〜カメ(4)  弁天(市杵志摩比売命 イチキシマヒメ)の亀
弁天(弁財天)の神使は川のイメージなどから蛇や龍であるとされるが、
龍神信仰とも習合して、海(龍宮)のイメージから弁天のお使いは「亀」ともされる。
参照:弁財天の蛇弁財天の龍
弁財天と亀

菅原道真を祀る白潟天満宮の摂社 厳島神社は、主祭神として市杵志摩比売命(イチキシマヒメノミコト)を祀る。「弁天さま」と称せられる。
弁天(弁才天)の神使は蛇や龍ともされるが、この地方では「弁天さま」は海から亀に乗ってきたとされ、弁天のお使いは亀だとされている。
松江では、海とは宍道湖(しんじこ)をいう。
宍道湖畔に建つこの社の亀像は、海(湖)の方向に頭を向けて置かれている。

  
白潟 厳島神社(白潟天満宮内)
亀像は二体あるが対ではない。
作像年は不明だが立派な古亀の趣がある。

島根県松江市天神町
JR松江駅から歩7分

(参考)江島神社 江島弁財天と八方睨みの亀
江島神社の祭神は、天照大神と須佐之男命の誓約(ウケイ)の際に生まれた三人姉妹の女神で、奥津宮に多紀理比賣命中津宮に市寸島比賣命辺津宮に田寸津比賣命が祀られて江島大神と称されている。
古くは江島明神と呼ばれていたが、仏教との習合によって弁財天女とされ江島弁財天として信仰されるに至った。
江島弁財天は、日本三大弁財天の一つとされる。
また、江の島は古来、龍神の座すところとされるが、龍神信仰は弁財天信仰と習合した。
岩屋洞窟風の「龍宮(わたつみのみや)」がある。
奥津宮の天井絵「八方睨みの亀」 (原画)酒井抱一・享和三年(1842)
亀は奥津宮の祭神 多紀理比賣命(
タキリヒメ・江島弁財天)の神使とされる。

奥津宮の御手水舎(写真下)
銅葺き流れ造りの御手水舎は、耳のある亀が前柱の礎石になっている。
鋳銅の亀は青山健作(昭和54年)参拝30周年記念で奉納。
(下の写真2枚のみ、阿由葉)