壮瞥町の防災啓発Top 2000年事業 Top Page    


壮瞥中学校 学校祭2年A「壁新聞」 有珠山関連記事から

 

  <新聞へ(画像 jpg 71KB)
2000.10.1 

 
 

 今年の3月31日、有珠山は23年ぶりに噴火しました。今回の噴火や一般的な火山のことについて、岡田弘教授に取材してきました。
 世界には、海れい型、島弧型、ホットスポット型の3種類があります。そして、地域や時期によってマグマの性質も異なります。日本の場合、島弧型火山と言って、太平洋プレートが沈み込む深い部分で次々とマグマが「火山を破壊する活動」を同時に続けています。
 マグマが地表に噴出するのが噴火で、形態として
 @マグマが直接出る「マグマ噴火」、
 Aマグマが熱を与えて岩石や閉じこめられていた高温の水蒸気を出す「水蒸気爆発」、
 Bマグマが水と触れて急激に水蒸気爆発を起こす「マグマ水蒸気爆発」があります。

○ 有珠山の歴史について
 洞爺カルデラは今から10万年前にでき、有珠山は1万5千年〜2万年前に洞爺カルデラの南壁で火山活動をはじめました。できたばかりのころは、富士山のような円錐形の山をしていました。
 そのころのマグマの性質は、噴火のとき溶岩が直接流れ出る玄武岩〜安山岩質で7千年前の爆発では、山頂部が崩壊して外輪山を生じました。その後、有珠山は、7千年もの間、活火山をやめていました。そして江戸時代の1663年に、再び目を覚ましました。その休みの間にマグマの性質が一変し、ガラス成分が多く、粘り気のあるデイサイト質になりました。粘っこいためにガスを閉じこめ、極めて爆発性の高い噴火を起こす山になって7回もの噴火をしています。


○ 今回の噴火について
 今回の噴火は、8回目でした。3月27日をきっかけに、どんどん地震は回数も多く、大きなものになりました。そして3月31日、午後1時10分頃、有珠山はもくもくとけむりを上げながら、23年ぶりに噴火しました。今回の噴火は、「マグマ水蒸気爆発」でした。それ以後も、一日に3千〜4千回水蒸気爆発を続け、今でも金比羅山からの噴煙は途絶えません。これについては、当分続くだろうということです。しかし、来年まで続くことは絶対にないそうです。
 有珠山の噴火は、30〜50年周期だと言われていましたが、今回は23年ぶりでした。自然には不確定性がつきもので、ゆらぎがあります。ですから、短すぎるというほど短くはなかったそうです。
 今回の噴火活動は、今までの噴火活動の中でとても小さい方でした。人の少ない所で起きたので、直接被害を受けたのは10軒あまりだったそうです。しかし、西山麓で隆起したマグマより山頂を押したマグマの力の方が5割多かったそうです。つまり、マグマは本当は山頂から出たかったのに、枝分かれした方のマグマが出てきて、噴火が起こったということです。

○ これからについて
 次の噴火は、山頂で爆発が起こる可能性もあるし、ふもとの方で起こるかもしれないし、活動が始まってみなければ噴火する所は今の科学ではわかりません。
 しかし、火山のしくみなどの正確な知識を持っていれば、むやみやたらにおそれる必要はありません。次の噴火の時は、私達の世代が社会の中心になっている時なので今から学んでいれば間に合います。21世紀は、人間は、もっとかしこくならなければいけないと岡田教授は言っています。
 地球とうまく付き合っていくためにも、まじめに勉強して、みんなの幸せにつながるようにしていきましょう。

 
 

◆ 編集後記
 私たちが一番苦労したのは、メインの有珠山の記事です。取材に協力していただいた岡田教授のためにも少しでもいい記事にしようと本当にすごく悩み、時間をかけて本当にがんばりました。そのせいか、すごく作業が遅れ、しめきりまでに出来上がるか心配でした。そんな苦労のかいがあって、私たちみんなが納得できる新聞になったと思います。


 
 

 

 page top