ジャケット
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ウィーミュージック Wii
Wii Music

Wii
任天堂
2008年10月16日発売


★音楽

■□楽器を奏でる□■
 Wiiリモコンとヌンチャクを楽器に見立てて演奏する、ひとことで言ってしまえばそれだけのソフトで、プロモーションを見てもそんなイメージだったが、とんでもない! やってみればどっぷりハマってしまうソフトだった。
 まずはざっくりと説明します。

 1曲の中で演奏できるのは6パートあり、同時に4人まで一緒にセッションでき、残りのパートは「テトリ」というノンプレイキャラクターにお任せして演奏できる。
 楽器は60種類以上、収録されている楽曲は50曲。自分も数十時間遊んでみたが、まだまだ全曲アレンジが終わってないほどで、収録曲は少ないとは感じなかった。
 本気かはったりか、プロデューサーの宮本氏は「10曲じゃ少ない、100曲は作れ」といったそうだが、そうなっていたらとんでもないボリュームだっただろう。

 さて、楽器を選ぶと演奏モードに入る。画面右下にポコポコ動いているのはテンポくんで、メトロノームのような役割をしている。Wiiリモコンからも「カチカチ」と音が聞こえてくる。テンポくんはイントロ始まりやメロディの始まり、曲の終わりなどを文字で知らせてくれる。
 −ボタンを押すと画面上部に一線譜が表示され、音符が書かれている。そのとおりにボタンを押したりリモコンを振ったりという超簡単動作で、楽器が弾けなくともオリジナルの曲の通りに音が鳴るようになっていているが、もちろんこのとおりに演奏する必要はない。
 アレンジを楽しむソフトだから。
 このソフトの真骨頂ともいえるのがミュージッククリップをつくること。クリップをつくるとき、多人数でもできるが、一人でつくり込む方が自分流のアレンジがつくれておもしろいだろう。

■□舞台の選択□■
 まずは演奏者を選ぶ。
 演奏者は自分のWiiの似顔絵広場にいるMiiが候補として上がってくるのでその中から選べる。全部のパートを同じMiiにしてもいいし、楽器それぞれ違うMiiにするもよし、ビートルズに似せたMiiを作っておいたり、自由な発想で奏者を決める。

 そして演奏する曲を選び、演奏する舞台を選ぶ。コンサートホールやこぢんまりとしたライブホール、野外ホール、学校の教室、バースデイケーキの上など10種類ある。
 観客にMiiが登場し、奏者のアクションによって観客が拍手をしたり、舞台装置の炎が上がったり、虹が架かったり、それぞれに特色がある。

■□重ね録りをする□■
 演奏する6つのパートはパーカッションが2つと、ベース、コード、サブメロとリードがあり、それぞれ好きな楽器を選べる。
 楽器の選択に迷ったときはアイコンの楽器セットを選ぶとよい。「ロック」や「レゲエ」「ジャズ」「マーチ」「和風」など11種類の音楽ジャンルがあり、「和風」を選んだときにはパーカッションに大太鼓が入り、ベースに三味線が選択され、曲調に合わせた楽器を組み合わせてくれる。
 同じ音程、リズムでも楽器の組み合わせで印象が違うモノになるのだ。
 曲の速さも5段階あるので、イメージに合わせて選択。

 1人でやるときは1つずつパートを選んで演奏する。その楽器の演奏は自動で記録されるので、また違うパートの楽器を選んで演奏してといった具合に重ね録りをしていく。たとえば、全部の楽器の演奏を終え、ベースの演奏が気に入らなければまたベースのみをやり直すことが可能で、とことんまで作り込める。
 それらの演奏は自動で5曲までセーブされるので、1曲を完成させないうちに途中で終わらせても大丈夫。曲目のリストにマークが付いているのがセーブされている曲となっている。

 演奏途中に十字キーを押すとMiiがジャンプしたりポーズを取ったりと、アクションを起こす。別のMiiが同じタイミングで同じ動作をすると先にのべたようにステージの仕掛けが作動して炎が上がったりする。

■□ミュージッククリップを完成させる□■
 演奏が完成したらジャケットをつくる。背景とフレームが何種類か用意されていて、そこに演奏者であるMiiをシールのように貼り付ける。1ボタンでポーズが変わり、十字キーで角度が変えられ、Wiiリモコンを画面から遠ざけたり近づけたりすることで拡大縮小する。

 こうしてできあがったものはプロモーションビデオのようにミュージッククリップとして保存される。カメラワークは自動で、演出もなかなか。このミュージッククリップは100個まで保存しておける。オンラインを通じてフレンド(本ソフトを持っている人)に送信することも可能。
 また、自分で作ったクリップや送られてきたクリップのデータを呼び出すことが可能なので、もらったクリップに自分で演奏を加えてまた友達に送り返して聞いてもらえるのだ。

■□アレンジ上達レッスン□■
 適当に楽器をならして演奏者の気分を味わうだけでなく、レッスンでは11種類の音楽ジャンルにおいてのアレンジのコツを教えてくれる。
 手取り足取り教えてくれるのがWiiMusicのキャラクター「テトリ」ファミリーだ。

 まずはお手本を聞きながら、画面上部に表示される一線譜を見ながら曲のリズムをつかむ。
 譜面通りに演奏してリズムを覚え、ミュージッククリップをつくるのとおなじようにして1パートずつ演奏を重ねてレッスンの修了となる。

 先にも書いたように、一線譜はミュージッククリップをつくるときも−ボタンを押して表示させることができ、その通りに演奏すればWiiMusicスタッフがつくったオリジナルのアレンジで演奏できるようになっている。
 リードやサブメロディはタイミングがずれるとかなり音を外すが、Aボタンを押しながらだと外しにくい。もともとAボタンの機能は同じ音を素早くかき鳴らすためのもので、短い音しか出ないウクレレ演奏なんかに向いている。
 ヌンチャクのレバーを倒して演奏すればピアノなんかがポロロンと鳴る。

 パーカッションやベース、コードは譜面通りだとだいたいワンパターンのリズムを刻んでいるので、レッスンで雰囲気をつかんでおくと自分なりのアレンジがしやすくなる。
 ともかく、このソフトは楽曲をいかにアレンジするかを楽しむソフトなのだ。

■□おまかせアレンジ□■
 おまかせアレンジを選ぶと、自動で楽曲と楽器を組み合わせてくれる。上記にある11種類のジャンルだけではなく、「ケルト」や「サルサ」「おもちゃ」「カントリー」「ユーロビート」など多数の組み合わせが用意されている。
 これも4人までで同時に演奏でき、足りないパートはテトリたちが演奏を担当。重ね録りはできないがミュージッククリップは残せるので、保存したクリップを後で呼び出し、テトリのパートを自分で入力し直すこともできる。

■□ミニゲーム□■
「なりきりオーケストラ」はリモコンを振ってオーケストラの指揮をとる。曲を盛り上げられたり気持ちいいが、ただ、この得点加算方法が曖昧だと思うのはわたしだけだろうか。
「合わせてハンドベル」いわゆる音ゲーのようなもので、タイミング良くベルを振って音を鳴らす。4人が同時に遊べて、それぞれ色の違うベルを担当する。1回ごとに色を変えて(リモコンを持ち替えて)演奏すると、結構うまくいかなくておもしろい。
「音感マッサージキキミミ」サンプルの音を聞いてどの音と同じかなどを当てるゲーム。和音の聞き分けがむずかしい。

 ファミリー向けに作ったのだとするなら、やっぱりもう少しミニゲームは欲しかったかも。なんだかんだで、WiiFitはミニゲームも秀逸で、健康に全く興味はないと思われる子供でもゲームとしても楽しめるようになっていると思う。

■□ドラムモード□■
 バランスWiiボードがあればドラムモードも遊べる。
 通常はリモコンとヌンチャクだけでドラムセットを演奏し、楽譜通りにリモコンを振れば適当な箇所でバスドラム、スネアドラム、シンバルが鳴るが、すべてを叩き分けすることができない。ボタンを押しながら振るとシンバルと1種類のタムタムは好きなタイミングで鳴らせるが、バスドラムを好きなタイミングで鳴らせないのだ。

 ボードに足を乗せ、右足でバスドラムを叩く。左足はハイハットを操作。リモコンの十字キーでハイタム、ミッドタム、ロータム。ドラムセットのすべてのシンバル、ドラムを操作できるのだ。
 ドラムレッスンではこのドラム演奏が学べ、練習を重ねていけば叩けるようになるが、1つの楽器を修得しようって言うんだから、それなりに難しい。

 もちろんドラムモードでミュージッククリップも作ることができる。
 音楽は一切鳴らさず、好きなだけ叩けるフリーモードもある。「エキサイトトラック」ではSDカードに入っている音楽をかけながらプレイできるが、このソフトにはそういう機能はない。音楽に合わせて叩けたら最高だろうが、まぁ、そんなに上達しようと思ったら相当なもんだ。

■□Miiが好きになる□■
 WiiメニューからMiiコンテストに行けば、今日のおすすめMiiを持って帰ることができるのだが、ここでおもしろMiiを見つけて似顔絵広場に移しておくとWii Musicがもっと楽しくなる。
 動物に似たMiiで森の演奏会とか。

 どこかで見たことのあるMii。

 顔をアップにも。

 楽器には柔道着を着た格闘家やチアリーダー、ネコの着ぐるみもある。
 通常、Miiはみんな黄色いジャケットを着ているのだが、操作方法によっては全員がそういった特別なコスチュームでも演奏できるようになっている。

 演奏の最後には演奏者であるMiiの名前が列記されるのだが、あらかじめMiiの名前に短く区切ったメッセージをつけておくと、ひとつの文章にもできて、フレンドへのプレゼントにも最適。

 任天堂のホームページにはWii Musicのスタッフが作ったミュージッククリップを見ることができる。
http://wii.com/jp/wii-music/staff-clips/#list
 おすすめは「トロイカ」。昭和の歌謡曲みたいなアレンジ。
 あと「けけブルース」も。もとはゆったりとしたジャズブルースのような曲のだが、ドラムソロ演奏があったりと、クール。
 「アルプス一万尺」みたいにリードメロディーをポイントだけ弾くとかもいい。
 前半は静かに、後半はパーカッションも加えて盛り上げる演奏をしたりと、やれることは多い。少し遊んでからまたこのスタッフの演奏見ると、こんなに変えられるんだと驚いてしまう。



リンク集
任天堂 発売元任天堂による公式サイト。


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