究極のフューラー開発研究所

無論の事、これはフィクションです。また、コラムでもありません。


 ネオゼネバス帝国が造り上げた強力なゾイド、『バーサークフューラー』。兄弟機であるライガーゼロと同様に、完全野生体をベースにし、CASを搭載、その上、これまでのT−REX型ゾイドの集大成とも言うべき装備を搭載したゾイドである。その性能は、極めて高いものとなった。
 しかし、そんな現状に満足できない者たちが居た。彼らは集い、究極のフューラーを理想と掲げ、謎の研究施設『アーベント』を作り上げた。この項は、そんな彼らの活躍の極一部である。


シュトゥルムフューラー 試作実験機

 シュトゥルムフューラーの試作機。完成型のシュトゥルムフューラーとの相違点は、エクスブレイカーの代わりにバスタークローが装備されている事である。
 電撃戦を主目的に開発が進められていたシュトゥルムフューラーであるが、当初は前述の通り、シュトゥルムブースターとバスタークローの組み合わせであった。だが、巨大なブースターによりエネルギー消費量が激しくなり、稼働時間の低下が恐れられていた。その為、バスタークローの変わりに、エネルギーを消費しない武装が考えられる事となった。そこで白羽の矢が立ったのが、ジェノブレイカーによりその実用性が立証されていた、エクスブレイカーであった。エクスブレイカーならば、格闘能力、防御力を同時に上昇させる事が出来、なおかつエネルギー効率も悪くない、という事であった。こうして、シュトゥルムフューラーは完全にエクスブレイカータイプに移行され、バスタークローでの計画は破棄された。
 しかし、その優秀な性能から、一部のパイロットの間では好んで使われている。その為、少数ではあるが、試作タイプも量産されたようである。

バーサークフューラー 超高機動試作機
最高速度:517km/h
 バーサークフューラーのバスタークローの変わりに、シュトゥルムブースターが装備されたタイプである。
 速さに拘る、一部の技術者達の中で趣味の一環として開発された。その速度は、ゼネバス帝国のマーダにすら匹敵するものとなった。但し、推進装置、加速装置の類が機体上部に偏った為、操縦が非常に困難な機体となった。又、バスタークローを排除した事により、格闘武器が少なくなってしまった(ストライクレーザークローは、攻撃力の面では問題無いものの、バスタークローに比して、間合いが短く、使い勝手が悪い)のが欠点として挙げられる。
 元の開発動機からして不充分であった為、この計画が本格的に運用される事は無かった。しかしながら、CASの容易さから、アーベント内部では何機か試作機が製造されていた様である。一部のパイロットに試験的に渡した物の、あまり戦果は挙げられなかったようである。

シュトゥルムフューラー 格闘戦強化仕様
最高速度:270km/h
 シュトゥルムフューラーのシュトゥルムブースターの変わりに、バスタークローを装備した仕様である。
 格闘性能、攻撃能力の徹底強化を目指して開発された。シュトゥルムブースターを排除した事により、機動性は劣るものの、エクスブレイカー、バスタークローの効果により格闘性能は上がっている。又、火力の面でも、バーサークフューラー級の性能を誇る。防御力に於いても、アクティブシールド、Eシールドの併用により高いレヴェルである。その結果、全体性能は向上したものの、操縦は困難となり(特に、副腕が四つ装備された事が大きい。パイロットだけでなく、ゾイド自体にも高いストレスが溜まってしまう)計画は早期段階で破棄され、その存在を知る者は少ない。噂によると、一部のエースパイロットの間では大変好まれており、中にはOSをも使用した仕様も存在する。
 尚、本機はアーベント内では一番戦闘力の高かったタイプであり、今後、この機を更に発展させて行く事が決定事項となっている。


 今回、アーベント内部ではあまり良い結果が得られなかった。しかしながら、今回の経験、データは必ず参考にされ、次のために役立つであろう。今後も、アーベントでは日夜研究に励んでいる事であろう。(とある新聞社から発見されたデータファイルに保存されていた記憶)


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