'03/6  迷宮の十字路その2
+++やっと会えた+++

< 新一と蘭 >
 「やっと会えた」ってのが、最大のキーワードだった気がするんですが、これは、もう、クロスしまくり(笑)。
 一番感動の、あの、僅かな瞬間の、新一と蘭の出会い。
 なんだか、巷では、不満な方もおられるようなのですが、(う)は、後で、ずし〜んときました。
 いえ、単に、ほんとに、一瞬のことだったので、ずし〜んが、画面が変わった後に来ちゃったんだけど。
 状況が状況だけに、蘭ちゃんを連中に見つからないようにした、というのが、そもそもの発端でしょう?
 あれは、彼に選択肢がなかったと思うんです。
 けれど、彼自身、いつ来るかわからないその時に備えていたわけですから、時間的には一種の賭けで。
 でも、あの、鴨川べりでも言ってたけれど、彼は、「待たせている」と言うことを、相当感じ入ってる筈なんですよ。
 これは、好きとかきらいとかいう問題じゃなくて。
 だから、あの僅かな間に、煮詰まりそうな「待つ」に差し水をしたのだと。
 きわきわの、綱渡りですよね。
 でも、あのチャンスは、絶対逃したくなかったはず。
 自分の負い目を、どこにも転嫁せず、受けとめてるじゃない、新一君!
 と、つい、蘭ちゃんとの約束も忘れてしまうような、彼の援護に立ってしまう(う)なのでした。
 うん、確かに、ひでぇ奴だとは思うんだけど、その辺りが、異性として、ときめいてる筈なんだけど、幼なじみという、長いつきあいからくる安心感みたいなのがあって(もしくは、空気的存在)、忘れちゃったりするんじゃないかな〜って。
 緊張感溢れてると、そういうの、あまりなさそうじゃないですか?
 でも、でも!!!
 一番、胸が熱くなったのは、やっぱり、麻酔銃で眠ってもらってから・・・でしょうか。
 「悪い・・・」そう。麻酔銃は、蘭ちゃんには、使いたくなかった筈なんだけど、これも、また、やむを得ない状況。
 「まじ快」のマザークリスタルの回で、青子ちゃんのグラスに、即効性の眠り薬を入れる快斗が描かれていて、思わず、「おいおい」って、思っちゃったんだけど、心情としては同じですよね。
 でも、快斗の時は、むっとして、なんで、新一のあれが許せたのか、我ながらすごく不思議。
 あ、話が逸れる。
 平次が、和葉に「どうせ会えへんねやったら・・・」と、口止めするシーンがありますが、あんたはほんまにええ男や。
 それは、長い間、「会えなかった」初恋の人を思う気持ちがあったからだろうし、それまでの、蘭や、コナンを見てるから、・・・だろうし。
 でも、あれがあるだけに、引き立つんですよ!
 月下の出会いが。
 そして、崩れ落ちた蘭を抱きしめながら、苦痛に耐える新一。
 体が溶けそうな熱に浮かされながら、それでも、新一は、蘭に、謝罪しつつ、元に戻ると言うことを諦めないで、望みをつないでいたんでしょうね・・・・(既に妄想モード)。
 蘭を抱きしめながら、やがて、蘭に包まれるようにコナンになってゆく・・・。
 うぁ〜〜〜〜切ないけれど、2人にとって、なんて、愛しい時間なんだろう・・・。

< 平次 >
 こうやってみると、彼は、結構、ロマンチスト?(笑)
 8年間も、引きずっていたんですね。
 隣に、和葉がいて、多分それは、「一応、女やそうやけど」という、扱いをしてたんじゃないかなぁ、長らく。
 それが、色んな事件で少しずつ、違う、感情を抱き始めて・・・。
 でも、その間も、「初恋の人」だけ、別格扱いだったわけですよね。
 園子の、「男の子にとって、初恋は特別」発言は、こう見ると、強烈な伏線だったわけで。
 「あねさん・・・」と「嫁さん・・・」の違いから、見つかる、真実。
 (・・・せやけど、なんで、嫁さんなんやろ・・・。)
 「何が何でも、死なせたらあかん、守らなあかん」存在から、「愛しい」存在へ、変わった瞬間じゃないのかな、京都駅のお見送りは。
 その時のことは、コナンも間近で見てるわけですから、・・・なんか、からかい甲斐のあるような・・・(笑)。
 「一生教えたらへん」発言は、さて、いつまで、有効なのでしょう。
 私は、一生、そうでいて欲しいな。
 小さい頃から、なんでも知ってるような、幼なじみという関係の中で、踏み込めない、踏み込ませない、秘密があったとしても、いいんじゃないのかな。
 いや、もちろん、それ以上のフォローを、当然、平次には、望んで・・・のことですけどね(出来るか?平ちゃん!)
 見終わって、思ったのは、平次のやっと会えたは、メーテルリンクの「青い鳥」だったってことでした。

< 元太君 >
 何故に、元太君?
 いやぁ、そりゃ、もう、彼も、そうでしょう。
 見知らぬ街で、迷子になるなんて、あの年頃では、心細くて、怖かったでしょうに。
 しかも、街角って、漢字とアルファベット表記だけで、平仮名ってのは、無いですものね。
 う〜む、なかなか、鋭いつっこみです。
 無線で、とりあえず、つながっても、やはり、顔を見ると見ないでは大違い。
 う・・・ここにも、伏線・・・?(笑)

< 哀ちゃん > 
 一条戻り橋の哀ちゃんは、印象的でした。
 周囲…というか、テーマが、「会えた」だったので、現実には、会いたい人に会えない彼女は、辛い存在。
 それでも、あの橋のたもとに立つことで、心の中でだけでも、無言の言葉を交わすことが出来たかしらん・・・。
 なんか、うまく言葉に出来ないのだけれど、あの場面は、強烈な印象が残ったのでした。