐらい言っとけばよかったかも、と三重県まで帰ってきてから思った。
その後、日没が迫ってきたことと十分すぎる釣果に満足し、今年の太田切川釣行は幕を閉じた。
娘達が、少なくとも下の子が4歳ぐらいになるまでは、今回のような早朝・夕方だけバタバタ釣るスタイルが続くのかもしれない。
MAYUは結構釣りが好きなので、今から女子小学生フライフィッシャーになるべく誘導してみようか。
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なんと、嫁さんから「9月にもう一回駒ヶ根行こうか。連休あるし、8月はいっぱい楽しめた」との事。
再度、2泊3日・太田切川遠征があるかもしれない。今度こそは水中ヒットシーンを!!