きいろいでんしゃ

「きいろいでんしゃ」のこと・・・

150Kwという昭和44年当時としては最強ともいえる主電動機を載せた、
「きいろいでんしゃ」101系。

勾配のきつい秩父線開業に備えて抑速ブレーキも付け、
「ぴんくのでんしゃ」たちとは一味もふた味も違う、高性能な電車でした。

初期型のデザインは701・801系を踏襲していたので、
まだ子どもだった私の目には、最初は「従来の車両の色違い」くらいにしか思えませんでした。

今でこそ「爆音」を響かせながら日常的に時速100キロ超のスピードで走っていますが、
デビュー当初はその高性能をもてあまし気味で、
他の車両の足にあわせてのんびり流していることが多かったようです。

私はまさにその頃を境に「電車好き」が開眼、
乗り心地のよい台車(FS072・372)を履いた101系は、
駅に止まっていても人が乗り降りするたびに
空気バネを「シューシュー」言わせながら車体を揺らしていることが印象的で、
子ども心に「黄色い電車はすごい」と思ってしまったのでした。



運転台を覗けばスポーツカーのように(?)フードのついた5連メーター!
ごく稀に運転手さんが4ノッチに入れたときなど、
電流計の針がぐいっと上がり、背中を押されるようにスピードが上がって行くともう手のひらに汗!
そんなときは、どこまでも伸びる力強い加速とモーター音に
ひとりドキドキしたものです。

そんな思い出いっぱいの101系初期型も、いつのまにか貴重な存在となり、
まもなく消滅してしまいます。

惜別と感謝の意を込めて、いくつかの写真をアップします。

1975.1.19 東吾野