・『The Bullet Wives (2005)』 (PAL) - Region 3


 Studio: RS Film
 Theatrical Release Date: 4, 6, 2005

 Screenformat:
 Anamorphic widescreen - 1.85: 1

 Language : Thai 5.1 Surround, DTS
 Subtitle : English
 Runtime : 78 Mins.

 BONUS:
 ・Director's Commentery
 ・Cast Commentery
 ・Making of
 ・Trailer
 ・Sneak Peeks

 2007年、国内の男女比が1:2となった事で男性の同性愛傾向が高まり、2017年には
 その比率が1:4にまでなった… という未来、最初に結婚した第一妻を中心にした一夫多
 妻制となった社会だったが夫を色仕掛け等で略奪する女性達も台頭。あくまで第一夫人を
 立てて社会的秩序と安定を… とする組織と、略奪による自由を謳歌する組織との間は
 いつしか血で血を洗う抗争となっていた…

  っと冒頭で主人公が語るトコからスタートするこのタイ映画、女の敵は女ってコンセプト、
 ジャケットや予告編やメニュー画面の白を基調にしたオシャレさといい、私的にそれなりの
 期待をしての観賞でしたが、実はこのジャケットの並びがデタラメだった、ってのが解る時に
 はもぅゲンナリしてましてのぅ… いやぁ
酷い出来でした。

  きっと
 「なぁ、『マトリックス』のトリニティって最高だよな!」
 「いやいや『キル・ビル Vol.1』だってイカスぜ!」
 「やっぱ強いオネーチャンが戦うのってよくね?」
 「ガン=カタなんかやられたらたまんねぇよな!」
  と製作者らがダベってて出て来た妄想を映画にしたもので(←決め付け(笑))、その志っか
 欲望自体は正しいと思いますがカッコイイ、イカすアクションシーンをやりたいだけで突っ走る
 事が出来ず、さして当人らがやる気も無いけど
 「でも女が戦うって事をするには… 」
  と【彼女らが戦うべき理由】説明ドラマを無理にやる事でテンションもテンポもお話も全ッ部
 グダグダになるという間違い、勘違いが凄く酷いです痛いです退屈ですツマンナイです。

  主人公が戦う為の動機付けとお話上のクライマックスへのフラストレーション、そして解消
 って狙いだったんでしょうが、妹のエピソードといい長々とやったワリにゃぁ場面転換が下手
 だから一向に盛り上がらないんでカッタルイし、登場人物が多いワリにはキャラ立ちも何も
 なってないわ、究極的には愛した者を自らの手で殺す事で永遠に自分のものとする、っての
 も含めて色々とやったワリには残らないのは描き方以前の脚本の問題でしょう。

  そこいらが己の煩悩と妄想の塊のままに理由も説明も適当、やっつけのままでも兎に角
 自分達のしたい事だけをする、ってスパークしてたインスパイヤ元の作品に及ばない最大の
 理由にして本作の最大の欠点、でありまして是非とも製作者の方々には何はなくてもまずは
 『Charlie's Angels - Full Throttle (2003)』を観て、一旦自分の中で消化して昇華する勉強を
 しろや〜 っと思いましたですよ。戦いにモチベーションは必要でも、ドラマや理由や動機とか
 どうだっていいじゃぁないですか、カッコイイんだったら! エロかったのなら! っとな。

  いやホントに試み自体は悪くないと思うし好ましく思うんですよ。ハリウッドメジャー程の予
 算はかけられないしソフトウェアも無い中、女性同士のガン=カタ風アクションはよくやっとる
 と思いましたし、インスパイヤっかオマージュ元の雰囲気の再現とかもよぉやっていて楽しい  んですが、あくまで再現レベルでしかないって以前にまず、そこに辿り着くまでのドラマ部分
 がホント長くて退屈、ってのではねぇ…

  まぁいい意味でも悪い意味でも同人的な作品ではないかなぁ… 監督らがやりたがった戦
 闘&銃撃場面ではインスパイヤ過ぎるけれど、それ以外の何気ない街とか風景とか妙なトコ
 で綺麗なショットを撮ってみせているトコとかも込みで、「いい意味」の部分では素直に楽しめ
 ましたよ〜 っと。

 ・ で、DVDソフトとして画質、音質共に「普通」。
 VHS、VCDよりは綺麗ではありますがやや鮮明さに欠ける印象があります。多分、元素材
 がフィルムではなさげな甘い感じでメニュー画面と比べても明らかに落ちる感じで、ちょっと
 ガッカリしたものでありますが汚いってワケではないので。
 
 ・ 次に特典ですが、ぶっちゃけ最初の「サワディー・カップ」って一言以外はカケラもタイ語
 が解らない私には無用でも、解る方には「Director's Commentery」「Cast Commentery」の
 2つは本当に最初から最後まで語っているので楽しいものなのではないかと。
  ちょっと残念なのが「Making of」で、撮影風景等を曲に乗せて延々と垂れ流す感じなのが
 勿体無いなぁ… もうちょっと出演者の女性の方々の撮影の合間の素顔みたいなのとかが
 あれば良かったんじゃないかと。多分、許可を取ってないであろう布袋の『新・仁義なき戦い』
 のテーマがこの映画が目指していたものをよく表わしていると思います(笑)。
 「Trailer」は本作の、「Sneak Peeks」はこの会社の他の映画等の予告編集、で楽しかったで
 すよ。でもいくら気に入っても英語題名が出ないんで私は注文出来ないんですが(爆)

  …って事で、DVDソフトとしては普通なんじゃぁないんでしょうか。

 ・ わざわざ個人輸入してまで観るべき作品だとは思いませんしオススメは絶対しませんが
 、
ボンクラに国境なし!(笑)
  ってのがよく解る作品ですから、ひょっとすると国内の個人の同人特撮とかどインディーズ
 好きな方にはたまんないモノなのかもしれませんが… でも映画としては本当に酷い、邦画
 で言うなら『恋人はスナイパー』とか『踊る大走査線』とか『デビルマン』みたいなブツですから
 わざわざタイから取り寄せてまで観る価値は無いと思いますよ。


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