〜カメ(1)  妙見菩薩、妙見(北辰)信仰の亀
北極星や北斗七星を神格化した密教の仏、妙見菩薩の神使は、
北の守護神の玄武(亀と蛇の合体)とされ、亀とされた。
妙見(北辰)信仰と亀
妙見信仰とは、星座の日周運動の中心が北極星であることから、「北極星(=北辰星)」を高貴な星としてあがめ、北極星に人の運命は支配されるとする思想(=北辰信仰)を基にして、北極星や北斗七星を神格化した妙見菩薩を祀るものである。

東西南北の天体は、東は歳星、西は太白、南は蛍惑、北は辰星である。
北極星は北辰星と呼ばれる。
ここから、妙見信仰は北辰信仰ともいう。
密教の陰陽道とも密接な関係にあった。

神使は亀(玄武・亀蛇)
東西南北の方位の四神(守護神)のうち、北は玄武である。

北方の守護神、玄武(げんぶ)は、中国の想像上の神獣で、足・首の長い亀に蛇が巻きついた形をしている。
また玄武は亀蛇
(キダ)とも呼ばれる。

この事から、北極星や北斗七星の化身、妙見菩薩の神使は、北の守護神の玄武(亀蛇)とされ、一般には亀が象徴している。

なお、妙見菩薩は、神仏習合や陰陽道の中で、鎮宅霊符(チンタクレイフ)神、北辰尊星王、真武神ともよばれる。

また、神社系妙見社では仏教系の妙見菩薩ではなく、天御中主命(アメノミナカヌシノミコト)、国常立尊(クニタチトコノミコト)を主祭神ともする。

写真は玄武神社(京都市北区紫野雲町88)の玄武と絵馬
  
北星神社(本尊:妙見菩薩)
 
拝殿前の亀 

背後からみると蓑亀

境内の碑前の古亀
天保13年
(1842)

荒波の中、子亀が岩をよじ登っている台座も面白い
この社は千葉一族の相馬氏時代の創建とされ、本殿に天御中主命、本尊に妙見菩薩を祀っている。
千葉・相馬氏は、北辰信仰から妙見菩薩を守護神として、領地内の城などに必ず祀っていたとされる。
また、近くの田から妙見菩薩像が出て、これをここに祀ったという説もある。
「妙見宮」と呼ばれていたが、明治41年に他の神社とも合祀されて、北星神社と改められた。
妙見菩薩の神使として、亀が置かれている。  

千葉県我孫子市台田4-11
JR常磐線北柏駅下車

少林山 達磨寺
 
右は亀が、左は奇怪な蛇が、「灯かご」を載せている  大正9(1920)年奉納

少林山達磨寺の
「玄武」のお守り
寺の本堂は霊符堂といい、北辰鎮宅霊符尊(ホクシンチンタクレイフソン)・達磨大師・開山心越禅師を祀る。
北辰鎮宅霊符尊は北極星と北斗七星を神格化した神で、妙見菩薩ともいう。また、この寺は「福だるま」で知られる。
本堂への参拝階段の登り口手前に、古来の和灯篭の替わりに、モダンな西洋街燈風灯篭が奉納されている。この
「灯かご」を支えているのが、なんと、右は亀、左は蛇である。
左右一対で妙見菩薩の神使「玄武(亀蛇)」を表わしている。珍しい神使像である。

群馬県高崎市鼻高町296
JR高崎線他高崎駅、バス少林山線「少林山入口」

柴崎神社
この社は日本武尊が東征の途次立ち寄り戦勝を祈願し、平将門も崇敬し、相馬一族も守護神としたと伝えられる古社である。
祭神は、天御中主命
(アメノミナカヌシノミコト)他であり、古くは妙見社と呼ばれていたが、明治元年に北星社になり、明治13年に柴崎神社となった。
妙見(北辰)信仰に基づく「妙見社」だったことから、
妙見菩薩の神使である亀像が置かれているが、対になった像はない。
足をしっかり突っ張って、首の長い亀ばかりが置かれているが、これらは「亀」というより、より「玄武」を意識して造られている。
千葉県安孫子市柴崎737番
JR常磐線北柏駅下車