「鼠に助けられて、難を逃れた大国主命」の話(古事記など)
大穴牟遅(オオナムチ)(=大国主命)は、須佐之男命(スサノオノミコト)の娘、須勢理毘売(スセリヒメ)に見初められて恋に落ちた。
しかし、大国主命はこのことを知った須佐之男命から厳しい試練を与えられることになった。
第一日目は蛇のいる部屋、二日目は蜂や百足の部屋に寝せられたが二夜とも姫の機転で難を切り抜けることが出来た。
三日目には大野の中に射込まれた鳴鏑
(ナリカブラ)の矢を拾って来ることを命ぜられた。
大国主命が矢を拾いに野原に入るとすぐに火を放たれ、逃げ惑っていると、
鼠が出てきて「内はほらほら、外はすぶすぶ(内部はうつろで、外部はすぼんでいる)」と言うので、そこを踏むと、地下は空洞になっていてそこに落ち込んだ。
そのまま避難していると火は焼け過ぎていった。
その上、その鼠は鳴鏑の矢をくわえて持ってきてくれた。
こうして大国主命は須佐之男命に矢を渡すことができた。
鼠に助けられたのである。
その後、大国主命と姫は無事に「根の国」を脱出して、出雲に新しい国を開いた。

「大黒天と鼠」像 ●沢観音寺 栃木県矢板市沢393
本ページと同じ画像だが、こちらの方が大きいので良く見て欲しい。
足下にネズミがいる!