RADEON コンポーネント出力アダプタ



480i出力は一般のTV出力で可能な信号なので省略いたします。

さて、肝心のプログレッシブ出力ですね。

当然ですが、非常に美しい映像を得る事ができます。
日本で「D2」と呼ばれる形式は、一般的には「480p」と言いまして、
数字の通り、走査線480本を同時に一発表示可能なものです。
この場合の走査線とは横線の事ですから、パソコンの解像度で表しますと、
「640×480」「720×480」などと同等の解像度になるわけです。



(左側がPCモニタ、右側がHDTV 共に640×480の画像)
ほとんど遜色が無いのがわかるかと思われます。


滲みやちらつきが無く、はっきりと文字を読む事も可能です。


D2については問題なさそうです。
では、それ以上となるとどうでしょうか?

まず、「1024×768」解像度で出力してみましょう。




上がPCモニタ、下がHDTVの写真です。
TV側が一画面内に収まっておりません。
景色を比べていただければおわかりかと思いますが、
左上に合わせたカット、右下に合わせたカットですね。
これは、1024×768相当の情報を、640×480で表示させようとしているのですから、
当然、拡大や縮小表示の機能がなければ、このような形になります。
つまり、解像度で言えば「D2のまま」という事にです。

そこで、「1920×1080」に設定を合わせますと
TVの方のD3スイッチが入りまして、今度は画面が横長へと切り替わります。
一画面で、全ての情報を表示できていますね。
猫の壁紙が1024*768用のサイズですから、
その解像度の細かさもご想像いただけるかと思います。


さて、1024*768ではD2表示になってしまったのが、
何故、この場合はD3解像度で表示されているのでしょうか?、
つまりこれは、「×1080」「×720」などのように
D3なら1080i、D4なら720pと、ジャストの解像度が設定されない限りは
常に480pで表示する仕様のようなのです。
ですから、
D3専用解像度→1920×1080、1776×1000
D4専用解像度→960×720、1280×720

この手の解像度以外は全て、
一画面内に全てを収める事のできないD2表示になると思って下さい。

なお、フォルダ部分を拡大しますと、

こうなります。 1920×1080という高解像度にも関わらず文字の判別が可能なのは、
さすがに29インチという大画面の成せるわざでしょう。
これが、32型,36型とD3を映すのに特化したTVであれば、
さらなる効果が見込めるはずです。

ただし、これでHDTVがPCモニタの代用になれるというわけではありません。
何故なら、インターレス方式では幾ら解像度が高くとも、
ちらつきのため、文字を読むタイプの実用には耐えられないからです。
こればかりは、解像度以前に抱えられている問題です。

では、プログレッシブであるD4解像度ならばと
お思いになるかも知れませんが、
現在、720pを表示できるHDTVは生産されていないのです。
ほとんどのTVが「D4対応」と謳ってはいますが、
実は、TV内部で720本のインタレス方式に変換されてしまい、
あくまで、「D4信号を受けつける事ができますよ」という意味に留まっています。
(〜D3のTVでは、D4信号は表示する事すらできない)

残念ですが、HDTV出力アダプタを使用しても
「TVをPCモニタ代わりにして快適ネット」
この夢は無理であるというのが現実のようです…

しかし、理屈としてはプログレッシブ表示ならば問題ないわけです。
そこで思いつくのが、最近流行りの液晶TV。
42〜50インチの大画面で、本来の720p映像を表示可能。
これは、もしかするのではないでしょうか?

残念ながら、未だそういう実験報告は耳に入っておりませんが。


NEXT