鹿〜シカ  鹿島神宮の祭神「武甕槌命(タケミカヅチノミコト)」の鹿
鹿島神宮の祭神、武甕槌神の所に来た天照大神の使者が鹿の神霊だったことから
鹿が神使とされた。「鹿島神宮」の祭神は「春日大社」に勘請された。
武甕槌命(タケミカヅチノミコト)と鹿
◆鹿島神宮と鹿
鹿島神宮の祭神である武甕槌命(タケミカヅチノミコト)ところに、天照大神(アマテラスオオミカミ)から使者が来て、「香取神社(千葉県佐原市)の祭神、経津主命(フツヌシノミコト)と共に出雲の国へ行って、大国主命に、出雲国を自分(天照大神)に譲るように説得してきなさい」とのことだった。
この時の
天照大神の使者、天迦久神(アメノカグノカミ)は、鹿の神霊だったとされ、これに因んで、鹿島神宮の神使は鹿とされるようになった。
神社名(地名)も
「香島」が「鹿島」になった
なお、武甕槌命、経津主命は共に「剣の神」(武神)で、出雲国に出向いての強談判
(コワダンパン)の結果、大国主命に「国譲り」をさせることに成功した。
                           
 (鹿島神宮:茨城県鹿嶋市宮中2306-1 )

春日大社(奈良市)の鹿苑
鹿島神宮、春日大社とも対の鹿像はない。
鹿苑で生きた鹿が神鹿として飼われている。
◆春日大社と鹿
春日大社の社伝によると、称徳天皇のとき(767年)、平城京鎮護のため、鹿島神宮の武甕槌命を春日大社の祭神に勧請した。
この時、
武甕槌命は白鹿に乗って御蓋山(三笠山)に来られたという伝説から、鹿を神鹿として保護敬愛した。
すなわち、
春日大社(奈良)の鹿は、鹿島神宮(茨城)から連れてこられたといえる。
祭神は、武甕槌命(鹿島神宮の祭神)、経津主神(香取神宮の祭神)、天児屋命(枚岡神社北第一殿祭神)と比売神(枚岡神社第二殿祭神)を祀っている。
       
(春日大社:奈良市春日野町160)
  
立木神社
拝殿前 子連れ二連の鹿
内側:昭和12年(1937) 外側:不明
脇門入り口 四足で立つ青銅製の鹿
昭和56年(1981) ブロンズ像
春日大社の祭神として、常陸国の鹿嶋神社の祭神、武甕槌命が勧請された。
767年、武甕槌命が常陸の国、鹿島を出立してこの地に到った時、里人が神殿を造って命を祭祀したのが神社の起源。
「立木」というのは、命が手にした柿の杖をこの地に刺し、「この木が生えつくならば、われ永く大和の国三笠の山(今の春日大社)に鎮まらん」と言われたら、不思議なことに根付いたので、以来この名で呼ばれるようになった。

滋賀県草津市草津4-1-3
JR琵琶湖線「草津駅」下車、歩10分

枚岡(ヒラオカ)神社
祭神:天兒屋根命、比賣御神、武甕槌命、経津主命
古くから「河内国一の宮」と崇められてきた古社で、約1200年前、祭神四柱のうち、前の二神を奈良の春日大社に分祀したことから、元春日(もとかすが)と呼ばれ、藤原氏の隆盛とともに栄えた。
後の二神は、春日大社から迎えた。
 

建立:弘化3年(1846)

東大阪市出雲井町7-16
近鉄奈良線「枚岡駅」下車、駅前

大原野神社
「大原野神社」は、長岡京還都にあたり藤原氏の願いによって、氏神である「奈良の春日大社」の分霊を祀った古社で、本殿は春日大社と同じく4棟が東西に並び、東から武甕槌命(鹿島神宮の祭神)、経津主神(香取神宮の祭神)、天児屋命(枚岡神社北第一殿祭神)と比売神(枚岡神社第二殿祭神)を祀っている。

拝殿前
建立年は不明

京都市西京区大原野南春日町1152
阪急京都線「東向日駅」、バス南春日町行終点下車、歩15分