残念!


大量に生産し品物を各々の自動販売機に納め、顧客の購買を待つという飲料メーカーの ビジネスは自動販売機の遠隔管理システムの導入によりどのように姿を変えるのだろうか。

自社商品を取り扱う自動販売機に定期的に商品を補充する従来のビジネススタイルにおいては 売り切れとなっても商品補充の機会が到来するまで商品は補充されない。
上記システムを導入し、自動販売機内の在庫が少なくなると適宜補充するようになれば、 商品補充機会は増加するだろう。
従って商品補充関連物流のエネルギー消費量は増加する。

欲しい商品の売り切れを知った消費者は同一の自販機で他の商品を買うか、 隣に並ぶ他社の自販機に気に入った商品があればそれを購入する。
同一の自販機にも隣の自販機にも欲しい商品がなければ、 消費者はその場所から離れ、別の自販機や店舗で飲料を調達する。

隣接して自販機が設置されておらず1つだけ置かれた自販機に 飲料を求めてやってきた消費者は当該自販機に欲しい商品がなければ 自動車等を利用して別の場所に移動する。

自販機の遠隔管理システムを導入すると売り切れになる頻度が減るため、 消費者の移動に伴うガソリン等のエネルギー消費量は減少する。

このシステムを導入して自動販売機内の在庫を即座に把握できるようになれば、 個別商品の人気の高低により生産量を機動的に調整できる。
すなわち不必要な生産活動を減らすことが可能になる。
これにより不人気商品の過剰供給を回避できるため 返品物流に伴うエネルギー消費量は減少する。

一方、在庫スペースは増加する。
適時の補充に対応するため、 ある一定の場所に大量の商品を集中して管理する必要が生じるからである。
在庫スペースが大きくなれば電力消費量も増加する。


従って、エネルギー消費量増加要因とエネルギー消費量削減要因の分類をすると このようになる。


エネルギー消費量増加要因:在庫スペース、商品補充関連物流
エネルギー消費量削減要因:不必要生産、返品物流、消費者移動



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