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今月号の特集: ●フラのあれこれ豆知識 ●タヒチアンのあれこれ豆知識


フラのあれこれ豆知識 (文化・歴史)

●ハワイアンネームについて
ハワイアンネームとはクムフラが弟子に授ける名前のことを言います。
ハワイアンネームには、その人が本来もっている資質を最大限に生かすことが出来るようにとマナ(ハワイ語で霊力と言う意味)が込められていて、たとえばAnuhea(アヌヘア)は「山から吹き降ろす涼しい風、息吹」という意味であり、Ka'Olumanu(カオルマヌ)は「大空を舞う鳥」の意味になります。
ハワイアンネームはフラを尊敬し、学び続ける限り、その人の・その人だけの名前であり、フラの世界ではその人の固有名詞になります。
ですからハワイアンネームを授けるクムにとっても、熟慮し、こうあって欲しいとの願いを込めて命名するのが普通です。
日本でも生花の家元教授になると、師範から家元教授としての名前を戴きますし、日本舞踊の世界でも一人前になれば、お師匠様からお名前を頂戴するのと似ています。
ハワイアンネームをクムから授かるときに「お礼」として、10,000~20,000ドル(100万~200万円)をお支払いする場合も多いようですが、クム・エフラニ先生の場合は原則受け取らない主義です。

●フラを廃止した王、復活させた王
有名なカメハメハ王はキリスト教宣教師達からのフラ廃止の声と西洋文化の憧れから、表向きはフラを禁止しました。
それでもハワイの人達は文化を象徴するフラを愛しひっそりと受け継いでいましたが、その後50年ほど経ちデビッド・カラカウア王がフラ(カヒコ=古典フラ) を復活させ、さらに伴奏にウクレレ、スチールギターなどを用いるフラ(アウアナ=現代フラ)へと発展させたのです。
そんなカラカウア王のニックネームは 「メリーモナーク(陽気な王様)」。
毎年盛大に行われる「メリーモナーク・フラ・フェスティバル」はハワイの人々に愛されたカラカウア王にちなんで名付けられました。

●フラの意味
フラ(=hula)はハワイ語で「踊り」と言う意味です。
ですから日本で使う「フラダンス」という言い方は厳密には「踊り踊り」という意味になります。
しかし、一般の人に「フラ」と言っても本来の意味がよく伝わらないので「フラダンス」と言うようになりました。
でも、フラを学ぶ者同士では「フラダンスを習っているの」と言うより、「フラを習っているの」と言った方がなんだか本物っぽいですね。

●パウの意味
皆さんパウスカートはご存知ですね。パウはフラの練習のときに着用するスカートを指す言葉ですので、「パウスカート」と言うと「スカートスカート」という意味になります。
しかし、一般の人に「パウ」と言っても本来の意味がよく伝わらないので「パウスカート」と言うようになりました。なんだか、フラに似たところがあります。
そういえば、アメリカの大手銀行City Bankを日本では「シティバンク銀行」と呼ぶそうで、これもちょっとおかしな言い方ですね。

●フラについて
今では世界中で愛され、踊られている「フラ」はハワイの踊りとして知られています。
ハワイは古来より海、山、大地・・・など自然界に神々が存在し、ハワイ固有の神話の世界がありました。 記述言語(文字)を持たなかったハワイの人々がコミュニケーションする手段として、神々の舞いを手本としたのがフラの始まりだと言われています。
同じ島国である日本も古事記などに神々の踊りが記されていたり、神事の際の舞踏などハワイと似た文化的側面があります。

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神前で舞うフラカヒコは日本の能に近い存在かも知れません。

●ハラウのいろいろ
ハラウはハワイ語で「学校」と言う意味なので、フラハラウは「フラの学校」という意味になります。
ハワイにはいろいろな個性をもつハラウがあります。
大会出場を目指すハラウ(ダンサー達の見栄の張り合い、足の引っ張り合いも多い)。 大会などに出場せず文化性、芸術性を追求するハラウ。クムやアラカイ(師範)の言うことが絶対的な厳しい戒律があるハラウなど。ただ総じて、師匠と弟子の縦関係はしっかりしていると言えます。
日本国内でもこれにならい、ハワイのクムに付きその教えを忠実に日本で実践するハラウ。独自のコンセプトを持ち、併せてハワイのクムの教えを取り込むハラウ。ハワイのクムに付かず独自の活動を行うハラウなどがあり、大会出場を目的に活動したり、独自の文化性や芸術性を追求する事を目的にしたり、健康促進と維持を目的とするハラウがあります。

●カヒコとアウアナ
カヒコは古典フラ、アウアナは現代フラのこと。カヒコは古来からハワイにあった舞踊で、宗教観と深く関わりがあり、いわばハワイ固有の伝統芸とも言えます。 このような起源をもつカヒコなので、神話や伝説、自然が歌のモチーフになっています。

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力強い動作と俊敏な動きでダイナミックなカヒコ。神前舞の伝統があるので表情は真剣

一方、アウアナは娯楽性を取り入れたフラで、カラカウア王時代以降の新しいスタイルとして発展しています。
エンターテイメント性を志向するだけあって、 自然だけではなく、恋愛や男女関係などが、アウアナの歌のモチーフとなることが多いのも特徴です。
また、本来は伝統的舞踊であったカヒコに娯楽性を取り入れた近代カヒコというジャンルも生まれ、タヒチアンにも匹敵する力強さを表現したものもあります。

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優雅な身のこなし、笑みを湛えた表情で舞うアウアナ

●チャントとオリ
ハワイは伝統的な口承文化の地域です。
文字を持たないため、昔からの言い伝えや教えは全て口承されて今日に至っています。
このような文化的背景があるので、フラを習うにはハワイ語のチャント(=詩)を覚えなくてはなりません。 そして、発音や意味も理解したうえで、手の動きで表現するのです。
また、歌うだけで踊りの付かないチャント(オリと言う)もあります。

●フラの基本動作
フラは世界各地にある民族舞踊の中でも、独特な世界を形作っています。
フラの表現には3要素があり、それらはハンドモーションとステップ、そして顔の表情を指しています。
フラでは手の動きで詩(歌の叙事的要素)を表現し、表情と体の動きで感情(心の動き、叙情的要素)までも表現するのです。これは言葉に代わる肉体を使ったコミュニケーションそのものといえるでしょう。
そのためフラにはストーリー性があり、同時に感情も伝える事ができるので、世界にも稀な情感深い踊りとなっています。

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