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Studio: Mono Film
Theatrical Release Date: 10, 27, 2005
Language: Thai
(Dolby Digtal 5.1 Surround, 2.0 stereo)
Subtitle: Thai, English
Runtime : 110 Mins.
Special Frauters: TRAILER'S (5)
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・ タイ辺境の森林地帯を拠点にゲリラ活動をしていた”5人の盗賊団(Five-Thieves)”のリー
ダー、通称”司令官(Commander)”が収監さていた刑務所から脱走。高い戦闘能力を持つ
”5人の盗賊団”の中でも黒魔術の力で拳銃弾でさえ弾き返す肉体を持つ男を倒す為、主
人公は伝説の聖者の剣”Tiger Blade”を手にする… っというナカナカに凝ったお話のこの
映画、05年公開のタイ映画でアクション系? なんか某ハリウッド・メジャーの「俺様ダンピ
ールでも俺様カッコイイ」シリーズげなジャケといい期待してのオーダーでしたが、観終えて
の感想を一言で表すのならば
惜しい! 惜しい! 惜しい!
三言じゃねぇかヨってツッコミは却下。いや惜しいんですってこの作品。
OPで主人公がファックの最中に襲撃されたのを撃退するシーンなぞジョン・ウー作品ばり
の緊張感とテンポあるカット割りで思わず「おぉ!」っと思ったものの、顔に銃をつきつける
シーンになると何故か銃にボカシが入ってテンション下がる下がる。ボカシの適用基準が
・ 頭、もしくは顔面に銃をつきつける → ×
・ 腹など、上記以外の部位、箇所に銃をつきつける → 〇
・ カメラに向かって銃を構える → 〇
・ 煙草を吸う → ×
ってよく解らない上に、ボカシの範囲が大きいんでホント、シラけてしまうんですよ。なんで
ショットガンを腹につきつけて撃ち殺すのも、頭撃ち抜かれて倒れるのも、相手の顔あたり
に向けて銃を構えるのもオッケーなのに? 喫煙シーンでのボカシが劇中2回程度なんで
まだ許容範囲なんですが、銃の場面はそれよりずっと多いだけにこの仕様がまず惜しい!
次にストーリーが脚本無しの香港映画やVシネみたいな行き当たりばったりっか適当な展
開で… ”5人の盗賊団(Five-Thieves)”と言ってるんですが、どう観ても司令官込みでも4人
だったり黒魔術装甲の兄ちゃん以外は普通の人間だし、割合とアッサリ伝説の剣を手に出
来たなぁ… っと思ったらその分剣が活躍するのも中盤迄のたった2回だけで以降は銃撃
とムエタイアクションとなってて、地下金庫襲撃阻止のお話も何処へやら最後は司令官を逃
がし、聖者の剣をお寺に返してメデタシメデタシ、ってやられては… 現代を舞台にした伝奇
活劇か、そうでなければ普通のアクション映画にすりゃぁいいものを無理に色々な要素を詰
め込んでるからとっ散らかちゃったお話が惜しい!
んで、
お話も行き当たりばったりなら演出も行き当たりばったりで、例えば回想シーンが白黒ベー
スの部分CG着色って『Sin City』風、って筈が、何故かアクションシーンの途中でそういう
モードになってみたり、って風に意味や必要も無いのに画面のトーンがパッと変わっちゃう
のが惜しい! あえてやったとしたのなら、そりゃぁ間違ってるよ!
…と書くと
「んじゃぁアクション場面だけがいいダメ映画なの?」
って思う人もいるかもしれません。実際、そういう映画って香港やVシネに限らずハリウッド
やらにいくらでもありますが、それらと違ってこの映画は撮り方と見せ方と進め方って映画の
手法的にはいいんですよ。邦画がで言えば『RED SHADOW - 赤影 -』や『デビルマン』やら
『踊る大捜査線』とか『恋人はスナイパー』とか『スイングガールズ』とかのようなクズなんか
比較にならない、っか「コレ観て勉強しろよ」って言いたくなるくらいに映画としての作り方と
商品としての尺やボリュームの匙加減、バランスそのものは悪くないんですよ。そして、カット
割りとテンポ、フレーミングって映像的にもいいし、格闘やチェイスやらのアクション場面での
アイディアと見せ方、アングルの選択、ワイヤーやCGの特殊効果の併用の仕方もいいんで
すよ。そりゃぁアクションを行う俳優陣の能力って点ではトニー・ ジャーに比べれば劣ります
けど、ある程度立ててあったプランの実現が『The Bullet Wives』と違ってちゃんと出来ている
ように見える、っと、要するに映画製作能力の高さがある筈なのに勿体無い結果になっちゃ
ってるからこそ「惜しい!」って私は思うんですよ。
ぶっちゃけ、タイ映画だから褒めるって気は全然無いし、アクションだから持ち上げる気も
ねぇんですよ。どこの国の映画だろうが、どんなジャンルだろうがダメなもんは駄目だしクズ
は所詮クズでしかありませんし、予算や人材、機材の点とか言い出したら映画の出来はもぅ
ハリウッドにか敵わないってなるけどそうじゃねえでしょ? って私からすれば、今作は本当
に観ていて「惜しい!」んですよ。
あくまで「惜しい」作品なんでオススメはしませんが、私的にはタイ映画界の俳優陣の層の
厚さに加えてワイヤーやCGといったSFXの点でも決して邦画に劣るものではなく、むしろ勝
っている作品と思いましたけどねぇ… やはり『Ong-Bak (2003)』の登場は突然変異ではなく
ちゃんとそれだけの土壌も下地もノウハウも歴史もタイ映画界にあっての事だったんだな…
っと、思いましたよ。だから「惜しい!」って思っちゃうんですけどね…
・ …って感想はさておき、DVDソフトとしては画質、音質共に並みの上かと。
撮影がデジタルメディアっぽい感じがしますが、ノイズとか特に見当たらないし発色もいいん
じゃぁないんでしょうか。
特典が予告編集だけ、ってのはちょっと物足りない部分ではありますが、まぁ思い入れを
抱くまでの作品ではなかったんで、こんなもんでも良いんじゃぁないかなぁ? っとぉ。
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