工場見学実施に当たり、見学コースの整備などの手間や
見学コースで説明を行う職員の人件費等のコストが掛かる。

また、事故が発生することもあるかもしれない。
工場内の機械や設備を日頃から点検することは事故の抑止力となるだけでなく、
危険予知トレーニングの一環としても有用だ。

頭上から物が落下してくるような箇所は工場内にないか、
床が滑りやすかったり、資材が転がっていたりするなど、
危険な箇所は見学コースにないか等を従業員は常にチェックする必要がある。

残念なことではあるが、人の集まる場所では必ず迷惑行為が発生する。
スーパーマーケット、鉄道、テーマパーク等に留まらず、
それは工場見学の場でも起こりうる。
迷惑行為には毅然とした態度で対応しよう。
総会屋への利益供与など企業の不祥事が後を絶たない中で、
反社会的勢力との対決姿勢を社内外に鮮明に示したい。

リスクとコストを勘案し、
割に合わなければ工場見学の実施を見合わせる場合もある。

しかしながら、リスクとコストが発生するのにもかかわらず、
工場見学を実施する企業は枚挙に暇がない。
企業は工場見学にそれらを補って余りある魅力を感じている。

工場見学を実施することで、
テレビ広告、新聞広告等では伝えきれない木目細かな情報を
PRビデオ、パンフレット等の媒体を使って効果的に伝えたり、
工場で働く人々の生の声を利害関係者に直接届けたりすることが可能になる。
また、環境保護への真摯な取り組みを利害関係者に伝えることは
自社に対する好意的イメージ形成に貢献する。
そして、最高の品質の商品を提供するという目標は
社員のモティベーション(動機付け)を大いに向上させる。

企業は工場見学や他のコミュニケーション手段を通じて
利害関係者に自社を好きになってもらいたいと願っている。
多くの施策を間違えることなく組み合わせることができれば、
企業の切なる思いは顧客や投資家にきっと届くだろう。




戻る