アント
夏の定番といえばコレ。管理人の夏場の釣りでは、80%を超える出撃率のフライです。
しかし、一般的なアントパターンといえば、お尻を黒のダビング材で作り、ヘッドセメントでコーティング。
あとはハックルをパラシュート状に巻いたり、胸の部分にパラッと巻いて完成です。胸にハックル巻くパターンは、お尻の部分と同じように頭も作りますがね。
・・・。
えっ!? こんだけかよ?このパターンの説明って。 アントってすげー簡単じゃねーか!
書いてる今、気付いたよ!
何でこんな簡単なパターンを紹介するかって言うと、常日頃から自分はある問題点を感じてたんですよ。それは何かって言うと、上の一文にある
『ヘッドセメントでコーティング』って工程
乾くまで待てねぇ
ええ、そうなんです。大量生産するフライでタイイングの間に『待つ』ってのは、おあずけくらった犬状態。次から次へ作りたいのにいちいち待ってられるか!って感じです。
ん? 尻の部分だけたくさん作って、セメントが乾いた順に完成させたらいいだろ。 ですって?
お尻を作る
↓
ヘッドセメントでコーティング
↓
ハーフヒッチ
↓
バイスから外す
↓
乾くの待つ
↓
次のを作る
↓
乾いたよ先生
↓
バイスに再セット
↓
仕上げましょう
めんどくせぇ
そもそも、ミッジピューパのパターンなんかで
『スレッドでボディー作ったら上からヘッドセメントを塗り、これを三回繰り返す』って読んだ瞬間、
はい、このパターン無理!ってなる俺に
そんな分担作業できるわけ無い。
男は黙って一刀彫(わけわからん…)
というわけで、こんな自分に強い味方が現れた。
それがこいつ
ホットメルトガンとかグルーガンと言う商品名で、
せいぜい¥1000以下でホームセンターで売ってます。
(自分が買った時は¥600でした)
スティック状の固形接着剤を、溶かしながら押し出す道具です。
電源入れて置いておくと、ノズルから溶けた接着剤が出てくるんで、楊枝かなんかを突っ込んどきましょう。これでこころおきなく作れます。
まずはこれでアントのお尻を作ります。
オススメのフックはTMC2487やがまかつC-12等のカーブドシャンクのフック。
普通の針でも良いですが、フッキングが悪くなると思います。
ハックルプライヤーで挟んで作業するといいです。
あーそれと火傷に注意(←なげやり)
注意する点は、『付け過ぎない事』と『シャンクの中心よりに付ける』事です。
付けすぎると沈みやすくなるでしょうし、実際の蟻のお尻なんてかなり小さめ。
頭で分かっててもなぜか実物より大きくなってしまうんです。
中心寄りに付けるのは、着水時にひっくり返らないようにするためと
フッキングを良くするためです。
付けるときのコツは、針で接着剤をはねるような感じで素早くやると良いです・・・
ヤメ。
文章では分からないと思う。
実際作って体で覚えてください(←男らしい)
溶けた接着剤が、かなりの確率で糸引きます。それをライターの火を当てて溶かします。ライターはターボジェットライターがベスト。
この時左右にずれてたり、接着剤がフックを包み込むように付いてない場合は、ココで調整できます。
はい、これでこのフライの90%は説明終わりました
接着剤は20秒もしたら固まるので、バイスにセットしたら・・・
ウイング付けて(ここではエアロドライウィング)
根元固定して…
ハックル巻いて…
完成っと
※スレッド赤にしたらムネアカオオアリにもなると思います。
これだけ見たらただのアントなんですが、効果は保障します。
実は風呂場の水漏れ直すためにたまたま買ったこの道具に、偶然黒のスティックが付いてたんで、思いつきで作ったんですけどね(汗)
最初、試作品を3本ほど作って釣りに行ったんです。でもほとんど期待してなかったんですよ。見た目は一応蟻なんで、釣れるだろうとは思ってましたが、
1 すぐ沈む
2 接着剤がすぐ取れる
3 お尻から着水する
の、どれかだと思ってました。ところがですよ、すぐ沈むどころかダビング材で作ったアントより浮力が続く!
おそらくボディーに全く吸水性が無いためだと思います。ペーストタイプのフロータントと使うと、2〜3匹釣っても浮いてます。
耐久性も、抜群! ハックルがバラケテきても『ケツ』は付いてます。
着水姿勢は、上記の注意点守ってもらえば、きれいに着水します。
多分どっかの雑誌で『イワ○・アントV-改 ver2.5』とかなんとか、プロの方々がありがたい名前付けて紹介してると思うんですが、そんな事知ったこっちゃねぇ。
余談ですが、あの『何でもかんでも名前付けたもの勝ち』の風潮、何とかなりませんかね?
そもそも事の始まりはあなたですよ。
沢○大先生