ビューティフル・マインド


「ビューティフル・マインド」という映画をご存知ですか?

ゲーム理論の土台を完成させ、その後の経済学の発展に大きく貢献した
天才数学者ナッシュの苦悩を描いた映画です。
非協力ゲーム理論により彼はノーベル経済学賞を受賞しました。
経済社会が内包する戦略的要素を数学的モデルによって分析できることを
ナッシュは理論的に証明したのです。


ゲーム理論と戦略的状況


市場経済システムの中において、消費者、企業、政府という経済主体は
各々の目的に従い合理的な行動を取ることを許されています。

そして、経済社会のそれぞれのプレイヤーは
互いの意思決定の間にある相互関係を承知した上で行動しています。
言うなれば、各主体は常に、
他の主体との競争的状況の中に置かれているということになります。

ビジネスの世界において競争的状況、換言すれば、戦略的状況は頻繁に出現します。
買い手と売り手の間の価格交渉、製造業者と小売業者の間のアロウワンスに関する交渉、
完成品メーカーと部品メーカーの間のインセンティブ問題、
政府と被規制産業の間の交渉など、戦略的状況の例は枚挙に暇がありません。

戦略的状況に置かれたプレイヤーは
他のプレイヤーがどのような行動をするかを考慮した上で
合理的な意思決定を下さなければなりません。

合理的意思決定とは、各々のプレイヤーの利害が戦略的に相互作用する中で、
当該プレイヤーにとって最も好ましい戦略のことを指します。
ゲーム理論はこの最適解を導き出す意思決定プロセスを強力に支援します。

ゲーム理論は経済学に留まらず、経営学、会計学、国際関係論等の分野においても
その重要性を高めています。

さて、次のページではゲーム理論の基本である
囚人(しゅうじん)のジレンマについてわかりやすく解説したいと思います。



次へ