シナノヒメハナカミキリ
Pidonia (Pidonia) suzukii Kuboki,1982 


  体  長    7.0 〜 10.5mm

  出現時期     7 〜 8月


ショウマ類の花で採食するシナノヒメハナカミキリのオス
下伊那郡大鹿村(南アルプス) 2012.7.30(以下同じ)

 中部山岳地帯の亜高山帯から高山帯にかけて生息する種で、上翅の紋様や前胸の側縁が強く突出するなど近縁の フイリヒメハナカミキリによく似たヒメハナカミキリです。
 上翅の黒い紋様が肩部まで被う(フイリヒメハナの肩部は茶褐色)ことで区別できますが、生息地はより限定され、数も少ない種です。
 5日前に行った南アルプス北部では出会うことができなかったため、大鹿村からの山行に切り替えリベンジです。本種が生息する標高2000m付近から訪花するショウマ類を探して登りますが、崩落地周辺の急斜面に多少見られる程度であまり多くありません。しかし、花は今が最盛期で ニセフタオビヒメハナカミキリオヤマヒメハナカミキリなどが多数集まっています。
 標高2300mくらいまで一旦登り、ショウマ類のあるポイントを確認。この標高差約300mの間を登り降りしながら飛来を待ちます。
 午前9時頃から探索を開始、タカネヒメハナカミキリをダケカンバの立ち枯れで探しながら往復しますが出会うのは普通種のピドニアばかりです。
 午後1時を過ぎた頃から霧が発生し、空がにわかに暗くなりはじめ下山の文字が脳裏をかすめたそのとき、急斜面に咲くショウマ類に黒っぽいピドニアを発見しました。一見ホソガタヒメハナカミキリのメスのようにも見えましたが、前胸側縁が強く突出していることで本種のオスと確信しました。
 結局この日はオス1頭だけで、メスを見ることはついにできませんでした。


側面から


一覧に戻る