ジェノの系譜
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さて、傑作機ジェノザウラー、その改造機ジェノブレイカーの登場から約一年、ジェノの血を受け継ぐゾイドが登場しました。その名も、『バーサークフューラー』です。
そもそもこのゾイドは、ジェノザウラー登場前まで話は遡ります。第弐回でも触れましたが、トミーとしては当初、バーサークフューラーに似たデザインのゾイドを発売しようとしていました。そのデザインは、あまりにも既存のゾイドとデザインが違いすぎる事が原因で、ジェノザウラーの様なデザインに落ち着きました。そう考えると、トミーとしては念願のゾイドなのかもしれません。
ライガーゼロのライバル的な位置付けで登場したフューラー。当然の如く、チェンジングアーマーシステム(CAS)が搭載されていました。現在のところ(2002年四月現在)、残念ながらCAは一種類しか発売されていませんが。
デザイン的には、平面装甲が中心となっています。そのせいか、全体的にのっぺりとして印象を受けます。その上、全身が白い装甲で覆われている為、帝国ゾイドらしからぬ感じです。
背部にはバスタークローと呼ばれる、万能武器を背負っています。そして細部は、小型化された手首、大型化された脚部、かかとが浮いている様に見える、と微細な変化ながら、ティラノサウルスの想像画により近いものとなりました。まぁ、それが関係したかどうかはともかく、個人的に物凄く大好きなゾイドになりました。
小さな手首を振りながら歩く姿は、可愛い、の一言に尽きます。もう、アレですね。ジェノの系譜のゾイドは、可愛いと言う遺伝子を受け継いでいるようです。
商品的にも、大変魅力的なゾイドに仕上がりました。歩行の他に、スイッチの切り替えで荷電粒子砲発射形態に変形するのです。ジェノザウラーの時には残念ながらオミットされた、尻尾アーマーの可変機構も再現されています。アニメの如く、口から砲口も出てきます。ゾイドコントローラーを持っていれば、手元のスイッチで切り替えが出来ます。
手動ギミックとしては、背部のバスタークローがかなり表情を付けられます。これは、手動ギミックは、連動ギミックは、共に楽しめる傑作的なゾイドなのではないでしょうか。
設定的には、ライガーゼロと同様に、完全野生体をベースとしており、計算上の戦闘力はジェノブレイカーを超えるそうです。
しかし、個人的に残念な点は、オーガノイドシステムを搭載していないと言う事です。いや、本当に個人的な点なんですが。
オーガノイドシステムは、同システムを搭載されたゾイドを憎みます。無論の事、自分も含めて。その、矛盾に満ちた点が、非常に魅力的だったのです。強いけれども、その裏では自分を憎んでいる。非常に哀愁に満ちていて格好良いです。
さて、バーサークフューラーにて個人的には理想を極めたのですが、ジェノの血筋はまだ続きます。それは、またの機会にて。