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Hawaii, Hilo City を会場に開催された Cities On Volcanoes 3 in Hawaii(以下「COV3」)終了後、
有珠山・副読本作成プロジェクトのメンバー10名によるハワイ島火山視察会が催された。
Hawaii Volcanoes National Park を中心に行われた視察行程と内容は次のとおり。

Map by J. Johnson, 2000 HVO HPより
  クリック → 拡大

行 程

2003年7月19日 R19. Honokaa: C.C.Jon's Snack in Shoppe
   20日 Chain of Craters' Road, Helicopter,
   21日 Lava Viewing, National Park Visitor Center
   22日 Ka'u Desert Trail: Foot Print, HVO

関連 LINKページ USGS HVO
   Eruption Update and Image Archive of Kilauea Volcano
   Hawaii Volcanoes National Park (National Park Service)


2003年7月19日(土)  晴れ
11:15 Hilo空港到着 先発隊はCOV3巡検日。後発2人はフリーである。
  空港でレンタカーを借り、とにかく観光することに。森本さんが運転。
  予約していないため、小型がなく、ムスタングというオープンカーを
  渋々借りた。まずは、ホテルへチェックイン。
  ホテルロビーで先発隊佐茂先生と会い、日程など再確認。
13:00 ホテルをでて国道19号を北上。慣れない左ハンドルに
  「右折は小回り、左折は大回り」と交差点の度に二人で確認しながら
  何とかヒロ市郊外へ。
  途中、
Scienic Road(沿道景観道路)の看板をみて右折。
  古い時代のアメリカの雰囲気を残した細い小道で、橋は交互通行が
  できないもの、木橋ありで、団体観光旅行では味わえないものだ。
  再び19号に戻り、アカカ滝を見学。
15:00 目指すワイピオ渓谷の手前、 Honokaa で遅い昼食に。
  日系三世、
Marian Mitsuko Rapozo さんが経営する「CC Jons」は、1905
  建設。メニューの
Nishime 7$, Pork Tofu 7$ などに興味をひかれたが
  無難なハンバーガーステーキをオーダー。
  もともとこのあたりは、日系人の移住から始まった。白人、フィリピン人等
  が入植し、日系人の多くは、オアフ島(様々な理由があるらしい)に移住。
   人口は
5,000人くらい。土地の価格は、75,000$/エーカー(=4,050u)で
  家の建設には
200,000$位かかる。
   ハワイ島では危ない所(溶岩周辺)は土地が安いなど話がはずみ、
  6時から宇井教授による視察箇所の説明、レクチャーがあることから
  ワイピオ渓谷を見ずに引き返すことに。

17:30 Hilo空港 Hurtz に車を返しホテル着。18:15 ミーティング.

19:00 隣のナニロアホテルで夕食。本日参加の2名と、明日離団する松尾さんの歓送迎会もかねた夕食会。
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7月20日(日)  晴れのちくもり
6:00 起床

7:30 北大宇井先生(佐茂先生)、はまなす財団浅井マネージャー、
   室蘭開発建設部竹内課長が運転する3台のレンタカーに分乗。

   R11号に出て、28マイル先のハワイ火山国立公園へ出発。

8:30 ウェルカムサインHawaii Volcanoes National Park を経て入口着。
   入場料案内サインによると、車両での利用は、10$/1weekで、
   領収チケットを提示すれば期間中何度でも入場できる。

   溶岩地帯で数々の火口を結ぶチェーンオブクレーターズロードを南下。

8:50 最初の視察ポイント Chain of Craters' Road から Holei Pali
  急崖をおりる途中にある展望台で溶岩流跡と海、崩壊崖の
  景色(Holei Pali から Hilina Pali)を見学。
 <宇井先生コメント>
 ・ 1998年の日米共同研究で「しんかい6500」調査に参加。
   海里の関係から米国は海底調査に熱心。
 ・ 海底での山体崩壊メカニズムに興味があり、研究に参加した。
   キラウエア山体スロープは活動している。
 ・ 崩壊には二つのパターンがある。
   一つは100万年に数度の頻度で起こる大崩壊(ランドスライド)と
   もうひとつは、3−5m程度の崩壊、スランプである。
 ・ 20マイル南東海底(△900m)にロイヒ火山があり活動中。
   海面に顔を出すには、あと100万年程度はかかり、その間に
   死都日本でいう「破局的噴火」が数度日本を襲う可能性も否定できない?
   海底には流れ山地形もある。
10:45 Thurston Lava Tube 駐車場。

  Kilauea Iki Trail を100m程歩き、
  明日歩く予定の Iki Crater 内 Trail を見学。

11:30 Visiter Center 内公園ベンチで昼食。

 

 

 

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13:00 Hilo 空港着。ヘリコプターの搭乗手続きを行う。

14:00 ヘリコプター搭乗。シートベルト、ヘッドホン(Bose製)を着け準備OK。
    パイロットはクリスさん。片言の日本語を交えた説明。
    いざ離陸。離陸時のBGMは、スターウォーズ。

  ・ PuuOo  離陸後約10分で1983年から活動しているプオオ火山へ。
    火口周辺を左右に2度ほど旋回。火口内は穏やかに見えた。

  ・ プオオ火山から流出している溶岩流に沿ってヘリは南下。
    パイロットが指さす方向を必死で追い、Red Lava をカメラ、ビデオに。
      映像「03072003.wmv」(320×240, 13sec, 0.6Mb)
    海に流れ込む溶岩地点に全く噴気が見られず残念。

  ・ 溶岩に近いところは土地が安い(3000$/エーカー)とパイロットは説明。

  ・ Hilo 市内上空
    再びプオオ上空を経て、ヘリはヒロ市内へ。
    途中 Rainbow Fall 上空を経て空港へ。約1時間のフライトを堪能。

15:00 ここからは自由行動。
    Tsunami Museum組、買い物組、Visiter Center組に分かれて行動
    宇井先生とともに再び Visiter Center へ。

19:00 夕食 
     日曜日休みの店が多く、ホテル近くファミリーレストランで。

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7月21日(月)  晴れのちくもり
6:00 起床 7:30 ホテル出発 8:20 Visiter Center
9:00 Lava View Point をめざし、車を駐車しハイキング開始。

    昼間の暑さをさけるためか、10−15名単位のガイド付き外国人
    (立場が逆、欧米人)ツアーの小型バスが多く見られた。

9:05 手書きの Map 情報では RED LAVA まで1.75マイル。

   3/4マイルは道路、1マイルはDifficult Hike (溶岩の上)であること
   また、「爆発の危険がある、溶岩流から150feet離れること
     決められたところを歩け、触れると熱い、水を持て」等と記されていた。
        

9:20 いよいよ溶岩の上を歩くルートに。
   「昨日、ヘリから赤い溶岩の流れは確認できなかった」と宇井先生が
   コメント。しかし、運が良ければ...と、気を取り直して歩く。

9:40 黄色いマーキングに沿って、新鮮な溶岩の上を歩く
   パーホエホエ溶岩の亀裂から、結構熱い噴気を感じながらひたすら歩く。
   途中、杖をつき、ゆっくりとあるくお年寄りの団体を見かける。

9:50 まわりの溶岩から、陽炎がゆらゆらと立ちこめ、いちだんと熱さが増す。
   宇井先生は、より安全を確かめるため、回りを注視する。

  ふと、20m程離れた団体の近く、ロープ模様のついた溶岩の隙間から、
  RED LAVA が一筋、勢いよく流れ出すのを発見。

  流れの筋が2本加わり、3本になる中、急いで移動し、
  夢中でカメラとビデオ撮影。
    映像「03072100.wmv」(320×240, 24sec, 1.2Mb)

 

  規模は小さかったが間近で溶岩の流れに遭遇し、興奮。

  溶岩先端の採取にトライ。数名果敢にトライ。興奮は最高潮に。
  ※帰路パークレンジャーから注意されたこともあり、名前は非公表。

  溶岩の勢いもなくなり、時計をみると約1時間がこの場所で
  経過していることに気づく。

  半年前に来たときと溶岩の流れが変わり、
  海には流れ込んでいない。しかし幸運にも目の当たりに。
  満足感に浸りながらも、きりがないので帰路につく。

11:50 駐車場にもどる。

  パークサービスが設置している小さな情報提供小屋が、
  以前来たときより西側に移動していることに気が付く。

  そばの駐車場には重機がおいてある。小屋の移動と、  
  新しい車の回転場所を整備するためのものであると
  COV3巡検で説明があった旨、巡検参加者、竹内課長から伺った。

 

12:30 Park Service, Visiter Centerで昼食と視察見学。

  ビジターセンターは、National Park 入口から 100m程に位置し、
  国立公園入場者は必ず立ち寄り、公園内の情報提供を受ける。

  建物のエントランス左手は、書籍、地図等出版物の販売コーナー。
  右手は、大きな地図、ハイキングルート、注意事項等の掲示がなされている。

  販売されている書籍、写真集の多くは、USGSの科学者が執筆、監修
  している。ビデオやマップ類も同様であり、科学的な根拠をもって
  学術的で質の高い情報提供システムに感心する。

  シアターでは、20分程、火山地帯に入る注意事項、最近の火山活動を上映。
  必要であれば、詳細映像は、窓口で購入できる。

  案内カウンターには、必ず2−4人のパークレンジャーが常駐し、
  来場者の問い合わせに答える仕組みが取られている。

  米国や先進諸外国のビジターセンター機能は充実している。
  この情報提供方法や利用者側に立ったサービスの提供方法を
  積極的に見習い、とりいれたいところである。

 

 

14:10−16:30 Kikauea Iki Trail をハイキング。

 <宇井先生コメント>
  15Cにできた火口、1959-60年の活動で深さが半分(120m)になった。
  溶岩湖が冷えていく過程を地震計等計器類を設置して観測。

  火口rimや火口底へ下るトレイルは、有珠や四十三山等整備の
  参考イメージとなるのではないか。

18:30 メキシコ料理(佐茂先生の送別会)
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7月22日(火)  晴れ
6:30 起床 7:30 ホテル出発 
8:45 Napau Trail で Mauna Ulu へ出発。

  1973年溶岩流の上を歩く。歩き出すと溶岩樹形にであう。
  南西部にある、州立公園 LAVA TREE Park より、新しく迫力がある。

  天気が良く、遠方に Mauna Loa がよく見える。

  1973年溶岩と74年溶岩の間を歩く。

  トレイル終点へ到着。

9:20 Mauna Ulu 火口をめざし出発。

  遠く東方に 一昨日より勢いよく噴煙を上げるプオオ火山が見える。

  火口へ向かう斜面の溶岩は、平地のものと違い、ガサガサ、空洞で
  気を付けて歩いても、すぐ踏み抜いてしまう。

  距離にして、僅か500m程だと思われるが、慎重に登山。

9:50 火口壁へ到着。

11:30 トレイル出発点へ戻る。


11:50 Volcano House で昼食。
12:40 Kau Desert Trail を出発し、Foot Print へ。

 トレイル案内看板の注意書きには、
   ・ トレイルをはみ出すな(溶岩の割れ目等危険)
   ・ 日光、強風、雨があることを事前に承知しろ
   ・ ネネ(ハワイグース)に餌をやるな
   ・ 火気厳禁、禁煙 
   ・ 夜のトレッキングは、Visiter Center に期間等登録せよ
   ・ 壊れやい荒野の保存に協力を
   ・ 自然や文化遺産に傷を付けたり、破壊・移動する行為は
    法律で禁じられている、等 
  細かく記載されている。

13:05 Foot Print 跡へ到着。

 <宇井先生コメント>
  Foot Printは、サージ発生直後、原住民が歩いた足跡である。
  1790年のハレマウマウ火口水蒸気爆発により発生した火砕流
  火砕サージ堆積物であり、このポイントは火口から約5マイル。

  玄武岩質の火山においても、この様な火砕流(サージ)が発生する
  ことがあることを物語る証拠である。これは、2000年三宅の活動にも
  通ずるものである。

  ピソライト(豆石)が入った火砕サージが2cm程堆積(左写真)。

14:20 Jaggar Museum 見学。 14:40 HVO訪問

  はまなす財団浅井MとHVOを訪問。
  幸運にも D. Swanson 所長、Okamuraさんと面会できた。

  2000年有珠山噴火後、この地を訪問し、多くを学び有珠山周辺で
  推進している火山を生かしたエコミュージアムを説明。
  COV3参加の岡田先生より話は聞いていた旨返事。

  ついては、また、数名で訪問し学ぶ機会を計画。
  詳細が決まれば連絡したい旨、メッセージを伝えた。

15:00 Volcano Winery
18:30 夕食 日本料理 MIYO'S

21:00 全員で反省会 at Room No 729 長期滞在組はパッキングが大変だった模様。

     宇井先生より業務連絡(大事な情報)。
     ホテル各部屋に備え付けの「電話帳」に注目!! P33−
     Disaster Preparedness Information の頁があり、
     避難時の心得、緊急時の対応方法、サイレン警報等の説明に続き
     Types of Emerghencies ではハリケーン、津波、地震等を解説、 
     Hilo 市街地周辺の津波ハザードマップが掲載されている(13Pにわたり)

     観光客への情報提供方法、スタンスを今後の参考にしたい。

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7月23日(水)
        
      8時間のフライト
  24日(木)
 4:00 起床 5:00チェックアウト 
 6:30 AQ搭乗 7:20Honolulu着
 9:40 JO59搭乗 
12:30 新千歳空港着
 <参加メンバーの主なコメントでHP管理者が印象に残ったもの>

・ ハワイ島の火山を訪問し、Kilauea等体感した感動を有珠周辺の子どもたちに伝えたい。また、有珠とハワイ島の子どもたちの交流ができればよいと思う。

・ 日本では、火山を教育に生かしている事例は少ない。今後、米国の事例に学び、有珠山周辺において、自然や火山を学ぶ仕組み、新しい見せ方を構築していけば、国内では他に類を見ない魅力ある地域となるこのような視点は重要だ。

・ 地域づくりの担い手となる住民が、実際に米国の火山周辺を訪れ、自然探勝のスタイル、情報提供システム等を体感、学ぶ機会があればよいと思う。特に行政担当者の積極的な勉強姿勢に期待する。

・ 行政トップの認識を新たにしてもらうことが重要だ。エコミュージアムではリーダー的な存在である山中町長には、ぜひ、米国事情を視察してもらい、先進的な取組みを行ってもらいたい。

 <旅行を終えて>

 私にとって3度目のハワイ島でしたが、充実した日々でした。
 20日 念願のヘリからプオオ火口、溶岩流を見、
 21日 溶岩を目の当たりにしスコップですくい上げ(期待してなかったので本当に興奮しました)、
 22日 足跡では火砕サージ堆積物の存在を知ったこと HVOスワンソン所長との再会も果たせたこと、 などなど。

 宇井先生の解説付きで火山と米国の国立公園事情を視察できたこと、有珠に関係する方たちと話ができたことが何よりの収穫でした。

 車を運転していただいた皆さまに感謝申し上げます。また、直前の参加にもかかわらず受け入れていただいた皆さま、並びに準備で忙しい中、チケットの手配等いただいた浅井様のご協力に改めて感謝いたします。ありがとうございました。

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