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RULE of ROSE PS2
ルール オブ ローズ

プレイステーション2ソフト
ソニーコンピューターエンターテイメント(SCE)
2006年1月19日発売


★アクションアドベンチャー

■□サイコアドベンチャー□■
 バイオハザードのようなアクション性のあるアドベンチャーゲーム。
 主人公ジェニファーは少年から絵本を渡され、とある洋館に迷い込む。どこかで見たことのあるような洋館をさまよっていると、紙袋をかぶった少女たちに拉致され、飛行船へと連れて行かれる。
 そこでは、子どもたちによる、バラの掟に縛られた、赤いクレヨンの貴族の社交界があった。毎月薔薇の姫からお達しがあって、貢ぎ物を探してこなくてはならない。
 それは蝶であったり、ウサギであったり、だんだんとエスカレートしていく……。

■□パートナーは犬□■
 ジェニファーを手助けしてくれるのがかかしの騎士。彼はその場を動かないが、話しかけるとゲームのヒントをくれる。ジェニファーがこの不可思議な世界に入り込んでしまったのは、誰かとの重要な約束を忘れてしまっていたからだということがわかる。
 そしてジェニファーにいつもついて回るのが犬のブラウン。アイテムのにおいを嗅がせ、それに関連したアイテムを探し出してくれる。
 ブラウンとの出会いは強制イベントになっていて、ブラウンに頼らないと見つけられないアイテムもあるのだが、逆に言えば、ブラウンに頼りっぱなしになってしまう。


■□ストーリー考察(ネタバレ)□■

◆◇1.マルチエンディングなのか?◇◆
 ゲームオーバーを除いて確認できたエンディングは2種類。のらいぬとうそつき姫の章でグレゴリーを殺してしまった時と、グレゴリーに拳銃を渡して自殺させ、その後のむかしむかしの章でブラウンを納屋に閉じこめてしまうもの。
 このふたつがスタッフロールの流れるエンディング。ただし、グレゴリーを殺してしまった時は明らかにバッドエンディングで、「誰も助けられなかった」となっている。むかしむかしの章のほうはボーカル付きの曲が流れるから、これが一応のグッドエンディングになるのか。

 ジェニファーはブラウンを貢ぎ物にしてしまったことを後悔しているので、ウェンディーに紹介せずに自分の中だけの秘密にしておこうと、そういう結末なのだと思う。
 だけど、ブラウンが柱に括りつけられた時、ブラウンの悲痛な鳴き声が後味悪い。ジェニファーはさらに納屋に鍵までかけた。これではウェンディーとやっていることが一緒である。縛り付ける愛。ジェニファーが選んだ道に納得がいかないわたしである。
 リトルプリンセスの絵本を見ると、少女は思い出に鍵をかけたとあるので、一致する結末ではある。


◆◇2.ウェンディーと薔薇の姫◇◆
 リトルプリンセスの絵本の冒頭、少女は薔薇の姫といつも一緒で、ある事件、これはおそらくは飛行船の事故だと思われるが、これによっていったんは引き離されている。絵をよく見ると、小さいフリルの服のほうが薔薇の姫のようだ。薔薇の姫は人形だったのだろうか。
 少女を引き取ったのはグレゴリーであると思うのだが、そのへんは省略され、いきなり孤児院にきている。そこでは薔薇の姫が絶対的な存在で、バラの掟の社交界があった。
 このあたりがよくわからない。状況からして薔薇の姫=ウェンディーであるのだが、事故の前にふたりは出会っていたのだろうか。

 ウェンディーが飼っていたウサギのピーター。飛行船で一番初めにウェンディーと出会った時、彼女は「うさぎは寂しいと死んでしまう」といっていた。自分の化身のようなウサギを貢ぎ物にした時、彼女のたがが外れてしまったように思う。
 赤い鳥のエレノア、ヤギの姉妹のダイアナとメグ、人魚を暗示するクララ、そして熊のジョシュア=ジェニファー。意識の中で彼女たちを葬り去りたかったような気がしてならない。

 最終章はほとんど回想であるが、実体があるのはウェンディーとグレゴリーとブラウンである。孤児院の外でウェンディーが空を飛ぶ魚の絵を書いているが、このシーンはジェニファーが一番最初に孤児院にやってきたときも門の外から見ることができる。
 飛行船の病室の壁に貼ってある絵にも魚の絵があるが、ウェンディーにとってはどんな意味があったのだろう。その魚もまた、ロープに繋がれ、下から4人の少女がロープを引っ張っている。


◆◇3.日付の不一致◇◆
 ロープ。ゲームも終盤になると、至る所がロープで縛られていた。最終章でも、メグ、ダイアナ、エレノアがそれぞれなんらかに縛られていたとジェニファーは回想している。
 グレゴリーも永遠の仲なんてない。相手を拘束して理想に近づけたいだけといっている。このとき、グレゴリーはお嬢ちゃんの物語も書かせてねといっている。1930年1月だ。
 なぜ最終章は1930年1月なのだろう。

 このゲームで一番古い記録は1929年4月25日。飛行船が飛び立った日。これがことの発端。
 それから1年弱の隔たりがあり、ホフマンの冊子1930年3月2日。子どもたちの間で妖精が出るという噂が流布。
 ホフマンの冊子1930年5月12日。うさぎが逃げる事件。
 新聞記事の1930年6月21日。7日と14日にも同様の子供がいなくなる事件。
 新聞記事の1930年12月20日。孤児院の子供が全員殺される。グレゴリーも拳銃で撃たれていた。自殺と推測された。

 これらは現実世界において、確実に起こった出来事であろう。
 問題なのは、ジェニファーは孤児院にいつやってきたのかということだ。
 ウェンディーとジェニファーの手紙のやり取りを見る限りでは、4月10日にウェンディーからジェニファーへの手紙を送っている辺りからふたりのつきあいは始まっている。
 そして6月27日に地下室を抜け出し、その後、孤児院へやってきたのだろうが、そうするとつじつまの合わぬことになる。ジェニファーは蝶の貢ぎ物をしているので、4月には孤児院にいなくては話が合わない。

 百歩譲ってジェニファーが孤児院にやってきたのは1929年だとしたらどうだろう。だが、ジェニファーは4月25日、もしくはそれから数日の間に飛行船の事故で両親を失い、グレゴリーに連れ去れたようなので、4月10日にウェンディーから手紙をもらっているのはおかしい。

 ブラウンとの出会いはどうだろうか。手紙を読めば、ジェニファーは地下室を出た後にブラウンを見つけている。監禁されていたのだから、それも当然だ。
 だが、最終章の1930年1月、ジェニファーは子犬だったころのブラウンを閉じこめてゲームは終わる。これは、その後のジェニファーが子犬と会ってしまわないように、という意味合いがあるのか?
 ゲームではジェニファーがすべてを思い出したといっているが、なぞだらけの結末になってしまった。


◆◇4.四つ葉のクローバーと意味深なオブジェ◇◆
 クリア特典として、四つ葉のクローバーの鍵が手に入る。これはコスプレ部屋に入れる鍵なのだが、たったそれだけの意味なのだろうか。
 不幸なクローバー畑の絵本は見開きで2ページも白紙である。それを埋めるのは、プレイヤーの想像なのか……わたしはいまだ不幸な少女のままである……。

 クローバー畑にある天使の像。初めは調べてもなにもならないが、ピーターが入った袋を取ったあたりで調べると「天使の像がある」というメッセージが出てくるが、これに意味はあるのだろうか。
 天使といえば、アマンダの日記に書いてあった天使のようなイラスト。あの絵はなんだったのだろう。

 飛行船の冷凍庫にあった不気味な肉塊。誰かの死体かと思った。
 メグのノート。最後のページが破られているのが気になる。妖精の国についてと、遊び部屋に飛行船ブームにあやかって、何かの仕掛けをしたようなのだが……わからない。
 孤児院の地下室。貢ぎ物を捧げるような人形たちがおいてある部屋。あの机の下、血だまりがないか? 壁にも血文字が見えるのだが……。
 屋根裏部屋。ここにグレゴリーの拳銃が隠されていたようだ。クローバーの花で作った冠と、乱暴に書き殴った紙切れ。これには何が書かれていたのだろう。
 そして、屋根裏にはオープニングデモで少女たちが書いていた絵が何点か落ちているようなのだが、調べても何も書かれていないとある。あきらかに何か描かれているのに。


■□わたしが考えるストーリー□■
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