〜 ヘビ(1)  弁天・弁才天・弁財天の蛇
弁天は、古代インドにおける川の神(水神)だったことから、川 の流れのイメージ゛に起因して、
インド古来の蛇・龍信仰とも相まって、神使は「蛇」や「龍」だとされた。
さらに、日本に入って、弁天信仰が龍神信仰とも習合したことか ら
海(龍宮)のイメージも加わって、「亀」も神使とされた。
この項 では「蛇」を扱う。

参照:弁財天の龍弁財天の亀

弁天/弁才天/弁財天/弁天について

弁天は、古代インドにおける川の神(女神)で、サラスヴァティといい、水神、農業神として崇拝されたという。
仏教の守護神として日本に入ってきた当初は、8本の腕に宝珠・剣・弓矢・金剛杵等を持った姿(八臂像)だったが、鎌倉時代になると2本の腕(二臂)で膝を立て琵琶を弾く姿(像)が一般化し、芸能の神様ともいわれるようになった。


最勝寺
(東京都新宿区

乗蓮寺
(東京都練馬区)
弁天は、学問・弁舌・音楽・除災・財宝・至福を与える神で、農業神・海上神・福徳神などとして人々の願いを聞きとどけてくれる女神と信じられている。
江戸時代には、当初の弁才天から、より現世利益の「財」を強調した弁財天と呼ばれて、七福神の一神ともされた。

神道では市杵嶋姫が弁財天とされた
また、弁天は神仏習合して、神道では、天照大神との誓約
(ウケイ)の際に須佐之男命の剣から生まれた三女神(宗像三女神=海上交通安全の神)、特に、そのうちの一人、市杵嶋姫(イチキシマヒメ)を弁財天として祀る。

江島神社(神奈川県)、厳島神社(広島県宮島)、竹生島神社(滋賀県琵琶湖)が
(神道系)
日本三大弁財天とされる。

弁天は宇賀神とも習合した…
一方で、弁天は日本神道古来の神である宇賀神とも習合して一体化し、弁天の頭上に宇賀神が載っている像や蛇身の弁天像もある。
宇賀神は日本固有の神で、老人の頭を持ち身体は白蛇(人頭蛇身)の姿をしていて、農業・食物・財福の神とされる。
蛇身弁財天 石像
木母寺境内(東京都墨田区堤通2丁目)
蛇身弁財天 石像
氷川神社境内・弁財天祠(埼玉県富士見市諏訪)
宇賀神石像…老人の頭と蛇身
三鷹市井の頭4丁目
井の頭弁財天の南階段上・大盛寺の門前

矢川弁財天

阿吽はしていないが、うろこのはっきりした蛇。
とぐろは左巻き、右巻きと異なるが、同形である。

奉納:立川市柴崎町 中村仙太郎 妻フミ
昭和18年5月吉日(1943)
○中石材店 刻

東京都立川市羽衣町3-29
JR南武線西国立駅下車歩7分

光福院ー弁財天堂
宝珠山光福院医王寺(ヤクオウジ)
弁財天堂前、とぐろを巻く大蛇
阿吽をして、太く長く重量感のある、おっとりした蛇像
建立年は不明

埼玉県三郷市早稲田8-16
JR武蔵野線三郷駅北口、早稲田西循環バス・「光福院」下車

久下田 白蛇弁財天
社伝によると、大永2年(1522)安芸の宮島より分霊し祀ったと伝わる。
かつてこの社は森厳幽すいの地にあった。
社の中には二匹の白蛇が住んでいて吉凶異変があると姿を現したとされる。
(白蛇弁財天由来記)
蛇像は1級技能士(杉山石材店)の奉納
昭和59年(1984)
(祭神 市杵島姫命)

栃木県芳賀郡二宮町久下田(クゲタ)古池ヶ淵
真岡鉄道久下田駅下車5分

白蛇神社(宝冠白蛇弁財天)


階段上の神社側から撮影


上の写真の裏側
岩国白蛇保存会(白蛇資料館)に併設された神社である。
宇賀弁財天を祀る。
弁財天と、日本古来の人頭蛇身の宇賀神とが習合した神で、両神はともに、農業神(稲荷神)の要素と財福神などの要素をもち、蛇に縁のある神である。
神社入り口の階段上に、弁財天の神使の白蛇の像が対で奉納されている。
蛇は、米俵に巻きつき、打出の小槌に顎をのせていて、上述した祭神の農業・財福の功徳(ご利益)を表している。
2001年巳年の記念事業として「白蛇保存会」が奉納したもの。
立派な像である。

山口県岩国市今津町6-4-2
JR山陽本線「岩国駅」下車、約1500m

磯山(出流原)弁財天
宇賀神弁天を祀る。
三層楼の舞台造りの社殿。
奉納 阿吽の大蛇 昭和52(1977)年4月 公園荘 尾花英雄作

出流原(いずるはら)弁天池は古生層石灰岩からの湧水で名水百選。

弁財天のお使いの、大きなオブジェ風白蛇像などが奉納されている。

栃木県佐野市出流原町1,262
両毛線「佐野駅」、市営バス「さくらの里」行で「赤見温泉」下車又はタクシ−

大谷寺(大谷観音)・弁天堂

弁天堂(島)
「大谷観音」の名で知られ、坂東33霊場の第19番札所。
堂内の岩壁面に彫られた磨崖仏は、国の重要文化財であり特別史跡。
本堂左手奥にある大きな池の中の島に弁財天を祀る。
左右に神使のオブジェ風白蛇がある。

弁天堂左の白蛇

弁天堂右の白蛇
   赤い弁天堂の白ヘビの由来(大谷寺の説明坂)
   「昔、この池に毒蛇が住んでおり、毒をまき人々を困らせていました。
   時に大同、弘仁の頃、弘法大師がこの話を聞き、秘法をもって退治したといいます。
   その後、毒蛇は心を入れ替えて白へびとなり、弁財天にお仕えしています。」

栃木県宇都宮市大谷町1,198
JR宇都宮駅から関東バス大谷方面行き「大谷観音前」下車

上神明天祖神社内・弁天社

元享2年(1322)の旱魃時の雨乞祈願による降雨を感謝し
蛇窪村の鎮守として創建されたと伝わる。

境内の弁天社にオブジェ風の白蛇が奉納されている。
荏原七福神のひとつ。

東京都品川区二葉4-4-12
東急大井町線「中延明駅」徒歩10分