里山オーナーの話 (5)


2004年10月31日 <台風後の復旧作業・1> 

会社勤め時代の年下の同僚に、元自衛隊にいた
という男性がいた。
その人いわく、自衛隊で何がつらかったって

「地面に穴を掘らされるんですよ。何時間もかけて。そいで、その穴を、また埋めさせられるんです。
空しかったですわーーーこの訓練」


多分、<黙々と地道な作業を我慢強くする隊員>になるための訓練なのだろうけれど
確かに、こんなに気力が萎えることはないのかも・・・と思った、当時。
でも、まさか
それを実感する日が来ようとは。



本日も里山にて、復興作業である。

1週間ぶりにマスターTさん宅へ向かってみると、先週土砂崩れで通行不可能だった道も
なんとか土砂は取り除かれ、通行OK。
しかし、斜面はむき出しで、今にも崩れてきそうな怖さに満ちている。
息を止めるようにして、そこを通過。
が、
たどり着いたマスターTさん宅は、先週と同じ状態のまんまだった。
庭は土砂に埋まったまま。
どうやら、土砂で埋まった道路の修復作業に大忙しで、業者がなかなか来てくれないよう。

・・・そうやろうなぁ・・・・・。


何故なら、ここへ来る前、念のためネットで調べてみたのだけれども
マスターTさんが住む綾上町というところは、
土砂崩れで通行不可能になった道が、なんと町内で49ヶ所もあったのだ。
49ヶ所!
道路だけで。

・・・これに、田んぼの裏山が崩れたとか、山の中で斜面が崩れたとか
そういうのをカウントしていったら、いったい綾上町内だけで、何百ヶ所の土砂崩れがあったのやら・・・。
いや、県内では・・・。


そういうわけで本日は、田んぼ関係の修復作業となる。
これはもう、本格的な土木作業だ。

10月23日の日記にも書いたけれど
農林家のマスターTさんの復興作業は、とてつもなく幅広い。
田んぼやら山やら・・・
その中でも、まずやらねばならないのが、水路の修復。
山から湧いて出る水が集まって、川へ流れ込むための水路が、
Tさんの土地の中には何カ所もあるのだけれど
この台風23号の大雨で、
その水路が、軒並み詰まってしまった。
山から流れ出た倒木や、土石のせいで。
これを素早く復旧させないと、次の雨が来たとき、また道やら家やらに水があふれ出してしまう・・・。

その復旧のためには、土中に埋められたコンクリートの配水管を掘り出し
中の泥やら木やらをかき出し
また土管を埋め
それを石で固定していかなくてはならない

って、ここまで本当に<土木>な作業になろうとは!

本日、このプロジェクトのために集まったのは、
里山オーナー関係者6人(男5人・女1人)+マスターTさんの計7人。
うち、一人が、自前のクレーン車を持って参上。
クレーン車。

悪い予感がした。

・・・私、先週にも増して、今日は役に立たないかもしれない・・・・・・・・。





実のところ、ここへ来ようかどうしようか
前の晩に、かなり悩んだワタクシ。
Tさん宅へ行っても、正直、あんまし役にはたたないんじゃないか?と思ったからなのだが
(だって先週、そーとーヘッポコだったんだもん。とほほほほ)
それなら、
Tさん宅へは、夫だけ参上させ
私は、高松市内の床上浸水地域へ行って、ゴミ出しやら泥拭きやら、
食器の消毒のボランティアをやった方が、よっぽどマシなんじゃないかしらん
世の中のためには。

実際、今度の台風23号の災害では、ボランティアの人数が足りない!!
と、
県内の、どのボランティアセンターでも悲鳴が上がっていた。
香川県民が冷たい・・・と言うのじゃなくて
前回の台風16号の高潮被害の時と比べ、被害の範囲が広すぎたのだ。
なにせ、
県下全域で、河川の氾濫やら土砂崩れやらが起こり
15名もの方が亡くなられてしまった・・・。
結果
県民の多くが、
<親戚 or 知り合いに被害者がいる>という状態になってしまったのだ。
私一人を例にしても
マスターTさんと、我が父の実家(というのは、夏に亡くなった叔母の家だが)が、土砂でワヤ。
父の実家の方は、叔父達が頑張って片づけてくれているそうだけれど
とにかく、そう言う状況で、
まずは<親戚><知り合い>のヘルプに駆けつけるので、皆精一杯。
とてもとても、ボランティアまでは・・・・・。
で、
こういう時、頼みの、県外からのボランティアだけれど、近隣県は皆、同じ台風でメッチャクチャ。
遠いところからでもやって来てくれるタイプの人は、
今は、ほとんどが新潟だ。
↑というような今現在、私、やっぱ、市内でボランティアへ行った方が・・・・・
と思ったのだけれど。

でも・・・・・・・

阪神大震災の時、とある精神科医がこんなことを言っていた。

「人が頑張れるのは、<いつかは助けが来る>と思っているからこそです」

確か、山の遭難現場での心理状態の話だったのだけれど
災害地でも、同じ状況だということだった。
そして、
<誰も自分のことを心配してくれていない>と思ったら、もう人間は、立ち直る気力が出ないとも。

だったら

やっぱ、ここは、マスターTさん宅へ、
「Tさ〜〜ん。応援に来たで〜〜〜」と、一人でも多くの人間が出向いた方がいいんじゃないか?

そう考えて参加した、土木工事。
クレーン車付きの土木工事なのだけれども。
その様子は、というと・・・





冒頭の、自衛隊の訓練である。
思わず、あれを思い出さずにはいられなかった私。
だって水路には、常に水が流れている。
詰まろうが詰まってなかろうが、常に山からの水が流れ込んでいる。
そして、
その水が
かき出してもかき出しても、
また泥を運び込むのだよ!コンクリートの排水管に!!!!!
ええい!チクショウ!!
どっかで水をせき止めてやろうか!

とも思ったけれど、そうすれば、よそに水があふれ出すし・・・。
・・・確か、こういうギリシャ神話ってあったよなぁ・・・
などと、悲しい考えも頭をよぎる。
でも、本当は、そんなにボーッともしていられない我々。
何故なら、我々の頭上を、今、100sはあろうかという石が
クレーンで吊られて移動しているから。
2メートル離れた小川の河原から盗んだこれらの石が、配水管を固定する石組みになるのだ。


盗んだ

と書いたけれど
もともとこれら河原の石は
Tさんの田んぼの土手の石垣だったり、Tさんの山にあったりしたもの。
それが豪雨で、川に押し流されてしまったのだ。
でも
いったん2級河川であるこの小川に入ったら
その石
勝手に取っては、いけないんだそうだ。
それは、県の土木部の管轄に入るから。
川の石を勝手に取ってもいい・・・ってことになると、取って石屋に売る人とか
河原の砂利を大量に取って売る者とかが出てくるので
そういう決まりになっているんだろうけれど
今回のような復旧作業のために必要な石も、拾えないなんて〜〜〜

そんなん困るわーー!!!

と言いつつ、結構な数の石を、クレーンで吊り上げた我々。
すいません。
県の土木部河川課には内緒にしといてくださいね。これ読んだ人。
だって、緊急事態なんだもの!!!
作業中に、かなりの雨が降ってきて
また大水が出たら・・・
と、皆必死だったんだもの。



そんなこんなで、雨の中、石を運び、泥をかき
土木作業に励んだ我々。
作業をしながら
各地の被災地で、土木工事をしている人達のことを思った。
おりしも
新潟では、危険極まりなさそうな、土砂崩れの現場から、2歳の男の子が助け出されたばかり。
あの現場も、TVで見ていて相当怖かったっけ・・・。


どうか皆さま、気をつけて。
どうか、ケガが無いように。
と、祈りつつ、なんとか配水管は復活した、マスターTさんの土地。


でも、まだまだこれは、序の口です。


2004年11月9日 <台風後の復旧作業・2> 

週末の11月7日日曜日は、里山復旧作業3週間目。
が、
まだ土木業者は、マスターTさん宅へは現れず、
Tさんちの周囲は、先週のまま土砂に取り囲まれていた。
これはもう、業者を待っていては年が明けてしまう
ということで
ついに、土砂を、人力で取り除くことに。

この日やって来たのは、男6人・女1人(私だ)&マスターTさん=計8人。
これで、Tさん宅の前庭をミッシリ埋めている土砂を運び出す。
ジョウレンや一輪車で運んでいたのでは
日が暮れてしまいそうな量なので
軽トラの荷台に土砂を積んで運ぶこととなった。
幸い、農林家のマスターTさん宅には、売りに行くほどのスコップやクワがある。
各自、それを手にして、いざ!作業開始のゴングが鳴った。
さあ来い!片づけてくれるわ!土砂!!!


・・・・・が


土砂の量の、見た目より多いの多くないのって。

最初の第一杯目が、軽トラに乗って運び出された時
泥の山は、ちっとも減っているように見えなかった。

・・・いったい、何回、軽トラに泥を積むことになるのかしらん・・・

と、不安がよぎる私。
積んだ土砂は、Tさんちの陥没した道とか、田んぼのあぜとか
放り込む場所はいくらでもあるからOKなのだけれど、こっちの腰とか腕とか大丈夫なのか・・・?


しかし
それでも、土砂の山は、確実に小さくなっていったのだ。
この日のメンバーに
比較的若い、屈強そうな男性が多かった
というのが、多分勝因だろう。
2時間後
信じられないことに、土砂の山は、Tさんちの前庭から消え去っていた。
軽トラックに、8杯分の土砂が。
本当に信じられない。
思わず「万歳!」を叫びたかったけれども
Tさんちの土砂の、これはほんの一部なのよね・・・。
家の裏や横には、まだこの5倍くらいの土砂があるのよね・・・。
まだまだこれからよね。





さて、この日の復旧作業は、これで終わり、
午後から、我々夫婦は、やっとのことで畑作りにとりかかった。



なんとかかんとか、クワで土を掘り起こして畝を作って、種をまいた我々。
まいたのは
<ラディッシュ><菜の花><空豆><にんにく>。
通常より1ヶ月ほど、種まきが遅れたこれらの、今後はいかに?
って
大体、空豆なんて
来週行ったら、すでに、カラスにほじくり返されて食べられてるかもしれないんだけれども。
だって、空豆を土の中に押し込んでいる時
カラスが何羽か、上空を、カアカア鳴きながら通過して行った。
あいつら、絶対、私らの仕事を見ている。
ああ・・・・・
どうなることやら。



それはともかく
そんなこんなで、午前中は、スコップで思いっきり土砂をすくい
午後は、思いっきりクワを使った私達。
日頃使わない筋肉を、後先考えず酷使した結果
翌、月曜日、どうなったかと言えば

朝、夫は食卓からトイレに立とうとし

「た・・・立てん」

トイレに行けば行ったで

「す・・・座れん」

私は案の定、手の親指の付け根が痛く、なんだか右手には力が入らないよう。
つくづく、締め切りが終わっていて良かった・・・と思います。





ところで、
こういう災害もあったけれども、恵みというのも、やはりあり
今年も我らが里山では、↓これが出た!



昨年、20年ぶりに出たこれが、今年はなんと



↑+2本=5本も出たのだ!!

もちろん、偶然出たのではなく、
昨年出た区画のオーナーさんが、アカマツの根元の落ち葉や腐葉土を一所懸命取り除き
環境を整えた結果の5本。
でも、本当に
話には聞いていたけれど
アカマツ林をきちんと手入れすれば、マの字は採れるものなんだな・・・と驚いてしまった。
                      (なにせ泥棒の多い昨今。伏せ字にします)

更に、これは天然ものではないけれど
別のオーナーさんが、里山で人工栽培しているヒラタケも大豊作。
どちらも、あの台風23号の風雨を乗り越えての収穫だったので、喜びもひとしおだった。
ヒラタケの方は、あまりの大豊作に
作業に来ていた全員で分けても



一人分が、この通り。
店で売ってるものより、キョーレツにでかいけれど、ちゃんとヒラタケです。念のため。
画面左側は、
我々オーナーで植菌した<ほだ木>から出たシイタケと、畑で取れた里芋。
野菜が泣くほど高い今、どれもこれもありがたい山の恵みでした。


2004年11月13日 <台風後の復旧作業・3> 

マスターTさんが、今年最後の田んぼの稲刈りを終えたのは、10月18日のこと。
そして、その2日後、台風23号が豪雨を連れてやって来た。
以来
マスターTさんは、家やら田んぼやら山やらの復旧作業でてんやわんや。
使い終わった稲刈り機の泥を、落とす暇も無く働いていたらば、
とうとう、泥の付いた部分から稲刈り機が錆びつき出したそう。
農機具は農民の命・・・
というか、とにかく高価。超高い。
こりゃ大変
と、マスターTさんは、本日、稲刈り機の掃除に励んでらした。
よって、本日は、泥かきも土木工事も無し。
我々夫婦は、里山の山道の復旧作業をやることにしたのだった。





我らが里山の中は、信じられないほどの豪雨にみまわれ、
山と山の間をすごい濁流が流れていったらしく
あちこちの木の根元に、流された枝やらツルやらが引っかかったまま、今も残っている。
↓この写真ではわかりづらいでしょうけれども、これらは、私の膝の高さくらいの所に残っているのです。



つまり、膝まで来る深さの濁流が、↓この辺一帯を駆け抜けていった・・・



って、どうしてもイメージできないのだけれど、でも本当だという証拠に、上の写真のように
山道は、土が押し流されて、深い溝が、あっちにもこっちにも出来てしまっているし
また、
えっ!と思うようなでかい石が、流れに運ばれて置き去りにされていた。
本日は、まず、これらの溝を埋める作業。
全部はとうてい無理なので
取りあえず、人が通る共通路だけ石と土で補修した。↓こんな感じで。



どうか大雨で流されませんように、と願いつつ作業を終えた私。
素人工事だから、なんとな〜〜く不安で仕方ないのだ・・・。



午後からは、自分達の区画の、例の大クヌギの処理をやる。
9月25日に、
マスターTさんに、ぶっとい幹の部分の玉切り(幹を輪切りにすること)をしてもらって以来だから
実に一ヶ月半ぶりの作業だった。


台風で大木が倒れるのは、自然なこと。
そうやって森は更新され、新しい草木が育つのだから。
なので、ここが深い奥山なら、
このクヌギ
放っておいて、自然に朽ちるのを待てばいいんだけれども
ここは里山。
やっぱ、いつまでも↓こんなグチャグチャではいかんわ〜〜



ということで、夫はチェーンソー、私は手ノコで、木をさばいていくことになった。



1本の木を、こまかく解体していくことを、魚と同じように<さばく>と言うのだけれども
2時間かけてほんの一部をさばいた結果が、これ。↓



あああ〜〜〜、でもっ、
さばいても、我々にはこれの使い道が無い!

百々世庵に持って行ったら、いったいどれだけ良い<たきつけ>&<薪>になるだろうか。
もうクヤシイったら!
この10倍くらいは、これから出来るんですよ。たきつけ&薪。とほほほー。




・・・そんなこんな里山仕事。
しかし、正直言って、私は今日の作業は、苦しいながらも楽しかった。
・・・だって、
先週も先々週も先々々週も
・・・私、横でチョロチョロしてただけだったもん。
やっぱ、ああいう時は、男の人にはかなわないもん。
いてもいなくても、多分一緒だったもん・・・・・
ブツブツブツ。
一方、
本日の作業は夫と二人。
かなり頑張った手応えがあったのだ。
やっぱ、この手応えが無くてはなぁ・・・と思った。もちろん、そりゃ何ごとにおいても同じだけれど。



山仕事終了後には、↓相変わらず絶好調のヒラタケを収穫。(もはや、このでかさにも、もう慣れた)



シイタケも収穫期に入っていて、
早く取らないと、なんか水木しげるさんの漫画に出て来そうな化け物みたいにでっかくなったシイタケが
ほだ木にくっついてるし。
そういうわけで、当分、我が家でキノコ類を買うことは無さそうです。



ところで、
去る10月31日に修復した、配水管がこれ。



矢印の所の、丸い穴が土管で
普段は、ホントにもう、チョロチョロとしか水が流れていないのに・・・・・。
どうか、また詰まることがありませんように!
と、こちらも願いつつ、本日の山仕事は無事終了。
山の神サマ、ありがとうございました!


2004年11月17日 <害獣達> 

夏に亡くなった叔母は、専業農家だった。
亡くなる前、病床の叔母と、色々農業の話をした。
里山オーナーになってて良かった
と、
この時、心の底から思った。
叔母と、あの時、ああいう話をするために、私と夫は里山オーナーになっていたんじゃなかろうか
とさえ思ったほど。
だって、それまでは、農業のことも林業のことも、私はまるっきり知らなかったんだから。


そんな叔母との会話の中で、一番印象に残っているのが<害獣>に関することだった。
折しも、マスターTさんの山や畑では
イノシシが何頭も走り回り
ビックリ仰天なことには、鹿まで出たところ。
で、その害獣に関する叔母の意見は

「何が腹立つって、猿!」

だそう。
そう、
叔母の家がある香川県東部の山間部は、猿の群が生息しているのだ。
そして、そいつらが、
果樹園の果物から畑の野菜から、果ては台所に置いてあるまな板の上の大根まで
かっさらって行ってしまうという。

イノシシは、畑を電気柵かトタン板の柵で囲えば、なんとか防げるけれども
猿はもう、

「何をしてもいかん。全然効果ない」
「ホンマにもーーー、憎ったらしいったらない!!!」

と言った叔母は、本当に本当に悔しそうだった。
せっかく汗水たらして作った野菜を、
盗んでも、全然<悪い>とも思わない相手に奪われるのだ。
しかも、そこら辺を飛んでる蚊なんかとは違って、そう好き勝手に駆除できる生き物じゃあないし・・・。

「猿に比べたら、イノシシなんかマシ!」

が、叔母の結論だった。


ただ、全国的には、農作物の被害というのは、圧倒的にイノシシが多いそうだ。
マスターTさんの住む綾上町も
猿はほとんどおらず、
ダントツはイノシシの食害だそう。
この秋も、台風23号の襲来以降、
マスターTさんの土地の、あらゆる所にイノシシの足跡が出現しだした。
23号以前も、足跡はあったのだけれど
なんだか、今はもう
メチャクチャに走り回ってるという感じ。
やっぱり、山の中がものすごく荒れて、食料が無くなってしまったんだろうな・・・。
それなら、ホントにイノシシも気の毒ではあるのだけれど
でも、
これが、稲刈り前の田んぼに出て来て、稲をムチャクチャにしてたら・・・やっぱり・・・・・困る・・・。



ところで、先日新聞で読んで驚いたのだけれど
日本国内で、農作物に被害を与える動物の第一位は、このイノシシ。
では、
ランキング第二位は?????
と言えば

カラスなんだそう。

夏に、里山の畑で、カラスに食われたトマトやメロンの、無惨な残骸を見た私としては

やっぱりなーーー!

と、大いにうなずくところなのだけれども
呑気にうなずいてばかりもいられないのは
そう
11月7日に種を蒔いた、あの<空豆>が、
そのカラスにほじくられ、食われてしまったかもしれないからだ。
私の空豆はいったい???



というわけで、前の土曜日(11月13日)に、恐る恐る畑を見てみた私と夫。

思わず、目が点になってしまった。
だって、土に埋めたはずの空豆の種が
5センチ以上の深さに埋めた種が
畑の土の上に、
ポツンと一個、出てるではないの!??


「えーーー!なんでーーー??」

と、思わず叫んだけれど、なんでもクソも無い。絶対にカラスだ!カラスにほじくられたのだ!
それが証拠に
その周囲にイノシシの足跡は無かったんだから。今回は。
(前にトマトやメロンがやられた時、畑には、イノシシと鹿の足跡もあったので
カラスが真犯人とも、カラスの単独犯とも決めつけられないのよね、本当は)

おのれカラス〜〜〜!!!


さて、
種を調べてみたところ、かじられた形跡は無く
どうやら、ほじくってみたものの、乾燥した空豆の皮が固すぎて食べかねた模様。
ザマーミロ!
と言いたいところだけれども
たまたま今回来たカラスが、固い物嫌いだっただけで
次に来る奴は、丈夫なくちばしを持っているかもしれない。

農業の本によると、空豆は、1週間ほどで発芽するとか。
+3日=10日くらいかかるとして、
まさに、これを書いている今日あたり、発芽しているかもしれない。
でも
今週末は、我々は山へは行けない。
行くとしたら、23日の勤労感謝の日が、一番近い日なのだ。
さあ、23日、
私と夫は、畑に空豆の発芽を見て、
自分達の勤労(土を起こして畑にした)に感謝することができるのでしょうか?
それとも、のっぺらぼうの畑を見
カラスをののしることになるのか??

<ゴンベさんが種蒔きゃカラスがほじくる>ってあの歌
本当に本当だったんやなぁ・・・・・。


         
       (6)へ       里山オーナーの話・目次へ戻る       トップページへ戻る