アマゴ発眼卵放流記
2005年11月23日 三重県 安濃川
全くの手探り状態から始め、ようやくこの日を迎えました。
まず最初に、アンケートにご協力頂いた閲覧者の皆様、自作バイバートボックスの情報や放流方法のアドバイス等でお世話になったBlue in Green管理人のBOSSさんに、この場を借りてお礼申し上げます。
さてさて、前日の夜から準備万端、興奮して眠れない一夜を明かし、朝の8時にクーラーボックスを車に積み込み、美杉村の魚末アマゴセンターに向けて出発。
いつもなら2時間かかる道のりが、何かの力が働いて1時間弱で到着。早く着きすぎたので3ヶ月ぶりに雲出川を見て回る。
アマゴの姿は確認できなかったが、久々の渓流は歩いているだけでも気持ちがいい。
30分ほど時間を潰し、アマゴセンターへ移動。クーラーをよっこらよっこら運び(結構デカイ)、発眼卵を注文したオバチャンを探す。
これはニジマス
程なく「あー、5000粒注文の人ね」と店の奥からオバチャン登場。
「はい」
ドサ
え?!
発泡スチロールの箱に入れてくれてるの?しかも、特・特・特って、すごい極上のさんまが入ってたらしき箱。(関係ない)
・・・クーラー意味無いやん。
箱を少し開けると、湿らせたスポンジに挟まれるように淡いピンク色の卵が姿を現した。初めて見た発眼卵は、まさに宝石のような美しさ。(台所の三角コーナー用のネットに入ってたけどね)
「消毒と死卵除去は済ませてあるから、そのまま放流できるよ。他の魚に食べられんように、箱に入れたって」
簡潔かつ的確なアドバイスを頂き、代金を支払う。
「おいくらでした?」
「う〜ん、1粒2円で貰っとくわ」
時価ですか(汗) むしろ気分?
「これって何gぐらいあるんですか?」
「550g入ってるよ」
アマゴの発眼卵は約0.1gと聞いていたので、500粒ほどサービスしてくれたらしい。と、思ってお礼を言ったらところ、
「今年は卵が少し大きくて、0.11gぐらいあんのよ。それで」
あ、サービス無しですか。そうですか(泣)
諭吉さんを一枚渡し、取引終了。保冷材が入っていないので大丈夫か聞いてみたところ、すぐに放流するなら、かえって入れない方が良いとの事。
早速、津に向けて車を飛ばし、今回の放流に参加する下僕友人を乗せて安濃川へ。
話は前後するが、今回の発眼卵放流は3人で行う。
放流実行の一週間前、コンビニの店長をやっているゲーマーでちょっと引き篭もりがちな友人Mに電話。
「もしもし、俺やけど、お前さ、23日暇?暇やんな??俺と一緒に川へ行って、魚の卵をばら撒こうぜ!」
「・・・あんた、何言ってんの?言ってる意味が全く分からないんですが」
「だからさぁ、地元の川にアマゴを残し、自然と生命の素晴らしさを実感できる活動に協力して(しろ)って言ってんの」
「・・・はぁ、まぁ別に行けなくは無いけど・・・」
「OK、じゃあ頼むわ。日当は缶コーヒー1本なんでよろしく!ついでに雨天決行ね」
「え!?ちょ、待っt」
ツーツーツー
こんな経緯で手下を一人確保。
次は出産祝いを奥さんと一緒に持って来てくれた消防士の友人A。ウチの嫁さんと共通の友人。
「いやー、ありがとう。気使ってもらって」
「つまらん物やけど、どうぞ・・・、しかし可愛いなー。」
「あんたらは予定ないのー?(笑)」と、ウチの嫁さん。
「うちはまだ全く考えてないな。なぁ?」
「う〜ん、小さいなー。かわいい」と、娘を抱っこする友人の奥さん。
ほのぼのとした空気が流れる。
・・・・・。
「A、俺と一緒に魚の卵を川へ撒きに行かへん?」
赤ちゃんの話から魚の話にいきなり方向転換。あきらかに「お前、何言ってんの?」って顔の友人の奥さん。
「は?とっさん(※注 管理人・俊のあだ名。Mもこう呼ぶ)何言ってんの??」
「お前消防士やろ?体力あるよな?俺と一緒に冬の川へ入って、魚の卵撒こうって言ってんの。Mも(いやいや)来るよ。」
「はぁ、その日なら勤務明けで別に行ける事は行けるけど・・・」
はい決定ーー!
「雨降ってもやるから、そこんとこヨロシク。孵化間近の卵やから日をずらせへんの。それと、日当は缶コーヒー1本ですので」
「えぇ!?マジで?」
かくして、発眼卵放流初体験の管理人に加えて、釣りもしなければアマゴという魚さえ知らないコンビニ店長と消防士による、珍道中が始まるのであった。
川へ向かう途中、約束のコーヒーを買いにコンビニへ。
「あ、コラ!缶コーヒーって言ったのに、なにペットボトル入りのコーヒー買ってんだよ!微妙に高いじゃねーか!」
後半に続く。