小学校の通学路、山手通りのガードをくぐれば椎名町の駅が見える。
その日も、くすんだピンク色の電車が行き交っていた。
それは錯覚だと思った。
目にも鮮やかな白地に赤帯の電車が、一瞬のうちに通り過ぎていった。
「あっ!」
これが、鉄道というものに惚れてしまったきっかけだと思う。
夕方、また見てしまった。
こんどはもっと一瞬だった。
「ぴ〜っ」という汽笛とともに駅を通過していった。
「えっ?」
はじめて見たE851だった。
小学校3年生の頭には刺激が強すぎた、昭和44年、夏の出来事。
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