徳之島(もしかしたら思いっきり変な島かも?)

2006年2月25日〜2月27日



その3 : 変!


ところで、
徳之島と言えば、多くの方が、まず思い浮かべるのは<闘牛>ではなかろうか?
私もそうで
まず、観光ポスターなんかにある、牛と牛が角をぶつかり合わせている写真が頭に浮かび
次に、
徳之島と言えば
かつて日本の最長寿者だったおじいちゃん<泉重千代さん>の
ひげの長〜い仙人みたいな姿が脳裏をかすめ
続いて

「・・・・・そういや、昔、徳之島の五つ子ちゃんって、よくNHKのTVで特集していたよなぁ・・・」

なんてことを思い出し
なんとなく徳之島のことがわかったような、全然わからないような気分になる。
それがすべて。

じゃあ、

<徳之島と言えば闘牛>

の、その闘牛って、島にとってどんなものなのか?と言うことだけれども・・・。



私も、島に行く前は、
観光ポスターにあるような闘牛のシーンを思い浮かべて
まぁ、なんとなく、島には闘牛場があり、闘牛用の牛を飼ってる人がいて・・・
ってなことを考えていた。
沖縄本島にも闘牛場はあり、建物の外観は見たことがあったので
それと同じ施設が徳之島にもひとつあり、年に1〜2度、島をあげてのお祭りさわぎになるのかなぁ
なんて思っていたわけだった。



実態は全然違っていたのだ。

まず、
この徳之島は、周囲が約80キロメートル、人口約2万5000人の島なのだけれども
  (島としては、決して小さいわけではないけれども、かと言ってでっかいわけでも決して無い。
   時速60キロの車で海岸線沿いに走って、1時間半かからないんだから)
こういう島に
なんと、闘牛場が6個もある。
6個ですよ、6個!?

島には3つの町があるのだけれども
単純に割り算すれば、1町に2個の闘牛場があるってことになるのだ。
神社や集会所じゃない、闘牛場が、ですよ?
しかもその闘牛場、
私が考えていたように、年に1〜2度程度使用されるわけじゃなく
聞くところによると、島をあげての<全島闘牛大会>と言うのが、年に3度あり(3度!!)
それ以外にも
<◎◎記念大会><◎◎杯 闘牛大会>なんてのが、年に20回近く開催されているそうな。
ひっえ〜〜〜〜〜!

もちろん、
それだけ大会があると言うことは、それに見合うだけの数の闘牛も飼われているわけで
実際、島の海岸線沿いに車を走らせているだけで
あっちにも牛舎
こっちにも牛舎!
そして、そこで飼われているのはこんな牛!!



もう、肉牛や乳牛とは全然違う。
手前にある車は3ナンバーのマジェスタで、なのに、その奥にいる牛が、あの大きさ。
ってことは、どれくらいでかい牛か、想像していただけるでしょうか??
TVで見た、北米大陸のバイソンって、こんなんじゃなかったっけ・・・?

ともあれ、こういう牛が、島のあっちにもこっちにも飼われていて(もちろん、つながれてます)
主要幹線道路の脇には

<アマミノクロウサギに注意>

の標識と並び

<牛 横断注意 夕方トレーニングに出るため>

なんて牛の絵入りの標識まで立っている。
実際、我々がドライブしている際も、とあるゆるいカーブを曲がったとたん
前方に、飼い主に引かれて道を横断中の闘牛が現れ、ビックリしたこともあったのだ。
・・・香川県で道の脇に立ってる<動物に注意>の標識なんて、イノシシかタヌキですよ。


そんな想像以上に<闘牛度の濃い>島だけに、更にビックリさせられるようなものもあった。
ビデオ屋である。
もちろん、普通の映画のビデオなんかではない。
闘牛大会のビデオである。
しかも、その店では、なんと闘牛大会のビデオしか扱ってない、専門店なのだった!



↑これは徳之島空港のお土産物屋さんで撮影させてもらったものなのだけれども
こういうビデオが、ズラリと並んだ専門店。
ビデオのタイトルが、またすごいではありませんか。
<昭和21年生まれ 還暦記念軽量級闘牛大会><成人記念闘牛大会>
もちろん、これ、飼い主の年齢でしょう。
ってことは
成人記念闘牛大会が開催できるほど、徳之島では、誰もが自分の闘牛を持っている・・・???


はっきり言って、闘牛って、決して安く飼える動物では無いと思う。身体のでかさを考えても。
1年に、いったいどれくらいの餌を食べるのか?
その、決して安くは無い・・・・・いや、むしろお金のかかる、言ってみれば<道楽>を、
島全体でやっている・・・
それも、たった2万5000人の島でと言うところが、
なんかもう、すごい。

我が四国には、高知に闘犬というものがあって、趣味で土佐犬を飼っている人もいるけれども
高知県全域は広い。
それに比べれば、周囲80キロメートルの、この島の<闘牛度の濃さ>よ!
いや、もう参りました。


義父母と一緒なので、あまり暴走するわけにはいかなかったのだけれども
6個の闘牛場のうちの一箇所へ行ってみた。(行かずに帰れましょうか)





↑これが、力士ならぬ闘牛が入場する花道。
いやもう、次回は絶対に、闘牛の開催される日に来よう!!闘牛を、見なくては!!!
と思った私達夫婦だった。


と思ったところで気がついたのだけれども
徳之島へ来る際に、不思議だった

鹿児島〜徳之島間の飛行機が、何故あんなにも大きな150人乗りの機体だったのか??

これは
全島闘牛大会なんて時には、
島外からも、熱心なファンが、大勢押し寄せて来るためではなかろうか?
もちろん、
沖縄ソックリの気候風土だから、
夏場、観光客が、かなりの数になるってこともあるだろうけれども。
でも、
闘牛のためってのも・・・・・かなりウェイトが大きいのでは??

またいつか。徳之島!





     
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