〜サル(2)  庚申信仰の猿 … 庚申塔、庚申塚
A:青面金剛を祀る(仏教・道教)

猫実(ネコザネ)の庚申塔

庚申塔は正徳5年(1715)に猫実村の庚申講の信者が建てたものである。
青面金剛を祀る。

庚申塔入り口の猿像は正装してはいるが、左右とも右足は地面につけ左足を横に折って高坐に座りくつろいだ感じである。
特に右像は扇子をもち、謡っているようにも見える。

  明治33年  

  石工 當村 本多稲吉

千葉県浦安市猫実4-13
営団東西線浦安駅-徒歩5分


水盤を2匹のサルがかついでいる
大相模不動「大聖寺」:庚申塔
青面金剛の庚申塔の前に羽織を着た一対の猿像がある。
左像は膝に右足を乗せて腰掛けている。
くつろいだ雰囲気である。

天保9年(1838)

埼玉県越谷市相模町6
東武伊勢崎線越谷駅、バス不動前下車

小関の庚申塚

堂内にも 2対の猿像が2対奉納されている

青面金剛を祀る。
この地区の「小関講中」が大正5(1916)年4月に建立した堂である。
入り口の猿像は羽織半纏
(ハオリバンテン)を着て御幣をもち、軽妙な感じである。
建立年不明(大正5年?)

◆「祭神の青面金剛菩薩は仏教、御幣を持った猿像は神道、堂内の合掌している猿は富士浅間(講)にみられるもの」と、神仏混合(習合)と猿の混合(混同)がおこなわれている。
これが民間信仰のおおらかさである。

東京都練馬区石神井台7−10
西武新宿線武蔵関駅北口、歩3分

下野庚申堂
下野庚申堂は日本三大庚申の一つとされる。
安永7年(1778)に建てられた本堂に、奈良時代の高僧行基の作とされる「青面金剛童子像」を祀る。
通常は庚申塔に刻まれる「三猿と鶏」が本堂前に左右一対として置かれている。
石彫像に彩色したもので、ごく最近化粧直しされた。

岐阜県中津川市福岡地区下野
JR中央線中津川駅、バス付知峡線「下野」下車徒歩12分