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猿島再訪(下)へ

行ってきました猿島へ!

昨年の第二海堡探索以来、しばらく行っていなかった猿島が気になってしょうがなかった。
もうガタガタに破壊されているのではないかと心配になってきた。
猿島は第二海堡と違ってご家族でいけるような楽チン島なので、
いつでも行けるといままで油断していた。まだ大丈夫だろうか?
てな訳で2月11日またも、朝一番の早起きで猿島にいってきました。

世話人としては1977、78、83年と19年ぶり、4回目の上陸であります。

ちょっと猿島の簡単紹介

猿島は第二海堡とは違い東京湾で唯一の自然島だ。横須賀から船が出ていて
10分程度でいける。一応無人島なのでその日の内に帰ってこないといけない。

島の面積約55,500m2 東西 約200m 南北 約450m 周囲 約1.6km 標高 約40m
1時間程度で島内散策が可能だ。現在は国から横須賀市が委託管理されている。

猿島の歴史は縄文時代にさかのぼり、洞窟から人骨、土器などが発見されている。
要塞としての建設は幕末の台場からはじまり、明治14年陸軍が砲台と要塞の築造着手、
明治17年完成、大正12年関東大震災一部崩壊、大正14年陸軍要塞放棄、昭和16年海軍
高射砲5座配備、昭和20年米軍に接収までと明治初期から昭和にわたっている。

 

ざっとこんな感じの島だよ

しかし、現在残っているのは、明治初期のレンガ造りの建造物(兵舎、弾薬庫など)と
指令部のあったトンネル状地下壕だけで、幕末期の台場は現存しない。昭和になって
築造されたコンクリートの砲台も地面にその形状を残すのみとなっている。
その後は、昭和22年渡船開始、昭和32年海水浴場オープン、昭和36年米海軍接収地返還
となり、一時期を除いて一般人に公開されている。また、野鳥の宝庫で現在、21種類が
観測されており、西側南端の断崖にあるヒメウ・ウミウを混じえた200羽以上からなる
越冬コロニーがある。とだいたいこんな按配の島です。廃墟や遺蹟が好きな人、
釣りが好きな人、バードウォッチングが好きな人、海水浴(もちろん夏にかぎるが・・)
好きな人など、とにかくなんでもこいの島であります。

       
     
 弾薬庫の跡         露天堀擁壁面のレンガ造り
                   の兵舎や弾薬庫

 で!今回どうだったか?

さすがに19年ぶりだといくら廃墟でも変わっていて昔、中に入れたところも
ずいぶんと入れなくなっている。以前、東京アドベンチャーボーイズというすぐに解散した
怪しい探検隊があって、1978年にこの猿島を調査したことがあった。
(この時は、地下壕の壁に張付いた巨大ゲジゲジに全員腰を抜かして、そそくさと撤退した。)

(24年後の定点撮影)
  
 
      2002年の世話人      1978年東京アドベンチャーボーイズ
                    の3名 左より世話人、M氏、I氏

それで島のどこに何があるとか、塞がれた部分の中の状況はそのときの調査でだいたい
わかるのだが、やはり入れないのは残念だ。とにかく開口部という開口部はすべて塞がれて
しまっている。それもベニヤを強引に打ち付けてあるという感じで、大変不粋で腹立たしい。
まったくセンスがない保存だ。いやとても保存といえない。
猿島要塞はロマネスク様式、レンガ造ボールド構造で、そのフランス積みレンガ建造物は
全国で4件しかなく、猿島要塞はその中でも最大規模だ。レンガのアーチ造り洋式トンネルに
到っては日本で2番目に古いそうだ。こんな美しい立派なものなのにこの扱いだ。
やはり日本は先進国ではないのだ。それでもめげずに他の手付かずの場所をあたってみる。

地下室の入り口発見

林の中に謎の地下室があったのを思いだし、その当時の記憶をたよりに
探してみると、ありました。ありました。
枯葉に埋もれた地下へ続く階段が・・しばらく人が入った形跡はない。

さすがにこの存在は知られてなくて放置されたままだ。
朝一番の船だったので島には海岸にいる釣り人数人と島の中心部に
世話人がひとりいるだけだ。この状況でこんなところの
地下壕に降りていくのはどうも気色が悪い!
だけど好奇心は恐怖に打ち勝つ!そろそろと降りてみる。
中は思ったよりきれいだ。早速写真を撮る。
こうゆう時はヘンなものが写らないことを祈る。
デジカメなのでヘンなものが写るとすぐわかるのでイヤだ。
(もっともそんなもの写ったことないが・・)

   

軍の秘密の補給口跡 
今はもうここに行くことは
できない。何故か缶コーラで
駅弁を食べている世話人?  1978年当時の写真だ

トンネル内に並ぶ司令部や階段の
 
入り口跡、今は完全に塞がれている。
中は2階建てになっている。
巨大ゲジゲジがいた。

ここ以外にトンネルの途中に横から上る階段があって、そこを上ると島の断崖の中央部にでて
突然海が開ける。なかなかの感動であった。後で知ったが軍の秘密の補給口だったらしい。
トンネルの内部が完全に塞がれる以前は簡単にいくことが出来たが、今はもうムリだ。
だいたいの位置はわかっているから、そこに行くには島の頂上から岸壁沿いにロープで
降りればいい。場所を変えながら試みたけど危険すぎて断念した。
こんなところがいっぱいだ!

しかし何でこうあっちゃこっちゃ塞ごうとするのだ。それは穴があるとすぐに入って
いたずらをしたり、事件や事故をおこしたりするやつが多いということか?
世話人みたいに穴があるとすぐに入りたがる人間にとっては実に迷惑な話だ。

そんな訳で欲求不満のままお昼過ぎの船で引き揚げた。

猿島再訪(下)ではオリジナル詳細マップと共に
もうすこし掘り下げた猿島を紹介したいと思います。

 第二海堡と違って乗船券がある

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